ドラフトマッチ② 1回戦後半 X付きコントラクトのディフェンス

ラップバトルに興味があるKKTです。


12IMPビハインドで迎えた後半戦です。シーティング権は相手チームで、引き続きオポーネントは日本リーグのパートナーのペアでした。

後半戦から気になったボードをいくつか振り返っていきます!



コントラクトの選択

あなたはSouth。

12番ボード、we vul 4番手

7
T3
AT432
KJ986

(1H)-1S-(2H)-X;
(P)-3H-(P)-?


Plan the bid.
















競り合いでのゲームチョイスでした。

まず、パートナーがどういう手で3Hをビッドしているか考えてみます。


パートナーの3Hは15-17くらいの強い手で、具体的には

①スペード1スーターの強い手

②マイナーがフィットした強い手

③バランスハンドでストッパーが無い手

のどれかだと思いました。

こちらとしては①の場合には4S、②と③の場合には5mをチョイスしたいところです。

では、4Sまでのビッドの中で上記の目的を達成するにはどうやってビッドしていけばよいかというのが問題でした。


結論から言うと、自分は下記のように組み立てて4Hをビッドしました。

3S=S2+
3NT=play
4C=play
4D=play
4H=Both m風

3Sはスペードコントラクトに興味を持っていそうです。4mはパスしても良い風で、ビッドした方のマイナーのほうが良いスーツな気がしました。

そうすると4Hはどのコントラクトが良いか迷っているボスマイナー風のビッドになりそうだと思いました。



実際のハンドは以下です。

画像1

Northの手はmフィットの強い手で、5Dは良いコントラクトでした。一番良いところに到達できる選択ができたので良かったです。


今回はNorthがm fitの手だったから良かったのですが、もし6232みたいな手だったらどうするのかなと思いました。4Sをビッドして、こちらはパスとなりそうな感じですがこれは仕方ない感じでしょうか?

自分の中の見解としては、②と③の手で5mをプレーしたいのでSouth側のビッドは4Hがベストだと思っていて、それを受けたパートナーが6232(6241)などで4Sをビッドするのは仕方ないと思ってます。4Hのビッドはハンドの形を特定できるものではないので、こういったコントラクトのブレは存在するように思います。

ただ、大抵の状況では4Sと5mのうちで良い方をプレーできそうです。

こういう競り合いの状況ではある程度広くスコアを守れる選択を、お互いにしていくのが良いのかなと思ったハンドでした。




続いて、

ソリッドな切り札を持っているときのスラムトライのジャッジ

あなたはSouth。

13番ボード、both vul 3番手

---
AKQJT74
75
K943

ロイヤルストレートフラッシュを引きました。

1D-(X)-1H-(P);
1NT-(4S)-?

Plan the bid.



















スラムをおくかどうかのジャッジとなりました。

6Hに必要なのは、DA,DK,DQ,CA,CQ,ハートサポートの中から3~4個くらい必要です。


次に状況を整理すると、

右手はスペードのストロングを示していて、パートナーは12-14くらいのバランスハンドを示しています。

自分が13点、パートナーが13点前後なので、右手のビッドは14点前後くらいのはずです。Xしてから4Sをビッドするということは、スペードの内容は相当良くて、おそらく1ルーザー以内だと想定できます。1ルーザー以内ということは、右手のスペードはAKQ,AKJT,AQJT,のどれかを頭として8枚以上持っていると想定できます。

逆に言えばパートナーの手にはスペードの点数は3点以下で、枚数も3枚以下になってそうな感じがします。そうすると、パートナーの手はマイナーに10点程度、スペード以外に10枚くらいのカードを持っていると想定できます。


その条件でいくつかパートナーのハンドを想定すると、

Jxx
9xx
AKxx
Axx

これはほぼメイクです。クラブがダイヤかスペードに移動すると7Hもできそうです。

Qxxx
9x
AQxxx
Ax

これは切り札のリードからだと6Hダウンしそうです。切り札以外ならメイクするかもしれません。

Kxx
xx
KQJx
QJxx

これは2A無いのでダウンです。

という感じで、いろいろ想定するとメイク率は5割弱くらいになりそうです(体感)。右に強い手がいるのが悪い条件で、ダイヤのフィネスが抜けてしまうのと、スクイズが効かないのが痛いです。



とはいえ、5割弱もあればスラムのビッドは十分勝負になっていると思います。

試合の状況は前半で12IMP負けているので、相手チームの方が全体的なチーム力が高いと見てよいでしょう。格上相手にはちょっと分の悪いスラムを置くようにした方が良いと、何かの本にも書いてありました。

そして何より、一度トライしたスラムは絶対に逃さないのがアニマルです。

ここは勝負の6Hをビッドしていきましょう。





実際のハンドはこちらです。

画像2

6Hはほぼ鉄板でした。


ただ、DAとDKが逆だったり、スペードがクラブに移動していたりすると6Hワンダウンの配置になるので、きわどいところだったと思います。

悪い配置のときは5H、良い配置の時は6Hをプレーしたいので、6HへのINVのようなものを使えると便利だと思います。

例えば、4NTがテイクアウトになっていれば、パートナーにコントラクトを選んでもらって、

5mが選ばれたなら5Hに直して6HへのINVを示し、5Hが選ばれたなら6Hへレイズするのが良さそうです。

寺本式のシステムを使っていれば、競り合いの4NTはテイクアウトのはずなので、4NT then 5Hをビッドをするのが良かったのかもしれません。



続いて、

ダブル付きコントラクトのディフェンス①

あなたはSouth。

15番ボード、we vul 1番手

K5
QJ72
863
AKQJ

1NT-(2D)-3NT-(4H);
X-(4S)-P-(P);
X///

2D=M 1suiter
4H=Pass or Correct

相手の4Sxになりました。オープニングリードはDKで、ダミーは下です。

J83
AKT54
T
T876

T1:DK-T-3-7
T2:S7-3-?

Plan the defense.



















実際のハンドは下です。

画像3

SKを出してメイクしました。ダミーへのスペードのエントリーが生まれて、ハートがエスタブリッシュできるようになったためでした。

SKを出したのは、パートナーがSQを持っていたらSKを出しておいた方が良さそうで、パートナーがSQを持っていなかったらあまり関係ないと思ったからでした。


後から反省して思ったのは、SKを出す前にもっと全体の配置を考えれば良かったです。

点数配置で分かっていることを整理すると、自分は16点、右は8点なので、残り16点がパートナーとオポーネントにあります。パートナーはDA,DKを持っているので、SAとSQはオポーネントにあることが多そうです。

また、ハートはオポーネントにとってブレークが良いので、ここでSKを出すとダミーへのエントリーができるかもしれず、SKは出さないほうが良いとなりそうです。

スペードスーツのみを考えていたのが良くなかったです。



また、ビッドの段階でも4Sをパスして良かったかもしれません。パートナーの3NTはFGですが、必ずしもバリューを保証していないことを考えればフォーシングパスが成立する状況では無い?ので、ここはパスしてディフェンスするのが冷静なジャッジだったかなと思いました。



最後に、

Xつきコントラクトのディフェンス②

あなたはSouth。

16番ボード、they vul 4番手

4
KQ92
AT832
T32

(P)-1C-(1D)-1H;
(2D)-X///

X=サポートX

サポートXを流して勝負してみました。リードはHKにしました。ハートでパンプしてトランプコントロールを取りに行けたらいいなと思いつつ。

ダミーは、

Q9532
7653
Q94
7

T1:HK-3-8-A
T2:C8-T-7-4
T3:DA-4-C5-5
T4:D2-9-S6-6
T5:H5-4-T-Q

シグナルはUDCA,ディスカードはODD/EVENです。

Plan the defense.













実際のハンドは下です。

画像4


T5時点では、下です。

画像5

ここからダイヤを出したので、DQ,S2→J,DK,DJとなって、NがS2C2と残したので、クラブでスローインされてメイクしました。Eのナイスプレーでした。


ディフェンスとしてはクラブを出しているとダウンでした。ダミーでラフさせればDTがマスターになる形で、ダイヤのトリックは損せずにスペードを走るのを防止できるので、こっちの方がより多くの配置で落ちていたかもしれません。

ディフェンスも終盤でしたが、スぺ―ドの配置が良く分かっていなくて間違えた形でした。T5時点で分かっていたディクレアラーのハンドは、

??(??)
AT
KJ765
??(??)

T3でパートナーからクラブのカモンが出ているので、ディクレアラーにはCAもCKも無さそうです。プレーからスペードはAかKを含む3~4枚くらいになってそうでした。

ただ、SAがオポーネントならT5でハートじゃなくてスペードを出して、スペードを一つでも取ろうとしているかもしれないと思いました。

ハートが出るときはスペードが取れる形で、敵にダイヤを集めてもらってからスペードを取ろうと考えていて、もしダメなときはクロスラフ風にダウンセーブを狙うラインを取っていると考えることができるかもしれません。

Southとしてはダイヤを持っていればスペードを取られない形なので、スペード全取りされないためにもクラブを出してトランプコントロールを保つべきでした。



後半戦は以上となります!

最終的には16ボードで59-43と大荒れの試合を16IMP差で勝ち、トータルでは83-79で勝ちました。自分としては最後の2ボードのディフェンスがあまり良くなかったので、こういうところで失点しないように決勝に備えてディフェンスの勉強をしていこうと思います。


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