ファインダー越しのあなたの世界

私は写真が好きだ。そして色々と撮りがちだ。

理由は?と聞かれると答えるのに戸惑ってしまう。
しかしながら、少なくとも祖母の影響があるだろう。


祖母は私が幼い頃からよく写真を撮ってくれた。行事の時はもちろん、他愛のない日々も写真に記録されていた。
それをアルバムにしてくれて、私は祖母の家に行くたびに見るのが大好きだった。


今年の年末年始は祖母の家で過ごした。
昨年祖母は亡くなってしまったが、私が会いに行くたびにお正月に会おうねと何度も約束していたので破るわけにはいかなかった。
そんな中で私はあるものを見つけた。

写ルンですを。

そして、写ルンですで撮ったのスマホに入れられるんだよ、と言っていた友達の言葉が思い浮かんだ。

そうだ、これをカメラ屋さんで現像してもらってスマホにも入れてもらおう

私はそう思い立ち、カメラ屋さんに向かった。(一応母の許可を得て)

祖母はどんな写真を撮っていたのか気になり続けてようやく現像が終了した。


店員さんからの説明を受け、恐る恐るスマホに取り込んだ写真を見る。

祖母の家から見える絶景、庭に植えた花

そして中でも印象的だったのが、従兄弟が祖母宅から帰るときに手を振っている写真。

「来てくれて嬉しかった〜また来てね」そう祖母が言っているように聞こえた。
その時の祖母の気持ちが分かった気がした。
そして祖母が見ていた景色を一緒に見ることができた気がした。

どんな世界を見ていたのかが分かる、共有できる、そんな点が写真が好きな理由なのかもしれない。

ファインダー越しに見た祖母の世界はずっと残っている。

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