【ブリッジ】ディフェンスの分岐【2020後期日本リーグ1日目③】

髪切るとき緊張しがち。KKTです。


ラウンド4 vsたかやま

アマチュア最高峰ペアとの同卓でした。相手の内容は序盤中盤終盤で隙が無く、圧倒されました。試合の流れ順に振り返っていこうと思います。


3NTビッドするしない?

29番、Both vul 3番手

AJ
AK8
Q7532
QJ8

P-(3H)-?

1NTオープンしようと思っていましたがPREされて厳しいです。3NTをビッドしますか?パスしますか?












ハンドは下です。

画像1

自分はパスを選択しました。
パートナーがパストハンドなのでゲームがある可能性よりも、3NTがオーバービッドの可能性が高いと考えリスクを重く見てパスしたという感じです。その後は、

P-(3H)-P-(P);
X-(P)-3NT-(P);
P-(4H)-X///

となり2ダウン。ゲームがある配置でしたが、パートナーがパストハンドの中のMAXでハートショートだったのでバランシングしてもらえて助かりました。

パートナーのバランシングからゲームルーズを回避できることもあることを考慮するとパスが有利だと考えてます。自分がハートをたくさん持ってるのでパートナーが強い時はバランシングしてくれそうです。
とはいえパートナーの手は自分ならオープンする(ルールオブ22なら11+5+4+2で22を超えている)くらい強いので出来すぎ感はあります。パートナーのハートが一枚増えてバランシングできなくてゲームルーズとなる日もありますが、それは適切にPREした相手が上手だったということで。


続いて、

ディフェンスの分岐①

あなたはWEST。

31番、they vul 2番手

AQ974
K7
6
T8763

(1D)-1S-(2NT)-P;
(3D)-P-(3NT)///

左の3NTになりました。パートナーのオープニングリードはHJです。ダミーは、

T6
A865
KQJT95
J

T1:HJ-5-K-3

ディフェンスの方針はどうしますか?















実際の配置は下です。

画像2

テーブルでは下記展開で1ダウン。
T1:HJ-5-K-3
T2:C6-2-Q-J
T3:SJ-6-A-3
T4:C7-K-A-H5
T5:C5-H6-T-4

T2はクラブのアナ―2枚期待でクラブシフト。T3でパートナーからクラブを出してもらうためにスペードのエントリーを期待してクラブシフト。T4でクラブのゲスを迫って外したので落ちでした。うまくやられました。


ディクレアラーのプレーに視点を変えると、T4のクラブのゲスは9を出すほうが良かったです。それは例えばJx JT9x xxx Qxxxのような手ではハートを取るエントリーが無いために、パートナースートのスペードをリードしているだろうという理由です。


このハンドは、ところどころディフェンスの分岐があって、まずオープニングリードはスペードかハートのどっちが良いのかという選択があります。今回はスペードを選ぶと即落ちなのですが、実際にはハートを選んでいるテーブルが多いです。どっちが良いのか考えてみます。


(i)スペードが当たり

パートナーに2アナー以上あってスペードがエスタブリッシュする形

(ii)ハートが当たり

パートナーに1アナ―以上有ってハートがエスタブリッシュする形


パートナーの枚数的にはスペードは5枚、ハートは2~3枚なのでおそらくアナ―の枚数の期待値は(i)も(ii)も同じくらいになりそうです。

ここでビッドをもう一度振り返ってみます。

(1D)-1S-(2NT)-P;
(3D)-P-(3NT)///

Northは自発的に2NTと3NTをビッドしているのでいかにも2ストッパー以上(HHxx)を持ってそうな感じがあります。そしてハートはNorthが3枚以下なので、薄そうな雰囲気があります。期待値は同じくらいですが、Northのハンドパターンを考慮するとハート優勢になりそうです。

ビッドはほとんどのテーブルが同じ展開(実際表も裏も全く一緒の展開だった)と考えられますが、6テーブル中4テーブルがHJを打っていることからもHJが有利そうです。


他にもHJ勝った後にクラブシフトするのか、ハートコンティニューするのか、スペードシフトするのかなどいろいろありますが、分岐での選択でより良い方をしっかり選んでいて、美しいディフェンスだと感じました。



続いて、

ディフェンスの分岐②

あなたはWEST。

32番ボード、We vul 1番手

J
AT52
AT763
984

P-(P)-P-(1C);
P-(1D)-P-(1S);
P-(2S)-P-(4S)///

1C=C2+,11-21
1D=H4+,F1

サウスの4Sになりました。サウスにビッドを聞くと、この展開ではサウスのハンドに18-19のS4,BALは存在しないことが分かりました(1C-1D;1NT=18-19,BALから展開する)。つまりサウスの手はアンバランス傾向です。
オープニングリードはDAを選択しました。ダミーは、

A752
QJ84
8
T763

T1:DA-8-4-2

ディフェンスの方針はどうしますか?



















実際のハンドと展開です。

画像3

T1:DA-8-4-2
T2:H5-Q-K-3
T3:H7-S6-2-4
T4:D5-7-S2-J
T5:C3-2-J-9
T6:D9-T-S5-Q

T7以降はスペードを集めたら41は厳しくてダウン。
T3ではラフするかどうかのゲスになっていて、ラフせずにクラブ捨ててスペードのゲスを当てればメイクしていたかもです。ただ、ダイヤラフとかクラブエスタブリッシュも入るので手順はかなりややこしいです。
テーブルではシンプルにダイヤ二回切ってクラブエスタブリッシュしてスペード32にかけるプレーを選びました。


今回のディフェンスも分岐がありました。

最初はT1で何を打つかの分岐ですが、トランプ41の雰囲気なのでできればパンプしたいです。サウスの手は4135,4144,4315,4414あたりが多いことを考えれば赤いスーツでパンプしたいと考えるのが妥当です。だからオープニングリードは赤いスーツ。Aを打っておけば外したときにシフトできます。今回はどっちも持ってるので、枚数多くて当たってる可能性が高いDAを選びそうです。


次はT2でダミーを見てからの分岐。赤いスーツのどちらを出すかです。
ダミーのスペードが弱いので、このままダイヤを続けてもディクレアラーはダミーでダイヤを切ってハンドグッドの形でプレーするだろうと予測できます。
できるならディクレアラーのハンドをパンプするように持ち込みたいです。理由は、ディクレアラーのスペードの方が内容が良さそうだからです。パンプを成立させるにはディクレアラーがハートショートかつパートナーにHKの形を期待したいので、ハートローにシフトすることになります。


テーブルでは見事にハートローにシフトされました。美しいディフェンスを2連続で実現されてしびれました。こういうのが自分もできるようになりたいです。



スーツプリファランスのファンタジスタ

あなたはSouth

18番、We vul 2番手

-------
AKJT983
Q54
543

(P)-4H///

スペードで介入されたくなかったので、ちょっと強くてスラムルーズのリスクはありますが4Hでオープンしました。リードはSAでした。


95
Q76
AJ82
AKT2

-------
AKJT983
Q54
543

T1:SA-5-2-H8
T2:HA-2-6-5
T3:H9-4-Q-SJ

ディスカードのシグナルはオッドイーブンですが、配置が既知のスーツではスーツプリファランスが出ると聞きました。次に何をプレーしますか?





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