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歴史思考

『世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する歴史思考』 深井龍之介   (2022/03)

本書で説かれている「歴史思考」は歴史を通して、自分を取り巻く状況を言い引いて、客観的にみることだそうです。
また、その効用はあなたを苦しめている「当たり前」が当たり前ではないことに気づき、目の前の悩みから解放されるとのことでした。

目次は以下の通りで、特に自分は2、3、4章で紹介されていた偉人たちの人物伝に「おお!」となりました。

プロローグ 僕たちの「当たり前」を疑え―チンギス・カン
1 スーパースターも凡人だった―イエス・キリスト、孔子
2 100%完璧な人間なんていない―マハトマ・ガンディー
3 人生のクライマックスは終盤に現れる―カーネル・サンダース
4 奇跡を起こすのは誰だ?―アン・サリヴァン
5 千年後のことなんて誰も分からない―武則天
6 僕らの「当たり前」は非常識―性、お金、命
7 悩みの答えは古典にある―アリストテレス、ゴータマ・シッダールタ
エピローグ 今こそ教養が必要なワケ

ガンジー、サリバン先生、カーネル・サンダースもある程度、知っているつもりでしたが、知らざれる一面を本書を知ることができました。

ガンジー、少年時代はパッとしない内気で引っ込み事案な性格で、留学先のイギリスでも周囲に溶け込めず、成人し、弁護士になったものの、無能なため、仕事の依頼は来ない、奥さんにDVをふるうわで、ロクな男ではなかったことを知りました。
そんな男がいかにして、あの偉大なマハトマ・ガンジーとなったのか、本書には記されておりました。

また、サリバン先生とヘレンケラー、二人はお金がない、貧乏な時期に、芸人となり、サーカス団に加わって全米を巡業していたそうです。サリバン先生はとても嫌がっていたそうですが、ヘレンはむしろ楽しんでやっていたとのことで、なんだかほほえましく、笑えました。

カーネル・サンダース、彼は苦難、忍耐の人であるのですが、その身に降りかかる苦難の数の多さにびっくりしました。そして、カーネル(大佐)だとばかり思っていたのですが、軍は一瞬でやめてしまっていて、愛称だったんですね。

本書、重厚さはないですが、だからこそ、読みやすく歴史の面白さを手軽に楽しめました。中学生の娘にも渡したところ、面白かったといっておりました!

「安全とは思いこみにすぎない場合が多いのです。現実には安全というものは存在せず、子供たちも、誰一人として安全とは言えません。危険を避けるのも、危険に身をさらすのと同じくらい危険なのです。人生は危険に満ちた冒険か、もしくは無か、そのどちらかを選ぶ以外にはありません」

ヘレン・ケラー



人の世に熱あれ、人間(じんかん)に光りあれ。