見出し画像

背番号のこと

サッカーの話をさせてください。
また長くなってしまったので、先に謝ります…。
すみません!
本当にすみません!

先日、鹿島アントラーズの新背番号が発表されました。
あの小笠原満男がつけた40番を鈴木優磨が背負う、と。
優磨くんは、鹿島アントラーズがいるべき場所へと導くために帰ってきた。
まだ海外で戦えるチャンスはあったのに、彼は帰ってきてくれた。
以前つけていた9番ではなく、鹿島を引っ張り続けたBOSSの背番号を引き継ぐ。
どれだけの期待と責任を背負うのか。
どれほどの重圧と戦うのか。
今は、心配の方が強いけど、そんなものを払い除けてくれたら、ありがたい。
そして、10番は荒木遼太郎。
なんだろ、これ、しっくり来るわー。
「10番つけたら、海外へ行く」とか言う人いるけど、若い選手が鹿島の10番を背負って、海外へ羽ばたくなら、いいと思う。
それで活躍してごらんなさいよ。
「鹿島の10番、スゲーな!鹿島って、すごいクラブだな!」となるよ。
こっちも「そうだろ、そうだろ。ウチの10番はすごいんだからな!」と自慢できるんだから(とは言え、柴崎がっくんが海外移籍した時は、大号泣)。
とにもかくにも、優勝目指して、がんばりましょう。
でも、3番がまた空いてしまったね…。

さて、あたしにも背番号があります(得意気)。
フットサルのチームで作ったユニフォームです。
なんと2種類!
と言っても、チームはギリギリの5人。
そして、もう何年も活動はしてません。
なので、ユニフォームを着るのは、個サル(個人参加のフットサル)くらいです。
そのユニフォームを作った頃、サッカーファンには悲しいことがありました…。

松田直樹選手急逝。

横浜Fマリノスで活躍し、日本代表でもフラット3として、大暴れ。
日本が誇るサッカー小僧です。
シーズン終了間近に、松田直樹選手がマリノスを退団すると発表されました。
いわゆる、戦力外通告です。
鹿島アントラーズファンだけど、松田直樹ファンなので、このニュースにはびびった。
あんなバリバリやってんのに、なんでよ?と暴れたくなるほど、理解不能。
そして、松田直樹選手から、マリノスサポさん達へ向けた挨拶。
「俺、マジでサッカー好きなんすよ」
あれ見て泣かないヤツ、サッカーファンじゃないと思う。
まだ移籍先も見つからない中で出たあの一言。
彼のサッカーへの愛情の強さが伝わってくる。
あぁ、どこへ行こうとも、大好きなサッカーを貫いてほしいと願うばかり。
そして、松田直樹選手は松本山雅へ移籍します。
まだ当時は、JFL…つまりJリーグを目指しているクラブでした。
だから、彼はJリーグへ連れて行くと意気込んでいました。

8月の暑い日。
練習中に倒れ、病院へ搬送。
日本中のサッカーファンが祈った。
だけど、彼がピッチに戻ることはなかった…。

マリノスは、背番号3を永久欠番にしました。
松本山雅は、のちに田中隼磨選手が松田直樹の想いを引き継ぐと誓い、3番を背負います。

そんな時に、ユニフォームの背番号をなににするか聞かれたので、迷わず答えました。
「3番にしてください」

交通事故に遭って、いろんなことが一度に降りかかって、泣いてばかりの毎日でした。
自分から話すとか意見を言うことも、なんとなくできない。
自分は、周りの人に劣ると引け目を感じていて、そういうのを突く人が身近にいたことで、ますます自信を失くし、弱気全開。
リハビリで、理学療法士の先生達に誘われ、フットサルを始めることになりましたが、小声でしか話せないし、表情もかたかったと思います。
ボール蹴ってるよって驚きはあるけど、あたしなんかがこんな陽キャスポーツやっていいのかとジメジメ…。
身体を動かすことで、筋肉がほぐれ、症状が改善されていきましたが、やっぱりどうしても思ったことは言えないまま。
そんな時のできごとだったので、「松田みたいになりたいなぁ」と思ったのです。
「かかってこいよ」とか「やっちゃうよ」とか。
ああいうタイプになりたい。
そこに、秋田豊さんばりの闘魂もほしい。
なんならヘディングもやりたい(これはドクターストップでした)。
せめて、背番号同じにしたら、変わるかな。
そんな思いで、3番にしました。

さて、背番号を同じにしたぐらいじゃあ、松田直樹にゃなれません。
そんなんでなれたら、「週刊少年ジャンプ」は、成立しないんだよ。
結局、世の中『友情・努力・勝利』なんだよ。
そんなわけで、個サルに行って、上手な人の動きを見て、動き方を教えてもらう。
できるだけ、いっぱい試合を見る。
そして、自分なりの分析をして、使えそうな戦略なんか考えてみる。
だけど、「こんなのはどうですか?」と提案する勇気はない。
身体がよくなったので、仕事を始めることになりましたが、「すみません」ばかり言ってました。
どこかで「結局、あたしダメだしな」とためらってしまうのです。

松田直樹にゃなれません。
秋田豊にゃなれません。
誰かに憧れても、その誰かにはなれない。
ならば、自分と言うのを、模索して、確立せねばなりません。
どうしたって、自分からは逃れようがない。

じゃあ、あたしの強みはなんだ?
瞬発力はあるから、一気に詰めよう。
股抜きが得意なら、卑劣だと言われてもいいので、股抜きパスの成功率を上げよう。
「俺んとこ打ってこいよ!」って気迫を纏おう(秋田豊さんばりに)。
毎回いろんな課題を自分に課しました。
人からも「対人ができるように」と課題を与えられ、「できた!」と言っても「さっきのなんだ!逃げたろ」と怒られ、笑ってごまかして、「お前、ふざけんなよ!」とさらに怒鳴られ、「おー、やったるわい」とはならないので、あたしは、ジャンプの漫画のモブにもなれんでしょう。
青空を見ながら、汗を拭って、スポドリを飲めば、カラカラな身体に染み渡る爽快感。
あぁ、生きてるなぁ。
あたし、フットサルを楽しんでるなぁと実感します。

そして、日夜トレーニングをするあたしに、祖母(ガチなサッカーファン)が言いました。
「あんた、もうなでしこにはなれないんだよ」
なれんね…確かに(笑)
そうね、あたし、体力作りでフットサル始めたんだったわ。
忘れていたわ…。

何者にもなれないけれど、フットサルを始め、背番号3を背負うようになり、努力をする大切さを改めて知りました。
憧れは、変わるきっかけなのかもしれません。
ひとつひとつの課題を乗り越えていくことで、それが自分の自信に繋がる。

さぁ、今年のJリーグは、どうなるでしょうか。
それぞれの背番号には、意味や想いが、ギュッと詰まっている。
Jリーグ30年分の歴史が宿っている。
そして、みんなの期待を背負って、彼らは戦う。
オリジナル10で降格していないのは、鹿島とマリノスだけ。
鹿島を知る永戸くんと小池くんが加入したので、さらに手強い相手となりそうです。
だけど、毎年思うのです。
10年経とうと、どれほど人が入れ替わろうとも…松田直樹がいない寂しさは、埋められないし、ますます恋しくなるばかり。
あなたは、今、天国でサッカーをしてるんでしょうね。
引退してないんだもん。
天国に移籍したんだと思うから、永遠に松田直樹選手のままだ。

長々と書いてしまいましたが、背番号3番を背負う選手は、芯が強くなくてはいけないと思います。
この先、あたしがチームのユニフォームを着て、試合に出ることはないかもしれません。
だけど、精神的支えになっている背番号なので、これからも図太くやっていこうと思います。
それは、フットサルだけでなく、仕事でも、私生活でも。
そして、いつか鹿島の背番号3を継ぐ選手が現れたら、腹の底から声援を送りたいです。

ここまで読んでくださって、ありがとうございますm(__)m
もしよかったら、Jリーグ見てくださいね。
ではまた(^_^)/~

この記事が参加している募集

背番号のストーリー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?