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HackDay2018

2018年12月15,16日(土日)に秋葉原UDXで開催されたYahoo! HackDay 2018に参加してきたので,その内容を時系列順にまとめておきます!

HackDay
HackDayはYahoo! が主催する日本最大規模のテクノロジーとモノづくりに関するイベントです.毎年12月に開催されてます.様々な企業や団体などが最新のテクノロジーを使った作品やプロダクトを出展しているテクノロジーのお祭りです!そしてHackDayの企画の1つにハッカソンがあり,これに参加してきました.去年(ちょうど10周年だった)初めてこのハッカソンに参加してめちゃくちゃ楽しかったので今回も参戦.

ハッカソン
ハッカソンというのは,IT系では馴染み深い用語で「ハック」と「マラソン」を掛け合わせた造語です.決められた時間内で企画・プロトタイプ実装・プレゼンまで全てをこなします.その時によって時間やルール・テーマは変わります.HackDayでは1日目の12時から2日目の12時までの24時間以内で企画・実装を行います.テーマはなし!24時間の使い方も自由!大抵は会場に泊まり込みで仮眠取りながら作業になる・・・

当日は快晴!

チーム
HackDayハッカソンは2人〜6人のチームで参加する事になっており,今回は同じ職場からメンバーを集って6人集めました.1人はエストニアから日本に来ている留学生で,ちょいグローバル.みんな専門がバラバラでソフトやハードはもちろん,化学や教育とかなり多岐にわたるジャンルのメンバー達でした.アイディア決めはかなり楽しく,自分にはない視点がたくさん見られて刺激になった

製作ブースは事前に大きめでエントリーしたのでかなり広かったし景色が良かった!
ここがこの後めちゃくちゃに散らかって行く・・・

ハックタイム
カウントダウンで製作開始!ハックタイムって言います.
始まりのコールはバーチャルタレントの琴吹ゆめさん!かわいい!

まずはディスカッションや作戦会議から!それから買い出しリストを作り役割分担.ハッカソンが始まった瞬間時間の流れが加速した気がする!これは本当に!初めは結構余裕かましてるけど時間が進むごとに追い込まれて行くのは毎度のこと・・・

作業風景はこんな感じ

どんどん散らかり始めているのがよく分かる笑

クリスマス近いのにクリスマスツリーをハックしているチームはあまり見なかった(前回も)のでうちのチームはツリーをハックする事にしました.

一見普通のクリスマスの準備のよう

そしてさすが秋葉原!足りないものがあっても大体手に入る!近くには千石,秋月みたいな有名な電子部品屋さんもあるので電子工作用のアイテムがなくてもすぐ買えるのめちゃ助かる.

嬉しい事に職場の仲間たちが応援に来てくれて,差し入れなんかももらったりして,とにかくモノづくりのお祭りを楽しめました!

Pic Tree
クリスマスツリーをハック,という事で具体的に作品を紹介します!作品名は "Pic Tree" です!

一見するとただのクリスマスツリーですが,よく見てみると足元がごちゃごちゃしていて,真ん中くらいにカメラが取り付けられています.実は帽子の下にもカメラが隠れています.

コンセプトは「ただの飾りではなく自分の足で歩くツリー」です.従来のツリーはクリスマス期間中飾られている受動的な存在でした.これを、もっと面白くしようという事で能動的に行動するツリーを作ろうと考えました.
機能としては

1. 物体を認識し自分の足で人に近づく
2. 人の笑顔を検出し,笑顔になると写真を撮影する
3. Webアルバムにまとめてくれて

というもの.一家に一台あればクリスマスパーティの時にカメラマンをしてくれるツリーなのです!

仕組み
1. ツリーの足
足はルンバです.ルンバは結構重いものを運べるので,150㎝のツリーとカメラや機材載せても十分動けます!ルンバは元々ハックされる前提でできているので上のカバーを外すと中にポートが付いてます.これをArduinoのシリアル通信で制御します!

2. 人の検知
ツリーの真ん中らへんにIntelのRealSenseというDepthの取れるカメラが付いています.これはRaspberryPiと接続されておりPythonで制御します.このラズパイはルンバのArduinoとも繋がっていて,DeepLearningにより人を認識したりしなかったりすると,その条件に応じてコマンドを送信します.

これにより人がいない時にはウロウロしながら掃除をし,人を見つけるとゆっくりと近づき特定の距離まで行くと止まる,というような処理を行います!

3. 写真撮影
ツリーの帽子の下にもう1つのカメラが付いています.GoogleのAIY visionでこれもDeepLearningで人の顔を認識します.こちらのカメラは表情も認識し,カメラに映った人が全員笑顔ならシャッターを切る仕組みになっています.

4. アップロード
撮った写真は自動でFirebaseのデータベースへ格納してくれます.送信時にはツリーに取り付けたLEDがカラフルになります.

5.アルバムへ
最後にWeb上のアルバムへの反映です.こちらはシンプルなWebアプリケーションで,Firebaseのデータベースに格納された画像を取ってきてオシャレに表示してくれるというもの(編集機能も付いてます).

全体像としてはこんな感じ.

撮影用のカメラはセルカ棒に付けることによりセルフィ仕様にも変更できます.

色々てんこ盛りにしてますがこれでもだいぶ絞った方で,24時間という制約の中でだいぶギリギリの実装になりました.DeepLearningに関してはカメラについてた既存のモデルを使っていて,さすがに24時間で学習させる時間はなかった.

特に大変だったのはラズパイ->Arduino->ルンバ間の通信.全然うまくいかなくて本当辛かったー!もう1つはDeepLearningをラズパイです走らせるのに度々落ちる問題.電力の問題だと思うけど,これにも悩まされた!

プレゼンテーション
完成したのはギリ24時間だったので,終わって速攻プレゼン.Hack IDが12番でこれはそのままプレゼンの順番のため寝る間もなく会場へ.ここまで詰め込んだ内容を90秒という短い持ち時間で紹介します.ちなみに全79チームでおよそ500人弱の参加者がいます.

これはプレゼン直前の詰めの光景.24時間の成果をたったの90秒で締めくくらなければいけないので何より見せ方が大事!なのでそれを話し合っています!

これは去年の発表会場の様子.今回のはギリギリすぎて撮り忘れてしまった笑
ニコニコ動画とYouTubeでの生配信があるので少し緊張します!(特にニコニコはコメントが画面に出るのでなおさら・・・)

展示
プレゼンテーションが終わるとすぐに自分たちのブースに戻り展示の準備.24時間のハッカソンとかいって実質30時間くらい寝ずに動いている・・・

そりゃこうなりますよね笑

2時間ほど空きがあるので,休んで,散らかしたものを片付けていよいよ展示!ここからは一般のお客さんも来るのでプレゼンで伝えきれなかったこともじっくり話せる.

結果発表
残念ながら入賞は果たせませんでしたが,どの作品も素敵なものばかり.悔しいけど,今回はチームでモノづくりができたので良しとします.自分たちが作るだけではなくて展示での他のチームとの交流は,お互いに技術や作品の話ができてとても貴重な体験でした.

去年参加した時にも思ったけれど,チームでのモノづくりって楽しい.

普段モノづくりというと研究か自分の興味に関することが多いのでどうしても自分のできることや,定めたこと,興味の範囲に寄ってく傾向があります.

その点,チームだと普段出さないアイディアや,使わない技術,作らないものに果敢に挑戦していけるし,1人でやるより勇気が出るので本当にワクワクする.
またこういった機会があればチームでのモノづくり続けていきたいと思います!

まとめ
Hackday2018のレポートでした.作ったものやその仕組み,様子などを振り返りしてみました!とにかくチームでのモノづくりは楽しく,80近いチームの作品が見られ,テクノロジーのお祭りにふさわしい盛り上がりでした!


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