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「間違い」のない、あみものの世界へ

毛糸屋をやっていると
「ものすごく編める人」
「毛糸への飽くなき探究心がある人」
という風に思われがちだけど、わたしはちょっと違う。

毛糸への愛はあるけど、ほっとんど編みません。
いや、編むけど、ほっとんど形にしていません。
想像と全然違ってすみません。

わたしのあみものは「没頭」です。

もちろん、日々毛糸に囲まれているし、普通以下には編みます。
試しに編んだりもします。
でも、きっと毛糸屋界隈の編める人々にとっては編めないも同然の扱いです。

ずっと編まないことを後ろめたく感じていたけど、今日はなんだか目の前がすっと晴れたようなそんな気分。



三連休の最後の日、わたしは毛糸のトークセッションに行きました。

最近よくお話をしている横山起也さんのあみもの夜話です。

編みキノコ会議、横山さんの作品

浅草橋にある「世界各地から集めた毛糸のお店」keitoさん
お昼間営業時間中に何度かお邪魔したことはあるけれども、夜の雰囲気がまたすごくよくて、本当にうっとりしてしまった。


作品を「編みましょう」ってワークは多いけど、
編みもののワークショップってなかなかトークは少ない。

今回はその、希少なトークセッション。

ゲストは手紡ぎ毛糸作家のソウマノリコさん。

お話を聞きながら彼女の糸を紡ぐ姿にしばしうっとりする。

わたしは手紡ぎの存在は知っていたけど、こんなに美しいものとは思わなかったのです…

夜のうっすらとした明かりの中で糸が紡げたらどんなにいいかなぁ…



よくわたしが「なんで毛糸屋になったの?」って聞かれるように、彼女もきっと何度となく聞かれているだろう質問。

どうして編みもの作家じゃなくて糸の作家になったのか…

たまたまです・・・

もともとアパレルで仕事をしていたソウマさんはいろんな糸や生地を扱っているうちに
「こんなよい糸が、こんなかわいそうな扱いを受けているのか…」
という大量生産、大量消費の世の中の流れに矛盾や違和感を感じていたという。

自分が矛盾を感じながら仕事をするうちはよかったけれど、それを指示する立場に立ったときどうしてもそれができなくなってしまったという。

そこから、初めはストレス解消や違和感への反動として糸を紡ぎ始めたのだそう。

もちろん「ちゃんとした」手編みの先生にも編みものを習ったんですが、没頭はできなかった。きっと紡ぐ人と編む人は使っている脳の場所が違うのだと思います…

日本はこの「ちゃんとした」がくせものだ。
「ちゃんとした編み物」ってなんだろう?

紡いだ糸が「何号で編みますか?」て聞かれてもわからないの。
ゆるゆるに編むのが好きな人もいるし、その人の好きでいいと思うの…

だれが正解を決めたのか・・・「ご参考までに」がいつの間にか
「正解はコレだけ!」になっている気がしてきた。

間違えてもそのまま編み進めてしまうわたしは、きっと編みものの先生のやり方とちょっと違っていた、それだけです。

日本の編み物って、ちゃんとした編み図や答えがきちんとあって、それにそぐわないものは「間違い」とされがちだけど、本当はそうじゃない。

ちょっと編み目間違えたって、後でつじつまあわすことしたってもしかしたらいいのかもしれない。

きちんとやり遂げたいひとは編み直せばいいし、
理系の頭をもっていてきちんと編める人はもちろんきっちり編んだらいいと思う。もちろんそれも素敵。どっちもあっていい。
そのままでいいひとはそのまま進んじゃってもいいんじゃないかな…

既製品じゃない、自分で作れるってそういうことだ。

少なくともわたしはそういう自由な編み物がしたい。


「全然編めないんですけど、いいですか?」ってよくワークショップへの参加を迷っている人に言われるけど、

わたしのワークショップについては自信をもって「もちろんです!」って言っています。


ソウマノリコさんは
「糸をそんなに紡いでどうするの?って聞かれます」
という。

彼女は紡いだ糸を抜け殻だと言います。

自分が糸を紡いでいる時間がとても大事で、大好きで、その時間を味わうために糸を紡ぐ。

編んでいる時間が好きで、編んだものは抜け殻。
編み物もそれでもいいんじゃないかな。





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Katy

『毛糸、手編みの世界観を変える』毛糸屋です。目指すは「オシャレな毛糸屋」/ Mayds Inc. 代表 / online shop ”knit me!”。まだ編んだことない人にオシャレな手編みの世界を。ワークショップのこと。子どものこと、#Nサロン など。 福岡県産。

毛糸屋さんへのみち

できるのか?!おしゃれな輸入毛糸屋オープンへの道(長くなりそう…)
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