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ゆし豆腐

初めて訪れた沖縄の地で一番最初に口にしたのが、ゆし豆腐。国際通りの裏通りに面した大衆食堂で初めて口にする食べ物だった。

ちょうどランチ時のサービス定食の具材として入っていたと記憶する。その美味しさもさる事ながら、本土の豆腐とは異なり今にも崩れ落ちそうな危うげな形状と真っ白な豆腐の艶かしさが、椀の中にはあり、一瞬、箸をつけるのを躊躇う程であった。

食べてみても絶品。食後、その美味しさを店の人に伝えると、その豆腐はゆし豆腐といい、沖縄のソウルフードである事。また、この店のゆし豆腐は自家製で朝早くから店主自ら仕込み、出来上がってから開店するのだと教えてくれた。

正直、それ程、期待せずに入った店だっただけに、その美味しさと安さ(なんとワンコイン!)には驚嘆するばかりであったが、何よりも手間を惜しまず、郷土料理を提供する店主の矜持に感じ入った。

沖縄に行く度に訪れる店になったのは言うまでもない。

人の世に熱あれ、人間(じんかん)に光りあれ。