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窮鼠と神童

昨日は下総国に在る黒船領土「鼠の海」にて休暇を満喫す。夜も開けきらぬ早朝より起きて一向一揆の如く関所に行列を作るなり。辰ノ刻、一斉に関所が開きて民衆はヤアーと叫びながら思いの場所へ突撃す。空中浮遊の術、高速列車大回転、地の臍、小魚、怖い塔、亜拉毘亜の夜などの仕掛け機械を、其々一刻の行列に耐えつつ満喫す。兵糧は僅かな玉蜀黍(大蒜海老味)や餃子犬を高額で取引して歩き続けるといふ運動選手精神。欲しがりません勝つまでは。そんな地獄の沙汰にも殊更に我の心を震わせたは、亜拉毘亜の英雄、その名も神童跋度(しんどうばっど)の冒険譚。摩訶不思議な乗合舟で高らかな歌と共に繰り広げる勧善懲悪よ。半日以上歩き続けた我もまた彼の多忙ぶりに共感せずには居られず思はず落涙す。帰りの馬車では一同爆睡、帰宅深夜で麦酒を煽って寝るなり。