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いま自分がボカロで10曲選ぶなら #マイリスコンピ

まいりすこ(@mylist_compi)さんによるマイリスコンピ第一弾「自己紹介10選」用のnoteです。


「ボカロ曲でなくてもOK」ということで、本当は音楽オールジャンルで自分がこれまで聴いてきた中でも思い入れのある10曲を選ぼうと思ったのですが、大変なことになりそうだった(なりかけた)のでやめました。

ここは素直にボカロオールタイムベスト10でいこうと思います。と言っても、同じPが何曲でもアリだと最低でもOrangestar8曲、n_buna5曲、はるまきごはん4曲、ナカノは4番が3曲、それにあの曲とかあの曲もえーっと…という状態になるので断念。

P被りナシのオールタイムベスト10にしました。紹介する順番は"何となく"で決めています。つまり好きな順ではありませんが最初の3曲はそのままTOP3、個人的殿堂入りです。

それではよろしくお願いします。





1. アスノヨゾラ哨戒班 / Orangestar

わたしがボーカロイド楽曲を好きになるきっかけとなった曲です。そして一番好きな曲です。

こんな自分語り100%のお目汚し乱文駄文をいっときの気の迷いで書いてしまったので今さらこの曲について何も語ることはない…と思いきや、まだまだ結構語れることあるんです。「なんだよタイトル詐欺かよ!」と言われそうですがその後に小さく「或いは〜ほんの少しのこと」って付け足してるからセーフ。リスク管理に聡い。(臆病者とも言う)

しかしながら今回は特に語りません。自分がいちばん好きな曲であることは上のnoteを読んでいただければその幾らかを(ドン引きしつつも)感じていただけると思いますし、あんまり長くなってもこの10選の趣旨に合わないので。

またこの曲の好きなところ、魅力について語りたくなったらちゃんと新しい記事を書きます。今度はもっと通常営業な感じで…。

そういえばこの曲のウォルピス・カーターさんの歌ってみたがニコニコ動画で先日1000万再生を達成しましたね。ここ最近は滅多に聴きませんが、やはりこの歌ってみたが無ければこの曲にもハマっていなかったかもしれない、と思うと感慨深いものです。




2. 夜明けと蛍 / n_buna

全てのボカロ曲の中で2番めに好きな曲です。そして

もっとも不憫な曲

に(わたしの中で)なってしまった曲でもあります。

どういうことかと言いますと、先のnoteのせいです。全部あいつがわるい。

たしかに自分の中での不動の1位はアスノヨゾラ哨戒班ですが、実は「夜明けと蛍」は2位と言ってもほぼ同率。わたしがボカロにハマったきっかけとしてこの曲を抜いて語ることは絶対に不可能なんです。アスノヨゾラ哨戒班が半分、夜明けと蛍がもう半分。

ですが、某記事ではその体裁と見栄(かっこつけ)の都合上、あくまで最も好きな1曲に絞らざるを得なかった。

本当は以前から、あの記事で書いたようなことをこの「夜明けと蛍」のnoteとして私小説的に書こうと思っていた、というか書き始めていたんです。だけどそのネタを一夜にして掻っ攫われた夜明けと蛍…なんて不憫なんだ…。

この曲に出会って、切実に、噛みしめるように聴いていた日々を今でも覚えています。わざわざ平日の朝4時に起きて自宅の屋根の上に登り、この曲を聴きながら夜明けを迎えたことがあるほど好きな、大切な1曲です。

というわけで、もしわたしのことを「アスノヨゾラ哨戒班が好きな人」とか「Orangestar信者」と認識されている方がいたら(間違ってないけど)ここで全力で訂正しておきたい。

「夜明けと蛍が好きな人"でも"ある」「n_buna信者"でも"ある」

と。

主専攻:orangestar、副専攻:n_buna って感じだと思って下されば結構です。

そういえば、その専攻の卒論…ではありませんが、1年前に学校のどのレポートよりも真面目に書いた拙文「Orangestarとn-buna -若手2大ボカロPはなぜ若年層に人気なのか-」が、以下の同人誌に載っております。電子書籍で読めるので興味のある方は是非。(宣伝)




3. hp / ナカノは4番

全てのボカロのなかで3番めに好きな曲。ここまで私的殿堂入り枠なのでもはやわざわざ入れなくてもいいんじゃないかとすら思いますが、それでは自己紹介にならないので。

この曲に出会ったのはちょまいよさんの歌ってみたからでした。めっちゃオシャレでいい曲だなぁと思い、原曲を聞きに行ったときの衝撃は今でも忘れられません。

「この世にこんなハイセンスな音楽が存在していたのか」

それまで好きだったボカロ曲は、いい曲だとは思いつつも、それはやっぱり「ボカロ曲ならではの良さ」「ボカロという文脈、界隈の中で好きな曲」だと捉えていたので、ボカロ以外の普通の音楽との比較はそもそも念頭にありませんでした。

しかしこの曲を聞き、ボカロとかどうこうの前に、そもそも"音楽として"これはやばい、一般の世に溢れている曲と比べてもこの曲は通用するどころか遥かに優れている。本気でそう思いました。

思えば、自分の中で「現実逃避のための目新しい音楽」としての位置づけから「ふつうの音楽シーンよりも面白い、凄い曲が転がっている空間」へとボカロを昇格させたのは、他でもないこの「hp」や他のナカノは4番さんの曲です。

この曲に出会ったのは受験も間近に迫る肌寒い冬の日。学校終わりに地元の公民館で自習をしようとして、何も手に付かないまま終わったあの帰り道。この曲がずっと耳に残っていて、どうしても聴きたくて、(イヤホンしながらの運転は危ないので)自転車をとぼとぼ押してこの曲を聴きながら帰ったあのときをいまでも鮮明に覚えています。自転車のハンドルを握るかじかんだ手と、この曲のユフの声はわたしの中でずっと溶け合っています。


ちなみに本曲はこの↑noteでも紹介しています。



4. ライア / ねこぼーろ

この曲に出会ったのは、IAとONEのアニバーサリー記念ニコ生での、ねこぼーろ(ササノマリイ)さん御本人によるライブパフォーマンスがきっかけでした。

正直、そのライブパフォーマンスの最中はキーボードによる静かめのアレンジや、ねこぼーろさんの癒やされる歌声のためにいい曲だなぁとは思いつつも眠くなってしまい、衝撃を受けるまでには至りませんでした。

その後、IAによる原曲を聞きに行き、それはもう、ドハマリしました。

ねこぼーろさんの代表曲『自傷無色』『戯言スピーカー』らと同じように、本曲の詞もまぁまぁ鬱というか、暗めな感じですよね。「どうしたら消えられるの」とか言っちゃってるし。

でも、わたしはこの曲のそういった点に惹かれたわけではありません。むしろ自分の中では安心できる、リラックスできる曲として位置づけられています。
この曲は、これまで聞いてきた全てのボカロ曲のなかでも最高の安眠ソングなんです。(永眠ソングじゃないですよ)

冒頭の落ち着いたギターとか、(上手く言えないけど)しっとりとビートを刻むドラムとか、フレーズごとに区切りがちな歌メロとか、IAさんのかすれがちな声とか、とにかく全てが眠る間際に聴く曲として最高なんです。終盤は盛り上がりをみせますが、それでもリピートしたらまた始めのギターに違和感なく戻ってこられる。

一時期、毎晩この曲を1曲リピート再生しながら寝ていました。特に精神がすさんでいるときには、この曲に、IAさんの歌声に浄化されて3,4周する間もなくいつの間にか眠っていました。

カラオケでもよく歌うんですが、最後の怒涛の「君がいた」の部分とか、どうしても人には出せない魅力がこの歌にはあると思います。この曲目当てでササノマリイさんのアルバムを買いましたが、やっぱり自分の中でこの曲はIAさんが最適だなぁと思っています。





5. 22世紀の僕らは / はるまきごはん

はるまきごはんさんに出会ったのはご多分に漏れず2016年初めの「銀河録」からでした。そのクオリティに圧倒され、真夜中PCの明かりだけが煌々とついている真っ暗な部屋でうずくまりながら氏の過去曲マイリスを巡回して、1曲1曲に打ちのめされたことを鮮明に覚えています。

その中でもいちばん好きなのがこの「22世紀の僕らは」。

簡潔なギターリフのイントロ、短くまとまったAメロから間髪に入れずに迎える強いサビメロ、詞、動画、全部好きです。個人的に完璧なギターロック

以前こちらのnoteでも書きましたが、はるまきごはんさんの才能がもっとも爆発しているのは2番の展開だと思います。この曲では、まず1番Aメロと同じパートを持ってきたあとに

ごめんね僕も人の事なんて言えてたらここに居ないさ

という微妙に異なったメロディパートをするっと差し込んでいるところが最高。しかもこのパートがのちのCメロへの伏線になっているという…。

歌詞にいたっては最初から最後までスキがなく惚れ惚れしてしまいますが、敢えて一番好きなフレーズを挙げるとしたら2番サビ後半のここ。

22世紀人類は未だ 黄昏なんて暗喩の違和感から 逃げ出せず夢を見る

「黄昏なんて暗喩の違和感」って何やねん、もう笑ってしまうほど良い。一歩間違えれば中二臭くなるフレーズですが、そんな風情を微塵も感じさせない、完成された芸術感がある。

Orangestarは「未完成な魅力」だとすれば、はるまきごはんは「完成された魅力」だと思います。曲も詞も動画も全て自分でプロデュースして、いったん完成された状態で1作1作を発表する。つけいるスキがない。

ちなみに同じP何曲でもOKならばベスト10に入れたい、あと3つのはるまきごはん曲とは「ラストライト」「八月のレイニー」「銀河録」「ホームシックハレー」です。…あれ、1曲多い?
まぁボカロリスナーは算数ができないので仕方がありませんね。(風評被害)

これら比較的昔の曲を聞いたことがないという人はこちらのマイリスからどうぞ!




6. Aの世界 / ダミー

この曲は、ThanksさんによるこちらのMMD-PV動画で初めて聞きました。

さすが、ThanksさんがPVを作ってしまうだけのことはある、素晴らしい曲です。

この曲のどこが好きか、まぁ例によって全部好きとしか言えませんが、歌詞の愚直さ、青臭さに言及しないわけにはいかないでしょう。

偽善とか自己嫌悪とか、そういう若さゆえに無視できない問いへと真っ直ぐ立ち向かっていくのがこの曲です。

そしてそれが、詞単体ではなくキラキラした電子音がふんだんに使われた編曲や、機械音なのに人間臭さのあるテトの歌声にドンピシャでハマっています。

作者ダミーさんは普段テトによる既存曲のカバーを多く作っています。歌詞に寄り添った、思わずハッとする感情的な歌わせ方がほんとうに上手い。

そんなテトさんの震えている声で

捨てていい命など ずっと 絶対ないんです

なんて歌われたら、そりゃ泣くでしょ、としか言えない。

さらにここから更に高く転調するラスサビの盛り上がり、破壊力が本当にヤバい。

世界はきっと 早く気づいて欲しかったと思うんだ
「綺麗事だ」と他人を非難し蔑む人間たちは 本当は弱いことを

「人間たちはほんとは弱いことを」の部分で音程が上下に不安定に揺れるんです。ここの震え、このメロディラインが、ひょっとしたら世界でいちばん好きかもしれない。フレーズ単位なら。

それくらい好きな曲です。今回紹介する曲のなかでも比較的知られておらず、またこれまでに紹介したことも無かったので記事のサムネイルに使用させていただきました。




7. ダイブ!! / さまぐら

この曲は以前、こちらのnoteで2番目に紹介しました。

なのでこの曲に関しては↑を読んでいただけると幸いです。熱く語ってます。

先ほど「22世紀の僕らは」を個人的に完璧なギターロック(VOCAROCK)と称しましたが、この曲のことを忘れていました。どっちも完璧なロックです。まぁ強いて言えば、あちらはハイセンスなポストロック系統の最高峰、こちらは爽やかボカロックの最高峰ということで(自分の中で)棲み分けは出来ています。



8. 明けない夜を壊せ / Task

「キドアイラク」などで有名なTaskさん。この曲も十分代表曲と言っていいでしょう。

この曲はとにかくイントロが強い。っ"ょ"ぃ"。優勝。

あらゆるボカロ曲のなかでいちばんイントロが好きな曲、といっても過言ではありません。あっ、でもイントロ部門ではナカノは4番さんの「GPS」がありました。まぁほぼ同率ということで…。

いつかのサカナクションオールタイムベスト15の記事でも書きましたが、自分にとってイントロって超大事なんですよね。イントロが好みだったらそれだけで優勝してしまいます。(オタクはすぐ優勝する)

この曲では「パーッパパーッ」という高らかな金管系の音(知識が無いので下手なことは言えない)がイントロをリードします。はい優勝。

それ以降も、変わったAメロからの王道寄りのBメロ、再び独特なTask節全開のサビと、高揚感を爆発させつつも品がある曲調に「かっけぇえええええ」としか言えません。

そしていちばんの聴きどころはやはりラスサビ終わり

誓うことが出来た 君の手を握りしめ
混沌の先へ   明けない夜を壊せ

ここに来てのタイトル回収。思いっきりのシャウト。

毎回「壊せええええええええええええ」と一緒に思い切り叫んでいます。超気持ちいい。個人的「2大最後にタイトル回収シャウトボカロ曲」の双璧を為しています。(もうひとつはもちろん『アイラ』)

いやはや、何度聞いても名曲です。これからも明けない夜を壊していこうな。




9. ケモノの唄 / 夜烏P

この曲との出会いは、以前コチラのnote

で語ったように、ファイネルPのMMD動画がきっかけでした。

ほんとうに大好きな動画なので何度でも貼ります。

この動画から知った「ケモノの唄」ですが、曲単体としてももちろん大好きです。「亞北ネルオリジナル曲ってどういうことだ?」と最初は思いましたが、この曲の場合はミクに歌わせたものを「ネルの曲である」と作者によって明示されていることによって成り立っている概念なんですね。

そもそも人間の声の模倣であるボーカロイド曲を、その声すら持たない派生キャラである亞北ネルが歌っていると"見做す"ことによって成立している構造、とても興味深いし、キャラ愛が溢れていてエモいと思いませんか?

まぁそんなムズかしいことを考えなくても、この曲が名曲であることは間違いありません。

赤いチェック柄の包装が似合うような
お気楽なフレーズじゃケモノの心は踊らない

なんだこれ。超かっこいい。オシャレ…というかハードボイルド

動画イラストで描かれている路地裏暮らしの「ケモノ」としてのネルが眼前にありありと浮かんでくるようです。

このサビの盛り上がり方もいいんですが、王道を往くBメロや、それから「明けない夜を壊せ」と通じる部分もあるラッパっぽい楽器も良い味を出しています。

これを聞けばあなたもネルのことが好きになると思います。




10. Spilt Blue, Mellow Gold / dohety

(HTML5非対応の動画なので、上のリンクからニコ動に飛んでお聞きください)

この曲は、数ヶ月前のこちらのnote

で「いま一番ハマっている曲」として紹介しました。それがなんと100選を上りに上り詰めてベスト10入り!スゴい!

というわけで本曲は、今回紹介した10曲中もっとも古い曲であると当時にわたしがもっとも最近出会った曲になります。だからラストに持ってきました。

「Spilt Blue, Mellow Gold」ほんとにいい曲なんです。まずタイトルがオシャレすぎる。何やねん「スピルト・ブルー・メロウ・ゴールド」て。洋楽か。
(わたしはこのタイトルを覚えるのに1週間以上かかりました)

上記のnoteでも触れたので多くは語りませんが、この曲はわたしの中でミクノポップに対するイメージを180度変えた曲です。

キラキラと明るいだけがポップではない。投稿者コメントに「夏の終わり感をもっさりと込めました」とあるように、儚く霧がかかっているような叙情をこんなにも鮮やかに音楽で表現できるのか、とただただ感動するばかりです。

せっかくなので、以前とは違う箇所を引用してみましょうか。

繋いだ手の冷たさ 逆光に翳っていた横顔
そんなものばかり拾い集めた

前半はまだ分かる。繋いだ手の冷たさ。逆光にかげっていた横顔。でもそっから「そんなものばかり拾い集めた」ってズルくないですか?格好良すぎて。
ちなみに「ひろいあつめた」の微妙にトリッキーなリズムとメロディラインも大好きです。ぜひ聞いてみてください。




以上がわたしの #自己紹介10選 になります。

いや〜何度見返しても「自分じゃん!」って感じのラインナップ。まぁ普段から自分語りのためにnoteをやっているので今更感はありますが、これを読んで少しでもわたしの好みを知っていただけたら嬉しい限りです。

と、言うより

わたしの好みとか自己紹介とか正直どうでもいいので曲を聞いてください
お願いだ、全て最高の曲なんだ、聞いてくれ…。

(曲順は本記事と変わっています。ご了承ください。)

あくまで現時点での選曲なので、これらよりもさらに好きな曲に出会えたら、並ぶ顔も変わるんだろうと思います。それは旧友と疎遠になってしまうようで少し寂しい気もするけれど、それでも、まだ見ぬ親友に出会うために、わたしはこれからも深くて広くて面白くて楽しいボカロ音楽シーンを気まぐれに散歩したり、泳いだり、探検したりするんだろうなぁと思います。

それではまた!

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