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「辛抱する」ということ

 プロフェッショナルのスペシャル番組で70歳になる天ぷら職人が、18歳の弟子体験者にこう言っていた。

「修行とは、辛抱することを覚えることだよ。辛抱することを覚えている内に、何かを身につけることになる。それが掃除だとしても、それで一番になれるということは、天ぷらを揚げることでも一番になれる力があるということなんだ。(言い回しは違っていたと思います)」

 ふと、その時、「急がないで速くやる」というある医者の先生が言っていたことばが思い浮かんだ。同じことなんじゃないだろうか。躍起になって覚えようとするよりも、じっくり時間をかけて身につけていく。何も考えずに体が動くようになれば一人前。

 今思い返してみると、学校に通ってたときに、つまらないと思いながらも、辛抱してやっていたことが、いつの間にか身につき、その後、それを利用して多くの本を読み、知識を更に身につけていった。

 学ぶことがおもしろい。と思い始めたのは大学に入ってからだし、本格的に知識を吸収しようと思い出したのは、就職してからだ。今から思えば、小中高では、やはり辛抱することを覚えさせられていたのではないだろうか。

 よく修業では、盗めといわれる。そのぐらいのスピードで覚えていった方が、確実に身につくのかもしれない。体にしみ込むように技を習得していく。それには時間がかかるのだ。そして、それが一番大事なのかもしれない。

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