コント『代用品』の解説

※※ どうぞ動画を見てからお読み下さい ※※

コント『代用品』
脚本・演出 高山 銀平

2019年1月 カカフカカ企画第25回本公演『カカフカカUNIVERSE』にて上演
(『カカフカカUNIVERSE Blu-rayディスク』に収録)


カカフカカ企画をご愛顧下さる数少ない貴重な皆様方、大変お待たせいたしました。

今回の再開より毎週水曜日の更新とペースは落ちますが、
その分続けていく覚悟を持ち、自らのコントの魅力を手前味噌全開でお伝えしていく所存にございます。たまにお付き合い頂けましたら幸いです。


さて再開一発目のコントは最新の本公演からです。

劇中に登場人物たちが以下のものを順番に口に詰め込んでいきます。

① カール
② バームクーヘン(スライスの4分の1)
③ 最中
④ ミルキー
⑤ かにぱん

カールは関東ではすでに販売していなかったため、関西に住む親戚にわざわざ送ってもらいました。
もちろんのこと理由を説明していなかったため、僕の子供が好物なのかと勘違いされ、ことあるごとにカールが送られてくることになります。
(もちろん感謝しております)


以下、パフォーマンス当事者談です。
(インタビューを受けているアスリートのようなイメージでお読みください)


最初の『カール』は楽勝ですね。まぁ歯には多少は詰まりますけれど。

次の『バームクーヘン』もなんとか大方を飲み込むことはできます。
ですが、奴は私の大事なものを盗んでいきました。それは口の中の水分です。
序盤の時点で頼みの綱が皆無の状態となります。

三品目の『最中』を頬張った瞬間に諦めの境地が襲います。
砕いても砕いても頑として喉の方に向かう気配がありません。

そこに追い打つように影のボス『ミルキー』の強襲です。
こいつを馬鹿正直に相手にすると詰みます。
稽古時の実験で奴を噛むと本当に口が開かなくなる危険性が判明していましたので、
バームクーヘンの残りと最中の餡が混ざってできた『土粘土のような固いペースト状』でミルキーをそのまま包むようにしてやり過ごすしか方法がありませんでした。
口の中いっぱいに『言い得ようもない物体』が占拠しています。
その結合力は余りにも強く、少しずつでも飲み込むことが不可能な状態になりました。

そこに止めの『かにぱん』です。
奴の大きさにはもう為す術がなく、窄めた唇からとにかく少しずつでも口の中に押し込むしかありません。

するとどうでしょう、かにぱんが先程までに形成された『言い得ようもない物体』を包むように自然にされていき、
『ミルキーの入りの餡パン』のようなものが口の中で完成されたではありませんか!


最後の件で、当事者二人はこの毎ステージ必ず出来上がる『ミルキーの入りのアンパン』を懸命に咀嚼しているのです。
そして全ステージでトランクスはサイボーに負け、人類は滅ぼされました。
ククリン役の「人類は救われた!」というセリフは一度も聞くことはなかったのであります。


実はこのコント、マルチエンディングというだけではなく、
サイボーと戦う相手も劇中の僕のセリフで

「次はお前の出番だ、●●!」

と、言われるまで誰が指名されるのか分からないという役者たち戦々恐々のシステムのはずでした。
しかし、結果は全てのステージでトランクスが選ばれるのでした。

その理由は僕のせいです。

僕の役は説明役でセリフが多かったため、邪魔をするわけにはいかないと一番自主練を重ねたコントでした。
それで最初のステージで指名しようと密かに決めていたトランクスの名前でセリフの反復練習してしまったのが仇となり、
毎回このコントの時はとても緊張してたので、違う名前を言うことによっての動揺を恐れ、ひよった結果なのでした。

情けない、、、

トランクス役ごめんなさい、、、

(まぁサイボー役は否応なしに毎ステだったのだけど)


最後に登場人物たちの役名をご紹介いたします。(なぜだ?)

《登場順》
ククリン
ピートロ
蟹仙人
損 得々 (そん とくう)
飲茶   (のむちゃ)
損 得半 (そん とはん)
ベジ太
トランクス
サイボー
餡掛けチャーハン
宇都宮

それぞれの元ネタは誰だか分かりますでしょうか?
(読者様の貴重なお時間をなんだと思っている)

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