【ブリッジ】悲観と楽観のバランス【渋谷カップ⑤】

4か月連続でスターズのプロモが来ました。スターズからrec認定されている可能性が高いKKCです。


一日目の最終ラウンドはユース時代からお世話になっているプロとの対戦でした。早速振り返っていきます。

フラナリーに対する取り決め

あなたはサウス。

25番、they vul 3番手

A4
7
J8642
AKQ54

P-(2D)-?

2D=H5S4,11-15

アクションはどうしますか?










実際のハンドと展開は、

画像1

P-(2D)-P-(2H);
P-(3H)-X-(P);
3S-(P)-4C///

裏のサウスはパス、2回目にXしてあやしく4Cでストップして1ダウン。チームメイト曰く、「取り決めが無かったのでどうしたら良いか分からなくて一旦パスしたのが功を奏しました。」とのこと。
表は1H-(2NT)-4Hでジャストメイクは11取り。


フラナリ―に対しての約束は、Xを下記のどちらにするかですが、
①13-15のBAL②ハートのテイクアウト
基本的には②の方が良いことが多いようです。その理由は、
・フラナリーはオープンバリューを保証しているので、マルチ2Dと比較するとこちらにゲームがある頻度が低い。
・1Hオープンに対してテイクアウトも1NTオーバーコールもしないような13-15で、2の台のオープンにXするのはリスクが大きい。
つまりX=13-15はリスクリターンが割に合わないので、ハートのテイクアウトにするという感じです。

なので、フラナリ―に対しては
X=ハートへのテイクアウト or ストロング
パスして2SをX=スペードへのテイクアウト
2H=ボスマイナー
とするのが良いです。この取り決めならサウスの手は2H、WESTは3H、Northは4D、EASTは4Hをビッドして4Hになります。取り決めていると裏目のラッキーボードでした。


続いて、

悲観

あなたはサウス

30番、both non vul 2番手

K7
AK7653
T
Q875

サウスの1Hオープンからフリーランで、1H-2D;2H-3D;3H-4C;4H///

ウエストのオープニングリードはST。

J62
J
AKQ732
AK4

K7
AK7653
T
Q875

T1:ST-2-A-7
T2:S8-K-9-6

プレーの方針はどうしますか?














実際の配置は、

画像2

表裏ともにHA,HKと続けたためハートのルーザーが3つになってダウン。42以内で即メイクのシンプルで悪くないプレーラインです。


今回の配置ではCAで入ってHJを流すプレーをすると成功です。ここではプレーラインの比較をしてみます。

(i)HJ流しが成功するパターン

①左手のハートがT98どれかのシングルトン。HJ-Q-A-T、HK-ショーアウトの後、右手のH4に勝たれないようにプレーすればメイク。
②左手はハートボイド。HJ-Q-A-ショーアウトの後、マスター2つに抑えればメイク。

(ii)HJ流しが失敗するパターン

①左手にHQ、右手はハート2枚かつクラブシングルトン、クラブを切られてダウン。
②左手にHQ、右手はハート2枚かつスペードダブルトン、プロモートしてダウン。

(i)(ii)を比較すると(i)の方が多いのでCAで入ってHJ流す、が正解になります(詳しい計算は省略)。どちらもH42以内ならだいたいメイクするプレーなので微差です。しかし、「余裕のあるときほど悲観的に」、悪い配置を比較すると稀に良いことがあると勉強になるハンドでした。


続いて、

バランシングの基準

あなたはノース。

33番、both non vul 1番手

QT632
J6
AQT6
J3

P-(1D)-P-(P);
?

1D=11-21,D5+,アンバランスハンド

アクションはどうしますか?















ハンドはこちら

画像3

表裏ともノースにはREGが座っていてどちらもパスを選択、1Dがスタンドして3ダウンでした。自分なら「バランシングはK1枚分追加して」というHANAの格言通りに1Sをビッドしてそうだったので意外でした。


ポストモーテムで裏ペアにパスした理由を聞いてみると、
・パートナーがパスしているからこちらのゲームは無さそう。
・ゲームがあったとしてもノンバルなのでリターンが小さい。
・ダイヤAQを表で持っていて配置が悪い。
・相手はハートの方が良いかもしれず、バランシングすると2Hや4Hをプレーされるリスクがある。
言われてみれば、これだけ悪い要素があれば2Sや1NTを探しに行くメリットよりもデメリットが上回りそうです。寝てる虎を起こすリスクを考えて控えるのも時に必要なようです。


最後に、

楽観

あなたはイースト。

36番、both vul 3番手

J7
K83
A542
A983

ビッドはパートナーの1Sオープンからフリーランで、1S-1NT;2H-2NT///
自分の2NTになりました。オープニングリードはH5。

A9432
AJ76
93
K7

J7
K83
A542
A983

T1:H5-6-9-K
T2:H8-4-7-T
T3:SK-7-5-?

プレーの方針はどうしますか?















実際の配置は、

画像4

テーブルではSA上がってスペード、サウスはSQで勝ってダイヤシフト、DAを3巡目に勝ってCK,CA,Cxでスローイン風?のプレーをしましたが、失敗して2ダウン。スペードが33なのでSKダックからのSJ流しをすればメイクでした。


振り返ると、スペード33に期待してプレーが良かったです。
裏からSK出てくるときはたいてい42だからスペード出すのは傷を広げるだけと考えましたが、既にハートが二つしか取れないと判明していて、スペードに期待するしか無い。
スペードが42で3つ取られたとしても、元々1ダウンか2ダウンかはほぼ確実なので、33だったらラッキーくらいの楽観的なダメ元プレーが吉でした。
「余裕があるときは悲観的に、厳しい時は楽観的に」という格言に従ってプレーをうまく調整するようにしたいです。


試合は13VP強取って勝ち。1日目は4勝1敗の2位で折り返し、夜ご飯に焼き肉を食べてプチ打ち上げをして二日目へ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?