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僕が共働き世帯向けフードデリバリーサービス「つくりおき.jp」をはじめた理由

こんにちは、前島です。僕は今、つくりおき.jpという共働き世帯向けのフードデリバリーサービス「つくりおき.jp」を運営しています。今回はこのサービスを始めた経緯について書きたいと思います。

下記のキーワードにピンときた方は是非読んでいただけると嬉しいです。

・D2C
・フードデリバリー
・共働き世帯支援
・飲食店経営
・クラウドキッチン

僕は前職のリクルートを2018年12月に退職して起業しました。

実は、起業してからつくりおき.jpを始めるまではSNS系のサービスをやってました。その事業があまりうまくいかず、半年ほどで事業変更をすることにしました。

その際に、せっかくならば自分が本気で課題意識を持って取り組むことができて社会的にも意義が大きく、そしてもちろん収益性が高いことをやりたいと思いました。


課題意識

僕は昔から「機会の平等」に対して課題意識がありました。おそらくその理由は、僕が熊本県で幼少期を過ごし、閉塞的な環境に身が置かれていたからだと思います。

僕が通っていた熊本県の小学校は校則が結構厳しく、常に規律にそった集団行動が求められました。あまり協調性が高くなかった僕は、人と歩調を合わせることが苦手で、なかなかつらい思いをしました。

また、東京に比べると学校以外の逃げ道も少なく、小学校2年生のころからはほとんど学校には行けなくなってしまいました。

一人で日中自宅で過ごす中で、「このまま僕の人生はこの家の中で終わってしまうのではないか」という恐怖感に襲われていたのをよく覚えています。

そのような環境の中で、「なぜたまたま生まれた地域や環境のせいでこのようなつらい思いをしなくてはならないのか。人が環境に関わらず平等な機会を得られる世界になったら良いなあ」という思いを持つようになりました。


共働き世帯の家事の支援へ

そのような背景もあり、海外の事業をみっちり調べつつ下記の条件に合致する事業がないか、考え続けました。

・社会的機会の平等を促進すること
・課題を持っている人が多く存在すること

今の日本で機会の平等に大きな課題を持っている最も大きなセグメントを考えた時に、僕はそれが「女性」だと結論づけました。

男女平等が叫ばれて久しいですが、社会的な慣習や文化によって女性が不利な立場に置かれる状況はまだまだ根強く存在しています。

その中でも僕は家庭の中の女性に着目しました。もはや当たり前になっておりあまり意識されていないかもしれませんが、日本の女性の家庭内労働時間は諸外国と比べても異常です。

下の図は、夫婦が家事に割く時間の差(妻 - 夫)の国際比較です。突出して日本の値が大きいことがわかります。

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「日本は専業主婦が多いので当たり前だ」と思う方もいるかもしれませんが、実はその認識自体が過去のものになりつつあります。

下の図は1980年からの専業主婦世帯数と共働き世帯数の推移です。1990年代には逆転しており、直近では共働き世帯数と専業主婦世帯数がダブルスコアをつけ、さらに差が広がり続けている状況になっています。

また、こちらは共働き世帯と専業主婦世帯での男女の家事労働時間を比較したグラフですが、共働き世帯であっても女性の方が多くの時間を家事に割いていることがわかります。

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また、こちらは共働き世帯と専業主婦世帯での男女の家事労働時間を比較したグラフですが、共働き世帯であっても女性の方が多くの時間を家事に割いていることがわかります。

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つまり、同じように働いているにも関わらず、女性のみが多く家事労働を行うことで日本の家庭は成り立っているということになります。

つくりおき.jpを始めるにあたって行なったヒアリングからも、このような状況の中で自分の仕事や勉強など多くのことを諦めている女性が多いことがわかっています。

この状況はどう考えても不平等で、なんとかしたいと考えました。


「対立構造を乗り越え、問題を無くす」という考え方

これまで書いてきたような日本の状況に対して、「日本の男はもっと家事をやれ!」と訴えることは簡単です。

ですが、明治時代以降築き上げられた家父長制的価値観や男性の休暇の取りづらさなど様々な要因が絡まり合って今の状況が作り上げられており、現状への不満を叫ぶだけではすぐには状況は改善されません。

問題提起をし続けることで少しずつ社会は変わっていくかもしれませんが、今この瞬間につらい思いをしている感じている人のためにはなかなかなりづらいと思うのです。

僕はこういった対立構造をはらんだ社会課題をすぐに解決したい時に「技術や制度によって対立構造を乗り越える」考え方が有効であることが多いと思います。

技術や制度を導入することによって問題自体が問題ではなくなる例は多いと思うのです。

具体例を説明した方が早いと思うのでつくりおき.jpを例にとりますが、つくりおき.jpを使ってもらうことで家事労働における「料理」という活動自体が家の中からなくなります。

問題となっていた「料理」という活動自体が家庭の外に出ることで「男性がやるべきか、女性がやるべきか」という対立構造が消失します。

問題提起ももちろん大事なのですが、今この瞬間に困っている人のためになるにはやはり問題事態を迅速に取り除くことが重要だと思うのです。

料理についてより安心できて便利な手段を提供することで、男性がやるか女性がやるかという対立構造自体を乗り越え、家庭にゆとりを届ける」それがつくりおき.jpです。


何をやっているのか

前置きが長くなりましたが、そのような背景で現在つくりおき.jpという共働き世帯向けのフードデリバリーサービスを提供しています。

下記がつくりおき.jpの特徴です。

・平日3日もしくは5日分の手作りのお料理を家の玄関までお届け
・できあがった料理が届くので調理が一切必要なく、食事の準備を丸ごとおまかせできる
・申し込みはLINEから簡単に行うことができ、受け取る時間をご都合に合わせて自由に設定することができる
・調味料は基本的に家庭にあるものだけを利用

提供しているお料理は日々Instagramにアップしていますのでぜひご覧ください。https://www.instagram.com/tsukurioki.jp/

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事業としての面白さ

僕自身、つくりおき.jpを展開する中でかなり刺激的な日々を過ごすことができています。

それはユーザーの方々に毎週めちゃくちゃ喜んでいただけるということも大きいですが、実はこの事業自体が日本でも新しい試みでチャレンジ要素が多く存在するからです。

つくりおき.jpの調理は自社のクラウドキッチンで行なっています。昨年9月に1店舗目をオープンし、今年の2月には2店舗目がオープンします。

そのクラウドキッチンはLAN経由で制御できる最新の調理器具など、ゴリゴリに最適化されており、熟練の調理人のノウハウとエンジニアの技術の粋を集めて設計されています。

予測では2月にオープンする店舗は通常の飲食店のキッチンの10倍程の生産性が出ると読んでいます。

僕自身がエンジニア出身ということもあり、このようにテクノロジーとリアルなオペレーションの融合領域に大きな魅力を感じています。

受給予測、配達経路最適化、メニュー選定アルゴリズム、調理工程の最適化などつくりおき.jpの事業においてまだまだ技術が介入できる要素は多く、これからの事業改善にわくわくしています。

「テクノロジーによって安心安全なお料理をコスト効率高く作れることができ、そのことによって多くの家庭にゆとりを届けることができる」こんな素敵な仕事はないなと思っています。

というわけで、日本の共働き家庭に笑顔を届けるため、引き続き頑張ります!!

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