東女美女烈伝.21 水波綾

突然夏の嵐のようなゲームチェンジャー

水波綾は美しいんだ。

90年代末期にnWoというユニットが日米を股にかけて一大ムーヴメントを巻き起こした。Tシャツは日本でも売れに売れ、売り上げは億単位にのぼったという。ついにはnWo typhoonとシリーズ名にまでなり、当時中学生の私も心を鷲掴みにされた。
まさにそんな一大ムーヴメントを東女で巻き起こすのが水波綾だ。憧れのレスラーは小島聡。波風立てない、ウチはウチなのでを団体とファンが共に作り上げるポジティブな鎖国政策。業界が誇る桃源郷への強烈なカウンターカルチャーあるいはゲームチェンジャー。

彼女の入場。憧れの小島聡を超える「陽」をまとったそれは美しさを飛び越えて神々しさすら感じる。アッニーキッ!

東女初参戦となった2023年5月5日後楽園ホールでの6人タッグマッチ。
渾身の右腕を振り抜い抜いてからのホットリミットという手荒な挨拶。こんな試合が東女で見ることができるだなんて。

里村明衣子、志田光、アジャ・コング。東女には「修行枠」と言われる(私の界隈で)ゲスト参戦選手がいる。私は少し飛躍させて、「ひとり精神と時の部屋」と呼んでいる。
彼女達は基本的にタイトル戦戦をはじめメインのストーリーラインには絡まない。颯爽と瞬間最大出力でやってきて所属選手に喝を入れては去っていく。

2024年1月4日。東女の闘始めで初参戦時にド派手に粉砕した愛野ユキとのタッグで彼女はプリンセスタッグ王座についた。
そう、彼女は単なる「修行枠」ではなかった。紛うことなき物語の登場人物のひとりだった。

タイトル戴冠後のバックステージ。

「諦めなければ涙の色だって変わるんだ。」と彼女はパートナー愛野ユキの流す涙を見ながらこう言った。
ゲームチェンジャーがこれから東女の色をどう変化させていくのか。いっちゃうぞバカヤローっ!

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