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短歌研究文庫リスト(仮)2024年2月版


(短歌研究文庫とは)

 短歌研究社が1974年から刊行している文庫レーベルです。50年目にして附番に乱れが生じているのではないか、というのに気づいたのがこの記事きっかけです。

 附番状況を整理するために作成したので、現物を見てのリストではありません。国会図書館の検索結果をメインに詩歌文学館、日本近代文学館等の所蔵館のデータを切り貼りして作ったものです。現物にあたるための下調べ程度にしか使えないものと思っていたたけければ。

国=国会図書館に蔵書あり
詩=詩歌文学館に蔵書あり

 という意味です。「□」はスペースだと思ってください。

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短歌研究文庫リスト(仮)

20240223

国 詩 1 197405 橋本徳寿歌集 橋本徳寿
国 詩 2 197403 阿部静枝歌集 阿部静枝
国 詩 3 197504 村野次郎歌集 村野次郎
国 詩 4 197803 五味保義歌集 五味保義
国 詩 5 197702 生方たつゑ歌集 生方たつゑ
国 詩 6 197705 加藤将之歌集 熊谷武至・松原三夫 編
国 詩 7 199203 柴生田稔歌集 清水房雄 編
国 詩 8 198003 近藤芳美歌集 近藤芳美
国 詩 9 197811 上田三四二歌集 上田三四二
□ 詩 10 197907 大西民子歌集 大西民子
□ □ 10 201210 大西民子歌集 増補『風の曼陀羅』 改版 大西民子
国 詩 11 198205 岡井隆歌集 岡井隆
国 詩 12 198207 遊行 : 歌集 上田三四二
国 詩 13 198701 馬場あき子歌集 馬場あき子
国 詩 14 198708 島田修二歌集 島田修二
国 詩 14 200412 島田修二歌集 増補『行路』 島田修二
国 詩 15 199201 窪田章一郎歌集 篠弘・島田修三 編
国 詩 16 199212 塚本邦雄歌集 塚本邦雄
□ □ 17 199409 上田三四二全歌集 上田三四二
国 詩 18 200305 春日井建歌集 春日井建
□ 詩 19 199907 佐佐木幸綱歌集 佐佐木幸綱
国 詩 20 200309 高野公彦歌集 高野公彦
国 詩 21 200403 続 馬場あき子歌集 馬場あき子
国 詩 22 200509 前登志夫歌集 前登志夫/前川佐重郎 編
国 詩 23 201802 塚本邦雄全歌集 文庫版 第1巻 塚本邦雄
国 詩 24 201806 塚本邦雄全歌集 文庫版 第2巻 塚本邦雄
国 詩 25 201901 塚本邦雄全歌集 文庫版 第3巻 塚本邦雄
国 詩 26 202001 塚本邦雄全歌集 文庫版 第4巻 塚本邦雄
国 詩 27 202102 塚本邦雄全歌集 文庫版 第5巻 塚本邦雄
国 詩 28 202202 塚本邦雄全歌集 文庫版 第6巻 塚本邦雄
国 詩 29 202206 塚本邦雄全歌集 文庫版 第7巻 塚本邦雄
国 詩 30 201706 塚本邦雄全歌集 文庫版 第8巻 塚本邦雄
国 詩 31 202306 塚本邦雄全歌集 文庫版 別巻1 塚本邦雄
国 詩 新ひ-1 202204 振りまはした花のやうに
              併録『顔をあげる』『前線』 平井弘
国 詩 新ゆ-1 202202 たんぽるぽる 雪舟えま
国 詩 新ゆ-2 202210 緑と楯 ロングロングデイズ 雪舟えま
未 未 4 2024 くびすじの欠片 野口あや子


※今後も刊行されるレーベルで、終わりが見えません。とりあえず現時点の作成とし、更新はしない予定です。


(感想)

 増補的なものは納本されることが少なく、所蔵館が少ないです。附番もそのまま使いまわされているので、同一本と見なされていることがわかります。
 17番『上田三四二全歌集』は、1990年の同社刊行の単行本が親本で、おそらく同様の理由で所蔵館が少ない。たっぷり読める自選集としてスタートしたレーベルですから、完本収録の増補が入ったり、全歌集が入るのは時間とともに変わっていった部分でしょう。読者の要請や作り手側の都合で変わってゆくのは、息の長いレーベルにはよくあることです。


(長いから後に置いたまえおき)

 野口あや子さんの『くびすじの欠片』が文庫化し、予約開始されたとのことです。

https://twitter.com/ayako_nog/status/1760664263012847674

 文庫化自体はすでに告知されていたことで、順当に発売のはこびになったのがわかり、よろこばしいかぎりです。

https://www.amazon.co.jp/dp/4862727638/klage-22

 ただ、このtweetの何がおどろきポイントがありまして。このレーベル番号の「4」です。これまでのルールから逸脱しているのです。

https://twitter.com/hanaklage/status/1760674763490640317

https://twitter.com/hanaklage/status/1760674766686744845

https://twitter.com/hanaklage/status/1760674769643720729

https://twitter.com/hanaklage/status/1760676443187720376

 無印が1974年からつづくもので番号だけ、比較的最近の本の文庫での復刊レーベルは「新+作者名一音目+番号」をつけるルールのようです。tweetしたとおり、これは現在の親会社である講談社の文庫でも採用されているルールで特段めずらしいものではありません。

 ダブり番号もよくあることで、重版や次の刊行物で修正が計られます。現在、推定できるのは、このあたりでしょうか。

・「新」をつけ忘れた。
・「新」をつけた既刊3冊の附番が誤りだった(もしくは「新」をつけるルールを4冊目から捨てた)
・『五味保義歌集』は絶版なのでダブってもよいと考えた。

 「短歌研究文庫」のなかでアンソロ・全集の無印と復刊の「新」をわけるのは私はわかりやすくてよいと思います。完全新レーベルをつくってもよいですが、刊行点数を考えるとあまり分ける意味はないでしょう。

 とりあえず5点目でどうなるかを見たいと思います。



(5点目こそ以前からウワサのアレが出てほしいところです。)



みだし画像は国会図書館に行くときか帰るときに撮った永田町駅の階段。






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