ドラフトマッチ③ 3決後半 ミスの連鎖

4枚からのディスカードって実は危険で。KKTです。


3決の後半を振り返っていこうと思います。シーティング権はこちらにあったのですが、前半戦は20IMP強勝って当たりは悪くないと思ったので続投で行きました。



PREされた後のスラムトライ

まずは全体のハンドから。

画像1

鉄の6Cをルーズしたハンドでした。Northの2Sオープンが刺さっていて、EWともにもう一押しが出来ず5Cでストップしてしまいました。この展開も一つあり得る展開かなと思いました。


どうすれば6Cまでビッドできたかなといくつか展開を考えてみました。

①(2S)-5C-(5S)-6C
②(2S)-4C-(4S)-6C
③(2S)-3C-(4S)-5NT;(P)-6C
④(2S)-3C-(4S)-X;(P)-6C

①~②は長いクラブを持った側がちょっと頑張ってアクションした形です。③はバリュー持ってる側が頑張った形です。個人的には最初に頑張らなかったEASTが、Xを見て6Cをビッドする④のラインは無いと思っています。2Sオープンされた段階で5Cが一番プレーしたいコントラクトだったはずで、それを自ら外すラインを取りにくいと思います。それなら最初から5Cや4Cをビッドして、後はパートナーに任せるのが理にかなっていそうです。

自分の見解としては、シンプルな①の展開がベストだと思いました。EASTの手は5Cをプレーしたい手なので、シンプルに5Cをビッドしてパートナーに任せるのが良かったです。「最後のゲスは相手にさせよ」というブリッジの格言に従って、競り合っているときはできるだけ早く手を示してジャッジを他の人に任せるという動きがベストでした。

実際の展開のように3Cから入った場合には③のラインがベストだと思います。WESTは3Cオーバーコールを見たらスラムビッドするくらいのバリューを持っているというのが自分の判断です。

必要なカードはHA,DA,CA,CQから3枚以上ですが、3Cオーバーコールを見れば十分期待できると思います。赤いスーツが4枚あればそれでプレー、クラブが6枚以上なら6Cで良さそうな感じがあります。5NTが伝わらないと思えば4NTのテイクアウトからレイズが良いと思います。ただ、敵に5Sをビッドされると少し嫌かなと思いました。



続いて、

ディフェンスの手筋

あなたはEAST。

5番ボード、they vul 2番手

62
J4
JT643
J952

ビッドは一番手のNorthの1Dオープンからフリーランで、

1D-1S;1NT-2D;2H-3H;3NT-4H///

1NT=12-14
2D=FG
2H=H4
3H=H fit,ST
3NT=H fit, nonseious(スラムトライしているが特別良いハンドではない)


オープニングリードはC5を選びました。ダミーは下です。

AJ743
AKQ7
7
Q64

T1:C5-4-K-A
T2:S5-2-A-8
T3:S3-9-H2-6
T4:C7-2-Q-3
T5:S4-T-H3-H4

次に何を出しますか?














どこからあと三つ取るかという判断でした。まずディクレアラーのシェイプはほぼ1444で確定しているので、そこから考えてみました。

①Cラフさせ、Sを出してもらってHJでオーバーラフ、DAを期待
②CJ取って、Cを続けてトランププロモート、後でSを一つ取る

この二つのどちらかになると思いました。

本当はCJ取ってパートナーからスペードを出してもらって、HJ勝ってからクラブ出すのがどっちも拾っているので一番良いのですが、ブリッジのルール上それはできないので①と②から選ぶ必要があります。どちらが良いでしょうか?


結局は本線を②にしてCJを取ることにしました。もしパートナーがDA持ってたらCJをラフしてDA取ってからスペード出してくれるだろうということで、一応①も拾っているのかなという感じです。


実際のハンドは下です。

画像2

今回は①も②もダメでした。CJ取って、SK→HJでオーバーラフ、C出してプロモートとすれば一応落ちるのですが、リードアウトオブターンを取られてアウトとなります。実戦でCJを出してパートナーに任せたのは良い手筋だったのかなと思います。



続いて、

ディスカードのチョイス

あなたはEAST。

8番ボード、both non vul 3番手

J953
J4
T932
QJ2

1C-(P)-P-(X);
P-(1D)-P-(2NT)///

1C=C2+,11-21

パートナーのオープニングリードはH2でした。ダミーは、

T84
8653
QJ75
T5

T1:H2-3-J-Q
T2:C3-6-5-J
T3:H4-T-K-5
T4:H7-6-?

何をディスカードしますか?











実際の配置です。

画像3

自分はC2をディスカードして作られました。ダイヤもスペードもディスカードしにくかったので、直接の被害が少なそうなクラブをディスカードしましたが、こちらへのエントリーが消えてしまっていずれスローインされる形となりました。

後から考えてみると、ダイヤは比較的安全なディスカードでした。というのも、もしDTが大事になるとしたらディクレアラーのダイヤはAxxかKxxになりますが、どっちだったとしても第二トリックはクラブの代わりにダイヤを出してそうだと考えられるからです。クラブが5枚以上あってエスタブリッシュしたいケースも有るかもですが、その場合にはCTをプレーする可能性が高くてC5がプレーされるときはダイヤは比較的安全なディスカードだったという結論です。4枚スーツからのディスカードは避けがちですが、相手のプレーを看破して捨てていくのも大事だなと思いました。

また、ディスカードするのが厳しいと思えばT3はスペード出して、後でハートを出すというのも有りだったかもしれません。ただ、スペードが外れでCQもエントリーにならないケースが寒いのでハートを出すのも妥当と思いました。



続いて、

ミスの連鎖①

あなたはEAST。

9番ボード、we vul 2番手

AT64
K9873
T87
J

(P)-?

2HオープンはH5+,S4+のボスメジャーウィークを使っています。アクションはどうしますか?



















実際の展開です。

画像4

自分は2Hオープンを選びました。ぎりぎりのジャッジだと思ったのですが、1番でくらわされているのと、8番で失敗したのもあってオープンしたのかなと思います。

後から振り返ってみると、この2Hはオーバービッドでした。このバルなので敵の妨害効果は低いですし、ハートとスペードの内容もそんなに良くは無いのでリスクもまあまあ高そうです。このバル、ポジションにしてはリスクを取りすぎていたという気がします。CJがハート3と交換するとか、D7がS7になるなど、もうちょっと良い手でオープンするべきだったと思います。

こういうちょっと頑張り目のビッドは、なんか調子が悪いと思っているときにやりがちなアクションなので控えようと思っています。ポーカーでは、大きなミスをした後ほどタイトにプレーするように心がけていますが、ブリッジでも同様に負けてそうなときほど気持ち抑えめにアクションするのがちょうど良いのかなと思いました。



最後に、

ミスの連鎖②

あなたはEAST。

10番ボード、both vul 1番手

AJ972
A842
A
JT8

ビッドは自分の1Sオープンからフリーランで、

1S-1NT;2H-4C;4D-4S;4NT-6C;?

1NT=Semi F
2H=S5+,H4+,11-15
4D,4S=cue
4NT=RKCB

4Cは特に取り決めが無いです。アクションはどうしますか?



















テーブルでは、4CがHフィットのスラムトライか、5CへのINVのどっちかであることは間違いないと思っていたので、どっちにしろポジティブなことを示すために4Dをビッドしました。で、6Cが来てどっちだろうかと再び問題が発生したという感じです。






実際のハンドです。

画像5

テーブルでは6Cをパスして6Cが6ダウン、-600点という悪魔のようなスコアを取ってしまいました。テーブルでパスをした決め手としてはクラブかハートかははっきりしていないですが、この展開で7トライしていることは無いだろうということで、それなら6の台のビッドはNATになるだろうという判断でした。

後から振り返ってみると、ハートフィットだと明確に気づけるポイントがありました。それは1S-1NT;2H-? の瞬間に、4H以下でハートフィットのスラムトライを示せる手段が4mしか無いので、ここでは4mはハートフィットのスラムトライで、cueできる方をビッドしていると考えるべきでした。

後になって冷静に考えれば当たり前のことなのですが、ミスが続いているときはこういうのも頻度として高くなるのかなと思いました。ポーカーで言うところのCゲームという状態のまま続けていたのかもしれません。悪いときの切り替えをしっかりして、最高の状態(Aゲーム)とは言わずとも、せめてBゲームくらいではプレーできるようにしたいなと思いました。

後はビッドに限った話しで言えば、もっと信頼して確実な展開を増やすべきだと思いました。6の台までどっちのスーツか分からない状態で放置していたのがまずかったので、どっちでも大丈夫なビッドは奥の手として残し、シンプルにどっちか決めきれるようにするべきだと思いました。

前は結構事故っていたので、事故っているときも大丈夫なように気をつけたりしていましたが、最近はお互いにだいぶ事故も減ってきているので、パートナーのビッドを信頼して余計なことは考えずにジャッジに集中するようにしようと思いました。



以上となります!

後半戦は43-43で引き分けでした。内容悪くて逆転されたかと思ったのですがEWは難しいボードが多くて裏もそれなりに失敗していたため、なんとか耐えていたみたいです。こういうラッキーもあるので、悪いときも諦めずに妥当なスコアを取れるように頑張りたいです。

ドラフト杯は結局一度も優勝できなかったので残念ですが、少し上達したような手応えもあったので参加できて良かったです。日本リーグなど大きい試合で実力試ししたいと思ってます。

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