海とピンク
▼収録アルバム
スピッツ(1991/3/25リリース)
2曲目は海とピンク。
とりあえずはファーストアルバムの1曲目から順番に書いていきます。
海とピンク、好きです。
ライブでもちょこちょこ演奏される曲で、イントロが流れたら会場がわっと沸きます。
この曲は、「喜怒哀楽のどの場面で流れてきてもスッと心に入ってくる曲」という印象。
何じゃそれ、と思われそうですね。
例えば、落ち込んだ時にこの曲はハッピーでポップすぎて聴けない。。
とか、反対に
すっごく嬉しいことがあった!という時に、この曲はちょっとテンション下がるなあ。。ってことありませんか?
怒ってる時なんかは、曲聴いてる場合じゃない!ということもあるかもしれないですね。
その点「海とピンク」は、落ち込んだ時やイライラした時に聴いたらふわっと気持ちを持ち上げてくれるし、すっごくいいことがあった日に聴いたらさらにワクワクします。
何というか、テンションをフラット以上に戻してくれる曲なんです。
これは何でなんだろう?と自分なりに考えた結果、
・直接的な歌詞がないから
・明るさと暗さを両方あわせ持つ曲だから
なのかなと思いました。
「直接的な歌詞がらないから」は、例えば「大好きだったあなたの思い出を胸に歩いていく」という歌詞があったとしたら、「あ〜失恋ソングだな」ってすぐ分かりますよね。
少なくともすっごく良いことがあった日にあえて聴こうとは思わないんじゃないでしょうか。
一方「海とピンク」の歌詞は何について歌ってるのか具体的には分かりません。
タイトルに「海」が付くし、歌詞にも「小さな玉砂利が/足の裏くすぐる海岸で/ちょっと君を見て/海を見て/あくびして」とあるので、海にいる男女のイメージは浮かぶんですが、最後まで聴いても2人の気持ちや関係性は見えてこないんです。
スピッツの歌詞は、基本的に「この歌は○◯について歌ってるな」とハッキリわかる曲は少ないですが、その中でも群を抜いています。
だから自分がどんなテンションだろうと関係なく聴くことができるのかなあと思っています。
続いて「明るさと暗さを両方あわせ持つ曲だから」についてですが、この曲って曲調は基本明るくて、思わず身体が動くノリの良い曲です。
ただ、歌詞の随所にひんやりする言葉が使われいて、ただただ明るくてハッピーな曲では終わらないのです。
パッと思い出すだけでも以下のような感じ。
・繰り返し遊んだら/すぐそばで笑ってた/毒入りのケーキのカケラ
・しんしんと花びらも/指先で冷たく震えてる
・プラスチックでがっかり/言葉だけ無邪気になる/ほらまた騙されてた
・とんがったゴミの中/かたくなる身体を寄せ合って
などなど、ポップなイントロからは想像もできない毒やトゲトゲしさを持っている曲だと思います。
私はいつも「海とピンク」を聴くと、男女が海岸線ではしゃいでいる情景がぶわっと浮かぶんですが、色はモノクロなんですよね。
決して楽しいだけではない、かといって悲しいだけでもない。。
そんなつかみどころのない魅力ある曲です。
「海とピンク」、またライブで聴きたいなあ。
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