20210629

 帰りに強い雨が降っていて、ようやく季節が変わったことを実感したような気がする。特にその匂いに。雷も鳴っていた。

 朝吹真理子の「TIMELESS」を読んでいる。文章が綺麗だ。「きことわ」よりも幾分か読みやすい気がする。綺麗な文章を読んで、綺麗だな、と思うことでなんとか持ちこたえられている部分が確かにある。

 インターネットが面白くなくなったな、と思うことが増えてきて、と前の日記で書いたら、ちょうどそういう記事がインターネットに上がっていた。

 自分にとって「インターネットの面白い場所」がはてなだった頃が確かにあって、そこは、「社会」から良い感じの距離が取れていたような場所だった気がする。面白い文章を書く人がたくさんいたと思うし、そこにはいきすぎないアイロニーがあったように思う。
 綺麗なところばかりじゃなかったはずだから、「気がする」とか「思う」とか言い淀むようにしか書けないのだけれど、あの頃は今に比べればインターネットは好ましいものだったのは確かで、それはもう明確に失われてしまっていたんだなということに、記事を読んで改めて向き合わされた。ずっと前からわかりきっていたんだけれど、何が失われてしまったのかがはっきりしたというか。

 結局、次の場所を上手く見つけられていないから、懐かしいと思えるほどには距離が取れていなくて、寂しいなと思ってしまった。ようやくそう思えたのかも知れない。

 

 

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