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【イベントレポ】美味しい香りの思考法〜ノンアルコールはどう作るのか〜

ハーブ、フルーツ、スパイスを組み合わせてノンアルコールドリンクを作る。

おしゃれな写真と文言に惹かれて今日も行ってきました。

きっと参加者全員「イベントレポマジ、ムズカシイデス」と思っていると思う。わたしは久しぶりに難しいデス。そもそも参加した方はレポート書こうと思ってないかもしれない。。。。

このイベントはスライドも講義もない、体験型、体感型ワークショップだった!!!

主催の田村浩二さん

Food Expander/料理人株式会社Mr.CHEESECAKE代表取締役dot science株式会社取締役料理人として13年レストラン業界で働く。
シェフとして働いた2年間で、世界のベストレストラン50のDiscovery seriesアジア部門選出、ゴーエミヨジャポン2018期待の若手シェフ賞受賞。
香りをテーマに様々なプロダクトを開発。
Mr.CHEESECAKE等、複数の事業を手掛ける事業家、経営者としても多方面に活躍。インフルエンサーとしての一面もあり、ツイッターのフォロワーは2万人を超える。

今日のドリンク

まずは3種類のドリンクをブラインドでテイスティングします。(目をつぶったわけじゃなくって、前インフォなしで飲む。)


#1  ちょっとオレンジ色め

#2  綺麗なピンク

#3  ロゼみたいな赤

順番に何が入っているか、じっくり考えた後、答え合わせをしていきました。

#1
グレープフルーツ
レッドローズ

#2
ラベンダー
ヒノキ
山椒
レモングラス

#3
ハイビスカス
スギ
ミント
ローズマリー
オレンジ
ブルーベリー(フリーズドライ)
黒こしょう
ジュニパーベリー

わたしの味覚はどうなっちゃってるんだ、飲んだことあるような、香りをかいだことがあるような気がするのに、ほぼ1種類ずつしかわからなかった・・・

田村さんによると人には「好みの香りと苦手な香り」があるらしく、先に好みを感じやすいか、先に苦手を感じやすいか、は人によって違うそう。わたしは一体どっちだ?

たとえば、#2はラベンダーとヒノキが入っているけど、ラベンダーを強く感じる人とヒノキを強く感じる人と人によって違うのだそう。わたしはもろ、ヒノキを感じて「木!!!!」を前面に感じました。木飲んでる!と思いました・・・木って飲めるのね。



全く知らない単語だったんですけど、ノンアルコールドリンクをモクテルと言うらしいです。

※ “MOCKTAILS(モクテル)”って、「モクテル」似せた、真似たという意味の「mock(モック)」と(モックアップとか言いますね)「cocktail(カクテル)」を組み合わせた造語だそうです。ノンアルコールカクテルの新しい呼び方

さて、そのモクテルとか発酵ドリンクとかはフレッシュな素材を用いて作ることが多いそうですが、田村さんのノンアルコールドリンクは全く違いました。

田村さんのノンアルコールドリンクがどんなだったかというと、
かなり見にくくなっちゃったけど・・・ちょいとワークショップ中に書いたメモをご覧ください。↓

①まず、沸騰したお湯にハーブ、フルーツ、スパイスを入れてすぐに火を止める。(お砂糖、クエン酸を加えているそうです)

②香りを逃がさないようにラップをする。

③あら熱が取れたら冷蔵庫に入れて2晩。

どのドリンクも渋みもえぐみも感じなかったのはゆっくりと時間をかけて抽出しているからなのでしょう。

渋みもえぐみもなかったけど、#3なんかは、スパイスを入れているだけあって、きちんとボトムにスパイシーさがかすかーにやってくる。さすが。

(ちなみにスパイスはホールで使うそうです。二晩寝かせるのでパウダー状やすりつぶしたものを使うと渋みや苦みが先に出てしまうのだそう・・・なるほど。)

それから田村さんはご自分で作るノンアルコールドリンクは「後から足さない」のだそう。なんとなくシュワッとしたものでごまかしたくなるわたし、でも炭酸を足してしまうと「CO2の味がしてしまう」のだそうです。


おいしくないデトックスウォーター、なんとかできないかな・・・

きっかけは、4,5年前に流行ったデトックスウォーター。スライスしたキュウリやフルーツが水につかっている映える飲み物。
田村さんは「おいしくないな、なんとかできないかな」と思ったそうで・・・

そのときにちょうどレストランでグレープフルーツを使った料理を提供することが多かったんです。グレープフルーツの皮が大量に出てしまって、、、お店にはお皿を温めるディッシュウォーマーがあって、グレープフルーツの皮を入れて乾燥させてみたんです。

タイミングとちょっとした発想でこんなノンアルコールが生まれることになるとは。。。

そんな田村さんは作業工程は料理もドリンクも同じだといいます。
どう調理するか、ドリンクを作るかは陳腐にならないためにもロジックになりすぎないことだといいます。ドリンクは・・・

まず、メーンになる香り(モノ)ひとつを選ぶ。
(ひたすら嗅いで、さらに成分を調べる。理論的に合うモノも考える)

それに合いそうなモノを2つ選ぶ。

 そこからさらに2つ選ぶ。

 複雑味を足すためにさらに足す・・・

えぐみは甘みを加えることでうまみに変えることができる、さらにアスコルビン酸のような酸味を加えたり、加えるハーブによって苦みを計算しているといいます。酸味、甘味、塩味のバランスを成分や嗅覚から選んでいるのです。

人間が感じられると調べられている味覚はごくわずか、まだまだわかっていないものがたくさんある、人間の可能性を感じるためにも感覚で戦う。

これはやはり、相当な経験からくるもので、田村さんの生まれ持った、もしくは成長過程で身につけた「感覚」だけではないなと感じました。
その感覚を磨いてきたのは圧倒的な努力です。すらすらっと成分名が出てくるあたりからも相当勉強されてきたのがわかります。

そして話題はフードとドリンクのペアリングへ

日本人は口内調味ができるんです。

日本人は「口の中で塩分濃度を調節できる」。

たしかに、学校では三角食べとか言われたし、ごはんのお供、とかいいながら違う種類の食べ物をいっぺんに口の中に入れる。味が濃いなと思ったらさらに白米を多めに口の中に入れてもぐもぐする。
田村さんは基本的にフードとドリンクのペアリングはフードが口の中にある状態で考えると言います。そして、

ドリンクを飲んだ後に食べた一口の味が明らかに変わるとき

これがペアリングなんだそうです。

さらにドリンクだけではなくて、たとえばカットしたレモンの皮をどういうサイズでどんなふうに料理に当て込むか、噛んでいる途中にヒットする要素をどう設計するのか、ということにも気を配っているといいます。

味わいや後味が立体的で網目状に広がった状態

と表現していました。なかなか味覚や感覚を言語化する人は少ないそうで、田村さんは言語化することによって再現性が高まるといいます。

プロの技量と経験をしっかりと味わう贅沢な時間でした。

今回はとってもレポートにするのが難しかった、わたしは田村さんのこの言葉が一番心に刺さりました。

口の中に何がどのくらい入ってどう変わっていくのか、何をどう感じるのか、いろんなモノを食べてどう変化するのか・・・毎日3食食べるとして年間1000食人はものを食べるんです。何も感じようとせず1日3の倍数ずつ差がついていると思ったらけっこう大きい。

何にも考えず、ただ空腹を満たすだけの食事もたくさんしている・・・のどが渇いたら適当に飲んでいるし、アルコールを飲み始めたら止まらない(笑)
大事に自分の感覚を扱っていなかったかも知れない。

心の動きとか気持ちの変化とかそういうことばかり重要視してきたから、もしかしたら嗅覚、触覚、視覚がどんどん鈍っているかもしれない、
知らないうちに鈍くなってしまった感覚を食を通してちょっと大事に考えてみようかな・・・と考えさせられてしまったノンアルコールドリンクのワークショップでした。

そして今回田村さんのお話を伺って、こんな考え抜かれた食事をしたい、と思ってしまったのでした。(その前に小食なんとかしよ)




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