シンゴジラを見たときの話。

‬雨降りしきる新宿。バルト9の夕方ごろの上映を一人で観に行った。‬
‪封切りから1ヶ月は経っていたが、場内は満員だった。‬

‪衝撃的だった。

大きなスクリーンに映る火の海と化した東京。無尽蔵に破壊を繰り返すゴジラ。画面上から絶望がひしひしと打ち付けてくる。‬

‪ボロボロと涙が溢れた。
自分が育った街でもない東京が無残にも消えて行く。フィクションなのに、その光景に胸が締め付けられた。‬

‪同時に、儀式のように破壊を尽くしたゴジラを見て「美しい」とさえ思った。
己の熱量を最後まで放出し、自身を収めていく姿が好きだ。‬

‪しかし、この映画の最大の魅力はあの「ビーム」(色々と呼び名はあるけどあえてこう書いとく)から後にあると自身は思っている。‬

‪絶望。全てを失い、ゼロどころかマイナスからのスタート。そんな状況から、単なる武力ではなく、皆が知恵を出し合い、手を取り、巨大な災害に立ち向かう。膨大な計算を行うスパコンや、凍結薬の製造を行う工場もしっかりと画面に映し、全てに携わる人やモノ、システムを社会の一部としてちゃんと描写しているところにオタク心を擽られる。‬

‪「この国はまだまだやれる」‬

‪自分が本作で一番好きなセリフだ。何度もの絶望から立ち上がってきた日本。日々を闘い、明日を生きるために社会の一部となって動く我々に生きる意味を見出してくれた映画だと思う。‬

‪さて、明日のために自分は何ができるだろう?‬