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エッセイ集Ⅱ

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ちょっと読むのはしんどいと感じてします本の内容をかみ砕いて書いていきたいと思っています。
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2016年6月の記事一覧

日本海⑤

日本海⑤

 地球上の大陸は、全ての大陸が繋がり、1つの大陸になって、また分裂していくことを繰り返しています。最近といっても約2億年前に全ての大陸がつながってできた超大陸「パンゲア」があったそうです。その「パンゲア」がまた、分裂し、現在のような大陸が散在する姿になったと考えられています。

 約3000万年前、日本はまだ存在しておらず、ユーラシア大陸の一部だったと考えられています。今から約2000万年前、ユー

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日本海④

日本海④

 このシベリア高気圧がもたらす北西風は、日本海にもう一つ変化をもたらせます。ロシアに近い北側の海では、この北西風の冷気が表層の海水を冷やします。

 表層の海水温度は、どんどん下がっていき、最後には、海水を氷結させます。凍った海水からは塩分が流出し、その周りにある海水の塩分濃度があがります。こうしてできた塩分が多く、温度の低い海水は、比重が重くなって、重力で、海の底へと沈んでいきます。十分な重さを

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日本海③

日本海③

 日本海というと、どうしても写真のような冬の激しい波しぶき、荒れている海を想像しがちです。しかし、1回目に書いたように、風呂桶のような構造をしている日本海は、海峡から入ってくる海水の量が少ないため、潮の満ち引きが少なく、穏やかな海のはずです。実際、冬以外は穏やかな日が多いようです。

 それでは、どうして荒れている海を想像してしまうのでしょうか?やはり、冬の寒さと雪、そして、太平洋側まで影響を及ぼ

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日本海②

日本海②

 前回に引き続き、蒲生俊敬著『日本海』(ブルーバックス)を参考に日本海を見ていきます。

 海水は、暖かいと密度が小さくなって軽くなります。逆に温度が低いと密度が上がり重たくなります。海では、軽い海水が、重い海水の上に浮かんでいる構造になっています。外部から力を強制的に受けなければ、この状態は変わりません。

 今のお風呂は、きちんと水が循環する作りになっているので、感じることは少なくなりましたが

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日本海①

日本海①

 蒲生俊敬著『日本海』(ブルーバックス)を今読んでいます。太平洋側に住んでいる私たちにとって、日本海は近いようで遠い存在、そんなふうに思っていました。冬の荒れた日本海の波しぶき、淀んだ灰色の雲、そんな風景だけを思い浮かべてしまう、なんか暗いイメージの方が強い気がします。

 しかし、食べ物でイメージするとカニであったり、ホタテ、そしてホタルイカやブリ、日本ならではの食材が次々と浮き上がってきます。

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昔の看板が右から左へ書かれていた訳

昔の看板が右から左へ書かれていた訳

 普段ぼくらが、目にする看板や標識は、文字が左から右へ進む。いわゆる横書き文字である。

 今書いている書き方がまさしく横書きである。

 子どもの頃、年季の入った昔からある店の看板の中に、横書きだが、文字が右から左に進むものがあった。子どもながらに、なぜ反対に書いているのだろうと不思議に思ったことがあった。

 あの頃は、ふしぎだなと思っても、それがなんでそうなっているのかなど考えずに、不思議は

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