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同人ゲーム『西暦2236年』プレイ感想

サークル:Chloroさん制作の同人ゲーム『西暦2236年の秘書』(前日譚)および『西暦2236年』(本編)をクリアしたので、感想を載せます。



『西暦2236年の秘書』感想

全年齢向けのフリーゲーム

プレイ時間:70分(本編50分, エクストラ20分)

『西暦2236年』の前日譚/プロローグということで作品の方向性も真価もまだ計りかねますが、とりあえず女の子のキャラ絵は魅力的でした。

マスコさんもヒメ先輩もかわいい。アマチュアレベルではあるがキャラ絵が魅力的。マスコさんの「ひーん」がすき。なんかこういうアンドロイドお姉さんキャラ既視感あると思ったら『ヨコハマ買い出し紀行』のアルファさんだった。

ストーリーとしては、『西暦2236年』の前日譚ということで、特に何か大きなものが描かれたわけではない。とりあえず、この作品群の23世紀の未来SF設定がなんとなく掴めた程度。HT語という別次元空間(ゲート)を介したテレパシー的なものでコミュニケーションするのが日常的になっており、口で声に出して喋る「音声言語」は滅多に使われない、という設定はなかなか面白い。

個人的にはやはり、この設定をややメタに読んで、それがノベルゲームのテキスト上で表現されることの意義・効果みたいなものに注目したい。テレパシーでも音声言語でも同様に「 」に括られた通常の会話文のようにテキスト上では表示されるので、登場人物らがどっちで会話しているのかがプレイヤーには判別できないことにも狙いがあるのだろうか。

ボイス無しのビジュアルノベルにおける発話は音声を介在しない点でそもそもゲート会話と似ているとも思う。「ログと会話」も、虚構のキャラとのやり取りに耽溺する我々ノベルゲームプレイヤーとの相似性を示唆したものとして受け止めてしまった。マスコさんがいうように、ヒトが同じ映画を何度も観るのとそう大した違いはない気がするし……

男子主人公のヨツバくんが、AIのマスコさんと数年間いっしょに過ごすことで秘書・パートナーとしての親近感を得ていたが、ある年始のハッキング事件をきっかけとして、自分と彼女、人間とAIの根本的な差異を痛感する・・・のが大まかなプロットではあるが、最終段で、他者や外部の情報をデータをしてしか認識していないのはAIのマスコさんだけでなく、もしかしたら自分も……という発想も垣間見せている。人間もAI(機械)と本質的には変わらない、という方向の主張は個人的には好ましいが、今作としてはこの発言があることで、結局この物語はどういう形で着地させたかったのかがどっちつかずになってしまっていると感じる。

マスコさんのデータを手に入れようと違法AIウイルスを作ってヨシナガさん(のダミー)を送り込んできて自首したという犯人のAさんって卒業したヒメ先輩なのかと思ったけど、そうではないのか。あれがダミーじゃなくて本物のヨシナガさんだったら、かつての友達を無慈悲にデリートしたマスコさんの行為が際立って良いとは思うのだけど。

ともかく、『西暦2236年』本編のほうはどんな話が繰り広げられるのか、「エクストラ」でゲートを閉じたきりの少女が顔見せされたくらいで、まださっぱりわからないのでワクワク楽しみである。




『西暦2236年』感想

こっちが本編。18禁版をプレイしました。(なのでDLsiteのリンクは貼れません)

総プレイ時間:13時間
実プレイ日数:5日間

感想まとめ

とても同人ノベルゲームらしい作品だった。壮大なSFとメタフィクション?ものであり、残念ながら自分がいちばん苦手、しょーもないと思ってしまう類のものだったが……。

前半と後半(アーカイヴ訪問以降)のあいだに実に7ヶ月の空白(放置)期間を設けてしまったので、正直序盤の内容と感想はほとんど忘れているが、まぁまぁ面白かった気はする。しかしアーカイヴに潜入成功して以降、どんどん哲学的/抽象的になりスケールだけデカいことを言い出してからは酷く退屈だった。4連続の2択選択肢によって進む章番号の二進数を指定する謎解きとか、一瞬で分かったけどほんとしょーもない。解けた自慢じゃなくて、解けても解けなくても自分はこういうのが好きではない。「バベルの図書館」的な全ての可能な文字列を所蔵した書籍群やら、そこから意味を与える神=アリスやら、哲学SFの発想としてまぁ凡庸だし、そうして風呂敷を広げて最終的にはエセ実存主義(でも「僕」は「僕」だぁうおおおおお!!)でなんか雰囲気だけいい感じに好転させるのも薄っぺらくて虚無。

みんな言ってるだろうけど全体的にめっちゃエヴァではありますね。歴史的に正しい意味でのセカイ系(=ポスト・エヴァ作品)。パクリ/下位互換だからダメなんじゃなくて、自分はエヴァも特に好きではないのでこれも好きではない。浅いな〜と思っちゃう。どこまでも好みの問題なんだけど、自分はもっと地に足の付いた、現実みのある話が読みたい。メタフィクションとかSFとか平行世界とか可能世界とか宇宙とか、そういうスケールだけ大きくて中身スッカスカの物語が苦手。

本作のようなSFとか哲学チックなエンタメにどうも感動できないのは、自然科学とか哲学方面の話題が嫌い/苦手だからじゃなくて、むしろ学問としてのそれらをそこそこ好きだから、という気がしている。身も蓋もないことを言うと、こういう(エセ)哲学SFエンタメを読むくらいだったら、物理や数学の専門書や哲学書を読んだほうがはるかに面白いと私は知っている。本物の学問の面白さを曲解/脱臭して物語作品に仕立て上げられたフィクションを楽しめるのは、本物の学問の面白さを知ら…(自主規制しました)。

……なので、本作で自分がいちばん面白かった(="リアリティ"を感じた)のは、TRUE√の途中でヨツバがアカシックTSUTAYAから借りて観る最初の「ハル・シオンとのもうひとつの物語」での、ベッタベタな青春恋愛パート。メール(ガラケー)でのやり取りの文体が生々しすぎて懐かしくて悶えながら読んでいた。顔文字とか小文字(「ぅんゎかった」等)とか…………。告白して即OKではなく焦らされたり、両想い後にメールのラリーが上手くいかずに徐々に関係悪化する過程をも描いてくれて最高だった。当時の中学生の恋愛……。オチは典型的な病みリスカ自死展開で萎えたけど。

無数に繰り返す「絶対に〈ハッピーエンド〉には辿り着けない物語」のうちのひとつだけが刺さった、という時点で如何に自分とこの作品の相性が悪いかが分かる。とはいえ、まったく刺さらないよりはマシだ。自分は、こういう無数に羅列される可能世界(=フィクション)を「フカン」してどうこうする姿勢よりも、そのうちのひとつにコミットして、その世界のみをリアリティの範囲として引き受ける姿勢のほうを採りたい。そういうことなのだろう。


本作に衝撃を受けて絶賛するとしたら、その半分くらいは最後のTRUEエンドの展開になるのだろうけれど、それも大して良いとは思えなかった。

「男主人公が何千年も追い求め続けた"ヒロイン"を実は好きじゃなかったことに気付いて涙ながらに振る」という展開は、確かに美少女ゲーム(ギャルゲ/エロゲ)の大前提をメタに覆す痛烈なカウンターかもしれない。しかし、あくまで男主人公がヒロインを振るのであって、ヒロインの男主人公への想い(の実態/変遷)は最後まで焦点が当たっていない。

もちろんヨツバは"全て"の世界線でハルとうまくいかずに破局してしまう(数えきれないほど別れを告げられる)のだけれど、ハルがヨツバを "嫌いになった" とか "好きじゃなかった" と明確に読み取れるような記述はない。ただ男主人公のもとをヒロインが離れていったのである。それなのに、「結末」としては、男主人公のヒロインへの感情-まなざし("見ていなかった"こと)だけが取り沙汰されて、涙ながらに「好きじゃなかった」ことを告げるのだ。申し訳ないが私にはこれは、ヒロインと恋をして添い遂げる「美少女ゲーム」をフカンして外に出ているようでいて、実は全くなにも出れていないんじゃないか?結局のところ「俺はこの女を本当に愛してなどいなかったんだ……」ということを殊更に悲壮感をもって演出する、自意識にまみれたヘテロ男性の女性蔑視的な浅ましい自己憐憫ではないか?と思えてしまった。

そもそも「メタ-美少女ゲーム」とか「フカン」とかいった、メタに物事を俯瞰して特権的な位置から何かをまなざして決定を下す(告白する/振る)という姿勢そのものが、どこまでもエロゲ(の男主人公)的であり、この意味で、物語や演出が壮大になりSFチックになっていけばいくほどに、本作の狙いとは裏腹に、どんどん作品が「凡庸なエロゲ」へと堕してしまっているように思う。

フカンするな。目の前の人間と向き合え。「もうひとつの物語」が面白かったのはまさに、あの世界でのヨツバがハルという少女にしっかりとベタに必死に向き合って(向き合いすぎて空回りして苦悩して加害的になって)いたところにあった。私はそういう美少女ゲーム/エロゲが好きだ。

不感するな。「不感」だと悦に入るな。お前のそれは「不感」でもなんでもない。だからちゃんと目の前のキャラクターを感じよう。物語を感じよう。私はこれまでそうやってきたし、これからもそうやっていく。



本作の前日譚である『西暦2236年の秘書』は(プロローグ的な短編なので評価は難しいが)まぁまぁ面白く、その好感触の少なくない割合はマスコという人工知能ヒロインの魅力にあったのだけれど、本作ではメインヒロインのハル・シオンや、ヒメ先輩のほうが出番が多く、相対的にマスコがあんまり活躍してくれなかったのが残念だった。無駄にスケールがでかい話をし始めちゃったのもあり、やっぱり自分は『西暦2236年』よりかは、まだ物語がギリささやかなスケールに留まっている『秘書』のほうが好きだったなぁ……と思いを馳せる。



感想メモ

20分程度のプロローグは『西暦2236年の秘書』のおまけで読んだことがあった。

・PHASE1
基本的に背景は実写加工。外の風景だけネガになっているのは何故だ。こわいんだけど。
廃墟となった近所の洋館ホテルの二階の閉ざされた部屋で、主人公(ヨツバ)は眠る少女ハル・シオンに出会う。肉体の彼女はソファに眠ったままだけど、HT(ゲートによるテレパシー言語)は通じて、あたかも目の前に彼女がいて喋っているかのように思える。この様子を、眠っているスチルと、喋っている立ち絵、というノベルゲームの2つのキャライラスト要素で割り振って表現しているのが面白い。音声言語とHTの言葉はテキスト上であんまり区別されないのだけれど、人物の外面は区別している。
廃墟で眠る少女とクラスメイトの少女は同じ名前。今のところ王道のボーイミーツガール。

・PHASE2
九九は現実の物との対応付けで理解できるけど、抽象的な掛け算の意味が理解できず、このまま暗記だけで使っていいのだろうかと思っているシオン、数学の才能ある。数学ガールシリーズに来ないか?
転入生のシライシくん、やたらと親しげに話しかけてくるし渚カヲルくんみたいだなぁと思っていたらグランドピアノ弾き始めて草

・PHASE3 バーチャル・インサニティ
水路とはHTによるインターネットのようなものか。

・PAHSE4 水路
学校の地名はタカダ?
この人の人物画はほんと魅力的だなぁ マスコさんほんとかわいい。シオンのデート服もめっちゃかわいい
いきなりセクシュアルなほうへと足を踏み入れた。そういえばこれ18禁なんだっけ

・PHASE5 夕方、喧騒と閃き
・PHASE6
 
初めて選択肢が出た。『心の素粒子』というHTの文献を読むか否か。とりあえず読み進める。→連休の自由研究レポートが膨大なものになるが、そのせいで逆にマスコ(PASS)を参考にしたルール違反だとバレてしまい、シライシと仲違いすることに。
シライシはやっぱりアンドロイド的なものなのだろう。ラジオと仲良くしてるし。カヲル君だし。
シライシがカヲル君なら、シオンは綾波レイ? 現在時制のヒメ先輩は戦場ヶ原ひたぎっぽいんだよな。ホッチキスがハサミに変わっただけで。
ヨツバくんさすがに精神が幼稚過ぎないかと思っていたらハルをレイプ(睡眠姦)したので納得した。自己嫌悪。とても不穏でカタストロフの予感がする。いいねえ。

・PHASE7
ヒメ先輩……ヤンデレというかサイコパスっぽいけど、好きだ…… Please, don't strip my mind.
マスコの圧倒的正妻感。
ハルはシオンの未来の姿? 過去にタイムリープしてきている?
こないだレイプした相手を抱きしめて慰めている滑稽な光景。
ようやく出会わせるのか。

・PHASE8 四月馬鹿と賢人
お~ これで第一部・完ってかんじか。2231年の話が終わり、高校入学・ヒメ先輩/実験部との出会いの話(2234年)に回想の年代が移った。バナナで滑るヒメ先輩、マジでガハラさんじゃないか…… あっちは同級生だけどこっちは先輩である点だけ違う。1学年差かな。2235年3月にヒメ先輩は高校を卒業し、2236年3月にはヨツバも卒業、大学入学する。
おお、ここでようやく冒頭の99通のメールの場面に追いついたのか。ここまでが序章なのか。

・PHASE8.88 幕間
C.S.博士による階乗の解説。18の階乗が重要? 19番目の次元に「I」と名付けた。

・PHASE9 # 9 DREAM
章名がデイビッド・ミッチェルだ。
うおおおヒメ先輩~~~ 脱衣所の実写背景に下着まであるのワロタ

・PHASE10 マインド・ゲームス
書物と本と書籍の違い。書籍(紙の本)の図書館はやっぱいいなぁ。その書庫で憧れの先輩に胸を揉ませてもらう……ロマンが溢れすぎている!!!

・PHASE11 PHASE
春紫苑視点になった。この世界ではHTとかが発達していないのか。現代(21世紀初頭)ってこと?
なるほど。3人のハル・シオン(春紫苑)というのは、ハルとシオンと、これら2人を夢に見ている春紫苑の3人のことか。この春紫苑が本物? そういうことでもないか。
春紫苑視点だと、実写背景の外の風景も変にネガになっていない。・・・つまり、ヨツバのいる世界こそが異世界? それともヨツバという観測者が狂っている?
えっ!? 春は姫の妹!? 四葉くんも出てきたし。えーと……この世界は、ヨツバのいる世界とは並行している(アスペクトの違う)別世界ってことでいいんだよな。単に過去-未来の関係にある地続きの世界ではなくて。そういやヒメ先輩の本名はヒメ・シオンだし、妹がいるとかなんとか言ってたな。。
22世紀頃の、HT技術やPASS技術が発達したヨツバのいる世界をA世界、21世紀頃の、我々の暮らす時代に似た春紫苑のいる世界をB世界と便宜的に呼ぼう。A世界でヨツバが出会って消えたふたりのハル/シオンは、B世界からやってきたものなのかな。来るときに何かの理由で分かれて、邂逅することで対消滅してしまった。
アカシック・フォーンとか、TH技術の始祖シリ・シオン博士と、ヒメ・シオンやハル・シオンの関係もまだわからない。
なるほど、紫苑によれば、ハルは表面ばかり取り繕って人に好かれようとする、大嫌いな自分、シオンは逆に、なりたかった理想の(本当の)自分。「そうか……どっちも自分なんだ!」展開までが早い!
梅雨幾何学と次元置換説の解説のためにさっき階乗を説明したのか。・・・まぁいろいろ言ってるけど要はアスペクト=並行世界ってことでいいよね。細かい理屈付けはレトリック・趣味の範疇に過ぎない。
そうか……人類の叡智の中心は長野県長野市にあったのか!
今のところ、「昔好きだった女の子が別の宇宙にいるから何とかして会いに行く」という目的でストーリーが動いているが、あまり切迫感を感じない。マスコとヒメ先輩がいるからいいじゃん、と身も蓋もないことを思ってしまう。よりスケールの大きな、アカシック・フォーンやらシリ・シオンの謎やらに話が繋がってきたら面白くなりそう。プレイ時間的には6時間弱ということでだいたい半分くらいか。

・PHASE12 アーカイヴ
2236/4/4
ナガノ市 アーカイヴに着いた。バベルの図書館的な?
途中、めっちゃマンガ的演出をやっていた。かなり枚数描いてたな。あとフラクタル的なサイケ映像
「おかあさん」 ……すげぇ壮大なSFをやって結局はそこに行き着いちゃうの?

・PHASE13 たどりつかない回廊
ここで選択肢! 変なの……
>ヨツバ「」 ……って意味のないダミー選択肢だった。おそらく
ここで唐突に先輩のフェラシーン。意味不明
!?!? PHASE3に戻ってしまった。やっぱさっきの選択肢が大事だってこと? 意味分からん……
既読スキップでPH6の『心の素粒子』を読むかどうかの選択肢 ここで違うほうを選んでみるか
>『心の素粒子』を読まない
→またPH13の選択肢に戻ってきた。
これもしかして二進数?

ヨツバ「」    = 0
ヨツバ「……」 = 1

として、この選択肢を4連続で選ぶことで、ループ直前に表示される「0」とか「3」などの数字が変わる。
たしか最初は「0011」の組み合わせだったはずだから、二進数で「3」ってこと?
じゃあ「1111」=「16」? 「15」だった!!……ああそうか。普通に計算ミスってただけだわw
だから4連続の2択が二進数に対応している、という推測は間違ってなかった。……で、どうするんだ…… どうすれば先に進む?
これまで試したのは

0   プロローグへ戻る
3    PHASE 3へ戻る
15 タイトルへ戻る

ってことは、なるほど! これまでのPHASE番号に対応してるってことね。じゃあPHASE14に進むには、二進数で14すなわち「1110」を選べば良いと。
ノベルゲームのシステムを上手く使った謎解きではあるけど、だからなんなんだ…… 正直、まったく面白いとは思えない。。
「18!」とか「19番目」が重要らしいから、全部で18か19章までってことかなぁ。

・PHASE14 構造の崩壊 (←鏡文字になってる)
はい、進めはした。これからの章でもこういう謎解きがいちいちあったらやだなぁ
先輩に襲われて、ヨツバは怒ってしまう。
「934282847472」……マスコ起動時に怪電波に乗っ取られて送られてくる数字
暗号表に照らし合わせると……00から46までの五十音だから、「34 28 28 47 47 29」……でも無理じゃん!47はない
ああ、2個の47が始点と終点を表すのか。「ほもへへ」
……今度は4桁のパスワード数字! 「2231」とかではないんだ。ダメだ、「2231」でも「0000」でもタイトル画面に戻ってしまう。
次は15章だから二進数で「1111」とか?
あ、「2236」で行けたっぽい。なーんだ。作中人物には知らされないメタ情報としての「今年は2236年」がパスワードになることのメタフィクション性ってこと??
「よつは(苺)」ってなんだっけ? だめだ、半年空けてるからもう序盤のことを忘れている
難解だとか考察系だとは聞いていたけど、謎解き系じゃねーか!ww SFミステリ……? いちばん苦手なやつじゃん
人類初のテレパシー発現者「エス」という男。「いいかげんで、落ち着きが無く、頭の回転が遅い男でしたが、イケメンでした。」……エロゲ男主人公? あ、シライシか。
ドクターC.Sの姉と、その同級生の男が、「向こうの世界」では反転して、兄と義姉(夫婦)になっていた。そして姉の同性の友人ワイは消えていた。「私」が願ったとおりに。

・PHASE15 アゲイン・マイ・プロミス・トゥ・ユー・ガール
文章が下手というか、頭の悪い人が無理やり頑張って難しい理論を作って語っているかんじがキツい…… そういう意味で頭が痛くなる。
壮大で難解なことをやろうとしている節と、それでいて、そういうのを自ら茶化して台無しにしていくような姿勢があって、どういうつもりさっぱりか分からん。
そういえばこの作中世界は背景がネガ写真だったな。ネガ世界がヨツバたちのいる「こちらの世界(現実)」で、ネガ世界がC.Sのいう「向こうの世界」=我々プレイヤーの住む世界、ってこと?
ネガには "雲" が映ってなかった。存在しないものをなぜ知っている? 『アンデラ』じみてきた。

──"こっち"が『心理宇宙』だったみたい。
 ヒメ「私たちの現実は誰かの心の中の世界だったってこと」

王道の(=凡庸な)メタフィクションSF展開。これで終わってくれるなよ〜〜〜頼むよぉ〜〜〜

C.S.「知ってしまった以上、知らなかった頃には戻れません。だけど忘れることができます」

私は忘れたぞ!!! 半年放置することによって!!!
ハル・シオンに本当に会いたいのか、立ち止まって考えるヨツバ。自分はハルとシオンのどっちがどっちだかすら忘れてしまったほどだから、丁度ここでのヨツバの心境に合う。こういうシナリオで、ヒロインへの想い一直線で駆動せずに、その想いの不確かさに焦点を当てるの良いな。
自分のドッペルゲンガーに会うことでハルに会えるらしい。
ここで選択肢! 片方(「ハル・シオンに会いに行かない」)が選べない!
>ハル・シオンに会いに行く

・PHASE16 ピアノ・マン
アーカイヴに残るヒメ先輩とお別れをし、自宅でマスコとも別れることになるヨツバ。えっ、もう2人共退場なの……? マスコの可愛さだけで読んでたところあるんだけど。ハルへの思い入れ無いし……ますますモチベが……
あっさり故郷の町へ、あの廃墟の洋館の部屋へ戻ってきた。
>……この世界には両親の姿が無かった。
エロゲの親不在設定へのメタ言及ってこと? 
ドライバーの伏線回収(らしい)
両親からピアノのスパルタ教育を受けていた? 『マルコと銀河竜』

・PHASE17 鏡の中の自分 背中合わせの自分
自問自答が、これまでの様々なキャラ(他人)の形を取って強迫的に表現される、エヴァ終盤みたいな演出
2229年10月30日 ヨツバ幼少期の回想か ベートーヴェン『月光 第三楽章』
フィクションに典型的な毒親
おお…… クリックせずとも勝手に文章が進むと思ったら動画だった。そういう演出ね
めっちゃエヴァだ…… ノベルゲーム版のエヴァ そういや序盤でもシライシがカヲルくんでハルがレイみたいだとか言ってたわ
幼少期に、ピアニストヒューマノイド発表会の前座で演奏させられたトラウマから、昨今の反AI派みたいになってるヨツバくん
親子関係のトラウマに「ロボット」絡みのトラウマが関係している点がオリジナルで興味深いかとも思ったけど、エヴァでもレイやカヲルくんや「エヴァンゲリオン」らへんで十分にそういう要素はあるか。
ふたつ前くらいの章から、ベートーヴェン「月光」だけじゃなくてドビュッシー「月の光」が流れている……ほんとこういうクソしょうもない薄っぺらいサブカル作品って示し合わせたようにこの曲を引用するよね〜〜
カヲルくんと別れて、両親からも自立をして、自分自身とピアノの連弾をする── エヴァやん って何回でも言えそう

・PHASE18 (Just Like)Starting Over
現実世界の「四葉」は「姫」と付き合っていたがちょうどホテルで別れ話をしていたところ。春紫苑に会うためにふるさとへ。こっちの世界では背景がネガじゃない。……やっぱ同人ゲー特有のこういう写真素材背景いいなぁ。旅情。車窓風景の動画演出もいい。最初からネガじゃなくて普通の世界の話が見たかった。
ハルと再会して……終わった!? エンドロール!! え、もう終わり?? 別ENDあるのかな。


(攻略サイト見る。) 3つENDあるのか。

PHASE15の選択肢から。今度は2つとも選べるようになっている。
>ハル・シオンに会いに行かない

・PHASE16 消えるヒメ
数学的真理は「発明」ではなく「発見」であり、人類の活動とは独立して存在していると語るドクターC.S. それに感動するヒメ先輩。……この程度のしょぼいおはなしで感動してしまうヒメ先輩なんて見たくなかった!! 
翌朝、放心状態で失禁しているヒメ先輩→ペッティング→初挿入→失踪 相変わらずR18要素の入れ方が唐突だ。

・PHASE17 意味が無いアリスは動かない
ヒメ先輩を探して迷い込んだ水路の扉の向こうには砂漠……アカシック図書館が。バベルの図書館みたいなもんか
"彼女" = 意味無しアリス 神様のような存在
今となっては画像生成AIで無限に出力できそうな、様々な3D風のグラフィックでアカシック〇〇が描かれている。
ユニコード?で文字をフラッシュ暗算的に表示しながら、なんか酷く退屈なことを語っている。
良い悪いの前に、ものすごく「同人ゲーム」だなぁとは思う。
ヒメ先輩が砂漠に現れて選択肢!!

>先輩を追いかける
・PHASE18 抱きしめて (ヒメEND, 40分弱)
「現実世界」では姫と春は姉妹? 姫は妹の春をハサミで殺したが、アリス(神)の介入によって猫を殺したことになった?
うーんヤンデレ…… ヒメ先輩、序盤はすごく良いキャラだと思ったけど、後半で肉欲の象徴みたいな扱いになってしまって悲しいよ
セックス後、「気持ち悪い」と言ってヒメを殴り続けるヨツバ。告白してくるヒメを振るヨツバ。ヒメ先輩の名前表示が「それ」になる。
Leave something behind
アカシック世界でヨツバは初期状態のシライシを2体に分裂させてヒメを輪姦させるが、なぜかハルとマスコがシライシにレイプされていることに。ヒメがハサミで2体のシライシの首を切断? その後、ハサミで自死しようとするヨツバをヒメが救う?
ようわからん。漫画的演出頑張ってるけど何が起こってるのか分かりにくい。痴話だったとは思う。
「それ」が「ヒメ」に復帰。
2010年? になって、部屋から失踪したヒメ先輩をヨツバは探し歩く。再会して抱きしめあってエンドロール!! もうここまで来ると嫌いとかの感情も湧かなくて、ひたすら虚無。
「大丈夫、俺たちもう、誰にも見えてませんから」という意味深なフレーズで終わる。


>先輩を追いかけない
・PHASE18 棄却
アカシックツタヤで「ハル・シオンとのもうひとつの物語」のVHSを見る。
2031年4月……中学生編!? ハルかわええ〜 マスコ!?!? スマツーではなく普通の同級生女子になっている!セーラー服!
ヨツバ(会長)、ハル(副会長)、シライシ(不明)、マスコ(事務局長)の4人で生徒会。ふつーの青春アニメみたくなってる キュンキュンしてきた
いきなりボーカル入りBGMが流れ始めた!
この中でまだ選択肢あるんかい
>(ハルとのことを)シライシに相談する
メール時代の顔文字文化めちゃ懐かしくてエモい 中学生の頃を思い出して死ぬる!!
「マスコに言ったでしょ。ダメだよ、他の人に喋っちゃうから」とたしなめられるのクソ好き
ぐお〜〜 ベタな青春恋愛バナシのダイジェストだと思ってたけど結構来るな…… あの時代の中学生のメールの文体が生々しすぎてえぐられる。
>(ハルとメールしてて)楽しい
>「耐えられない」部分を消す
これぞ中学生の(初)恋愛、って感じで最高やな〜〜
派手めなノベル演出も、宇宙とか次元とかそういう壮大なことじゃなくて、初めての恋愛でから回ってしまった中学生の心情の表現としてやってくれれば、とても好ましい…… かわいらしいので。切ないので。「狂気」とか「ヤンデレ」とかじゃないんだよな。こういうものなんだよ。中学生ってのは。人間ってのは。恋愛ってのは。
中学生の初恋両想いのキュンキュンするところだけでなく、そのあとの地道な関係悪化から破局までをも描いてくれるとか最高過ぎる。
>ハルの様子を見に行く
とか言ってたらあ〜〜〜あ、病み自傷自死オチでした……
いや続くんかい

・PHASE19 Everybody's Got Something to Hide Except Me and My Monkey
2240年のアカシック世界に戻った。シュンくん。シライシよりも更にカヲルくんっぽい子が出てきた。アリス(神)の使いらしいし
200年くらい、色んなハルとのif世界の物語を見続けるヨツバ。
最初にやったハルENDまるごとと、その続きだ。今は高崎に住んでいるハル。すぐに遠距離恋愛が破局する。
その他も、微妙に異なる「全て」の可能世界を見ていく。数千年かけて。「純愛ハッピーエンド」を相対化しまくっている。
全ての世界でヨツバはハルと添い遂げられず、破局してしまう。ハルとヨツバが「うまくいく」世界は論理的に存在しない。
シュンに導かれて、ヨツバは、自分が好きだと思っていたひとはハルではないと気付く。そして振る。

……めっちゃメタ-美少女ゲーム展開だなぁ………… 私を「フカン」する。その「恋愛」は「好き」とは違う。あなたが見ているのはその人ではない別の人。あなたは本当はその人を好きではない。それを認めること。美少女ゲームの外に出る。
うーん…… なんかこうしてまとめると、「オタクよ、現実に帰れ」的な、最後までエヴァやんw ってことになってしまう。

引っ掛かるのは、あくまで「自分」(男主人公)が「君」(ヒロイン)を見ていなかったこと、好きではなかったことを認めて、振る、別れを告げる……という展開であって、ヒロインが男主人公を振るのではないという点。自分はヒロインを好きじゃなかったとしても、ヒロインは最後までずっと自分を好きでいてくれて、自分を嫌いになることはないんだ……。(私は後者の展開のほうが好み……。)

それって結局、ヒロインと恋をして添い遂げる「美少女ゲーム」をフカンして外に出ているようでいて、実はなにも出れていないんじゃないか?? けっきょく、「俺はこの女を本当に愛してなどいなかったんだ……」ということをこと更に悲壮感をもって演出する、自意識にまみれたヘテロ男性の浅ましいミソジニー満載の自己憐憫では??という気がせんでもない。


エンドロール!!!
次作『アリスかチョコミント』のトレイラー。

>ハルの様子を見に行かない
ハルは学校に来ないまま疎遠になって、卒業してしばらく経って亡くなったと聞く。ヨツバはそれを抱えながら老いて死ぬ。サクッとバッドエンド。

>マスコに相談する
学習発表会の帰り道でハルに告白できなかったヨツバ。そのまま「友達」として過ごして終わる。簡潔なバッドエンド
テキトーに上の選択肢を選んでいたけど結果的にわりと正しかったんだな……

>(ハルとメールしてて)楽しくない
ん? 押しても「楽しいよ」としか返信しないんだけど! 既読スキップになるし。ダミー選択肢だったってことか。
>「耐えられない」部分を消さない
即破局して雪のなかで自死? 黒い少年(シュン?)の「死神」を見てバッドエンド。

つまり全クリアしていた! 回想CG集などの機能が無いので本当に全クリかは不安だけど、いちおう攻略情報の3ENDは見終えた。。




~おわり~





~これまでの同人ゲーム感想note~


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