コント『的』『初耳』『ループ』の解説

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コント『的』『初耳』『ループ』

2019年1月 カカフカカ企画第25回本公演『カカフカカUNIVERSE』にて上演
(『カカフカカUNIVERSE Blu-rayディスク』に収録)


『的』・『ループ』について
不良仲間や敵対する番長の吐き捨てる唾が、ある若者に全て的中してしまうという話です。

このコントは十年以上前に思いつき、コント公演の度に机上に上がり、そして結局はストックされ続けていました。(稽古までして直前でカットしたことも)

理由はウケるわけがないと思っていたからです。

ただ、一度もチャレンジせず闇に葬るのは悔しかったので、たくさんの中でなら、(UNIVERSEは約170本のコントライブでした)
たとえ見事にスベったとしても上手く紛れるのではないかという意味不明なモチベーションの元、遂に採用されたのでした。


僕自身全く期待はしていなかったのですが、
(ならなぜ闇に葬らなかった)
実際に披露すると期待以上にウケてしまいました。

これは僕やこのコントに出ていないキャストたちだけでなく、出ていた本人たちでさえ狐に摘ままれたようでした。

そうです。関係者全員が絶対にスベるコントなのだと信じて疑わなかったのです。(だからなぜだ)

この体験のおかげで、今まで闇に葬ってきたボツコントたちに陽の目を与えてしまうこととなり、幾度の後悔に苛まれることになろうとは今の僕自身でさえ気づいてはいないのでした。


『初耳』について
ごろつきたちに因縁をつけられた老夫婦の前に現れる一人の男。その男はブレない信念を持つあまり、結局その場の全員を殴り倒してしまう、という悲劇のコントです。

手前味噌ですが、僕はこの話が好きです。

最後の老人の断末魔と共に宙に浮かぶ《平等》の二文字が、良し悪しでは割り切れない現代社会への歯痒さを、少しでも解消してくれているような気がするのです。

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