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日本に新たなミュージカルが誕生した【ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレートコメット・オブ・1812】


待ちに待った日本初ブロードウェイミュージカル
池袋の東京芸術劇場で上演中の

『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』

を観劇しました!

『グレートコメット』は、

オフ・ブロードウェイで上演されたものがブロードウェイに進出、さらにはトニー賞で最多12部門でノミネートされた作品で、世界10大小説のうちのロシア文学『戦争と平和』の一部を題材にした作品。

原作を読みきろうとするとかなり根気のいるし内容も難しいと思うけれど、ミュージカルを初見で観てもとっつきにくさは感じませんでした。

そして原作をリスペクトした形で世界観を崩さず全編台詞を歌にして作られています。


日本であって日本ではないイマーシブ空間


ブロードウェイで上演しているとはいえ、日本で上演されないと知らない作品も多く、グレコメもそのひとつでした。

今を時めくスターが主演を務め、トニー賞ノミネート作品であって音楽や雰囲気が好みのもの。そしてイマーシブシアターという日本ではあまり聞き馴染みのない観客型のミュージカル。

なんだかよくわからないけど、めっちゃ気になる・・・!


そう。

ある程度情報が与えられても、実際に足を運んで観ないとわからないのがミュージカル。とくにグレコメに関しては“実際に足を運ばないと”本当の魅力がわからないかもしれません。


コメットシートはまさに体験して初めてわかる異空間でした。


あのコメットシートの没入感は時を忘れ、ここが日本であることを忘れます。


また演出や音楽などもお洒落かつ情緒的で複雑。

登場人物が各々の人生を歩み、人と人との関わり合いの中で人間らしく感情に振り回されたり心のままに生きたりする姿や、それを取り巻く衣装・美術、彩る音楽やダンスなど、とにかく要素を詰めこんでいるんです。

それでもうるさくなく美しく魅惑的に物語が映るのは、超大作と言われるレフ・トロストイの『戦争と平和』のほんの一部分に焦点を置いて作られたものであり、台詞や仕草の細部などの表現に想像をかき立てられるからだと感じます。

(ミュージカル・グレートコメットは全6巻ある原作『戦争と平和』の第2巻第5部のうちの70ページ分の出来事)



ざっくりストーリー紹介(まあまあなネタバレ)

19世紀初期モスクワ。日々に鬱々とした気持ちを持つ冴えない主人公ピエール(井上芳雄)は愛のない結婚に虚しく思い自堕落を送っている。さらには妻エレンが不倫していることが発覚。不倫相手に決闘を挑み勝つも、ピエールはますます気持ちを曇らせていく。

一方、ヒロインのナターシャ(生田絵梨花)は婚約者アンドレイと1年間離れて暮らすこととなり寂しく思っていた。婚約者一家との関係も良くないままアンドレイを待っている日々。しかしある日、美しきアナトールと出逢う。お互いに許されぬ恋に落ちた2人は駆け落ち計画を決行するが、失敗。ナターシャはアンドレイとの婚約も解消されすべてを失ってしまうのだった。

 虚しく生きるピエールと心身ともにボロボロになったナターシャ。
そんな2人の運命はやがて重なる。
ピエールの生きる意味、恋に翻弄されたナターシャの行く末は・・・?

ここからはピエールとナターシャのそれぞれで起こった出来事をより詳しめに書いています。


ストーリー(がっつりネタバレ&要所で解釈あり)

ナターシャside
<1幕>
伯爵令嬢である若く美しいナターシャ(生田絵梨花)は、婚約相手アンドレイ(武田真治)との結婚を彼の父・ボルコンスキー老公爵(武田真治・2役)から告げられた条件「1年間お互い離れて過ごしても気持ちが変わらなければ婚約を許可する」のために別々での生活を強いられることとなります。

しばらく婚約者と離れ過ごしていたナターシャ。従姉妹で親友であるソーニャ(松原凛子)や名付け親であるマーリャ D.(原田薫)と過ごすも、ボルコンスキー一家との関係を良くなく寂しい日々を送っていました。

しかしある日、美しく魅惑的なアトナール(小西遼生)と出会ったことで生活が色濃く変わります。彼女とアトナールはお互いに一目惚れをして、ナターシャには婚約相手が、アナトールには妻がいるのにも関わらず駆け落ちの計画を立てるのでした。
しかし駆け落ちは失敗。アンドレイとの婚約も破談になってしまいます。

自暴自棄になったナターシャは自殺を図り、解毒剤を飲んで命は助かったものの心身ともにボロボロの状態に。

<2幕>
そんな中、憔悴しきりすべてを失ったナターシャの前に現れたのがピエールでした。


ピエールside
<1幕>
貴族の父を亡くし、莫大な資産を手にしたピエール(井上芳雄)は、資産目当てで結婚した妻・エレン(霧矢大夢)との愛のない結婚生活に活路を見出せず、ワイン片手に思いふけっているか本を読んでいるかマトリョーシカを並べているか、時間を経つのをただ待つだけの日々を送っています。

しかしあるとき、エレンが不倫をしていることが発覚。侮辱された思いを晴らすかのように不倫相手のドロホフ(水田航生)に決闘を挑みます。結果、運良く拳銃の弾が当たり勝ちますが、好きでもない妻をめぐって命をかけることだったのかと、ますます虚しくなるピエール。またエレンへの嫌悪感は増すばかり。

<2幕>

そんなピエールに、古き友人でありナターシャの名付け親でもあるマーリャ(原田薫)から「憔悴しきった彼女を助けてほしい」と頼まれます。

こうして昔から知っているナターシャと出会ったピエールはしだいに彼女の姿に惹かれ、鬱々した気持ちがなくなっていく気配を感じます。(ニュアンス)

そして思わず「もしも自分が自由の身なら、あなたへの愛を請うだろう」(ニュアンス)とナターシャへ語りかける。告白にも似た言葉を口にしたあと、ピエールが目にしたのは大彗星・グレートコメット。

世界の終わりを告げるとも言われる彗星ですが、このときのピエールにはそれが絶望的なものとは思えず、むしろナターシャと出会ったことによる前向きな光に見えていたのでした。(解釈)


魅力1.コメットシートなる神を越えた昇天席での観劇

兎にも角にもまずはこの話をしなくちゃなりません。


日本では見たことない景色・・・!

150人弱がステージ内に埋め込まれた客席で舞台を観ることができるのがコメットシート。

わたしは運良くチケットが当たり、ちょうどXCブロックのアナトールターゲットゾーン(アナトールが接近してくる)で観ることができました。

席につく前、劇場ホールの扉を開いた瞬間から景色がいつもの東京芸術劇場とは違って奥行きが帝劇並。いや、稽古場が体育館のような広い場所でされていたそうだからそれ以上かもしれません。

コメットシートはキャストと超至近距離になることが多いので、防犯ために金属探知機ありの持ち物検査をして席につきます。

席にはテーブルが用意されているので提供されたワインなどのドリンクを飲みながら観劇できるのも他ではなかなか体験できません。でもほぼ劇中は飲む暇なかったけど(笑)

ディナーショーのような形での観劇スタイルは、今回の物語の世界観に合っていて、規則正しく配列された座席よりも丸いテーブルを囲むように席がランダムに配置されていたのが作中のオペラ劇を観劇しているお客さんのひとりになれた気がして、1幕中盤〜終盤では特別気分が上がりました。


魅力2.物語の世界に自分が存在している感覚


客席にキャストが来る演出は珍しくはないけれど、グレコメはうまく物語の要素として取り込んでいると思いました。

開演5分〜10分前からアンサンブルキャストがロシア名物・ピロシキの入った籠を片手に盛り上げてくれる。目が合えばピロシキや劇中で使用するエッグシェイカー(卵型のマラカス)を貰えたり、コール&レスポンスで盛り上げてくれたりする。

開演前に作品の雰囲気を掴んだあとも、随所で踊り出すキャスト陣がめちゃめちゃ近づいてきて、目が合う以外の何物でもない熱い視線に周りが見えなくなることもしばしば。

いつも以上にお洒落してきて良かった〜!


またキャストの方々は間近で見ても、どこから見ても、役としてステージで生きているとしか思えなかったのもすごかった。

ピエールは終始自信なさげで、あの大スター井上芳雄だとわかっていても、「井上・・・さん・・・?」と首をかしげる冴えなさ!

対してアナトールのかっこよさ!アナトールが前を通るたびにみんなの目が勝手に彼を追ってしまう。

360度見られていて気の抜けない2時間半。

一瞬でも隙を見せてしまったら誰かにバレてしまう可能性が高い状況で、世界観を壊す隙を見せずにやり切るキャストや演奏者、スタッフさんの力量に感動しました。

コメットシートだと中央ステージ(花道)沿いにある客席のテーブルにショットグラスやらワイングラスやらが置いてあって、キャストがそれをとって宴を楽しむ様子を演じていたり、ピエールが酒に明け暮れているシーンではピエールと乾杯できたりする。

まるで一緒に宴を楽しんでいるよう。思わずこっちまで演技したほうがいいですか?と応えたくなる没入感です。(しかし素人に咄嗟の技術はないので大体テンパる。キャスト陣の振りに対応できている人すごい。)

オペラ劇では1階席にキャスト用であらかじめ用意してあった席に座って一緒にオペラを鑑賞できる。

2階席にも、演出のひとつとして手紙を渡してくれたりする。


どの場所でもここがグレコメの世界だと言わんばかりに夢中にさせてくれます。


魅力3.愛着のわく個性的な登場人物


公式サイトより引用)

こちらをご覧ください。

人間関係が面白いほど絡み合っている。

ピエールとナターシャは一見なんの繋がりもないと思いきや、ナターシャの婚約者はピエールの親友で、ピエールの旧友はナターシャの生みの親。
ナターシャが一目惚れしたアナトールはピエールの妻であるエレンだし、エレンの不倫相手ドロホフはアナトールの友人・・・?

各々繋がりすぎじゃないか!

ほぼ身内間での恋のもつれに見えてしまわないでもない。


観劇する際はだいたいの人物相関図と人物像を把握してからのほうがスムーズかもしれません。

入場のときに相関図と登場人物の簡単な紹介が書かれた紙が配られていたので、観劇予定の方はそちらをご覧になるほうが良さそうです。


そんな蓋を開ければ意外と遠からずな関係の物語中心人物たちは、自己中心的であったりどこか偏った性格を持っていたりするんだけど、個性的でそれぞれの人生を見ていきたくなる面白い人ばかりでした。


今回は個人的に注目の3人だけ感想を。


リッチな変人 結婚は失敗 哀れピエール

ピエールは1幕~2幕中盤までワインに明け暮れあてもなく本を読むだけの日々を送り、内にずっと籠っている主人公。しかしナターシャと出会い、彼女を通して今までになかった感情が芽生えたことで、人生に光が射す。

井上さんは役によって雰囲気が変わるんだけど、どれも井上さんにハマる役だと観終わったあとに感じてしまう方。今回も然り、冴えないオーラと感情のふり幅にしっかり対応していて好きな役柄でした。


とくに物語の中で怒りを覚えてからの爆発が半端ない。

グレコメではその部分が『塵と灰』で表れていて、まさに歌で感情を伝えるミュージカルスターだなと。あんなに1幕で隅っこにいたのに、歌になった途端に観客中の心を奪ってくるんですよ。

そしてわたしがいちばん感動的だったのは、ラストのナターシャとのシーンから大彗星を見上げるシーン。

花道中央に立って大彗星を見上げているときの表情は明らかに今までとは違うピエールの顔。

ステージ前方や後方では他のキャストも同じように見上げていて気になってはいたけれど、客電が降りるそのときまでずっと見入ってしまうほど。

丁度どこよりも近い席でピエールの希望にも似た表情を拝見できたのはとても幸運でした。

また最後では冴えないと思っていたピエールも主人公なんだとわかったし、なにより井上芳雄さんはスターだとわかる出来事が(笑)

カーテンコールで井上さんがセンターに立って挨拶をしているとき、わたしが座っていたコメットシートは丁度その井上さんの真後ろだったんです。

だから井上さんに当たるためのライトがわたしにもこれでもかというくらい当たってて、

(スターって毎日こんなに照らされてるんだ)

と。

ほぼ光で反射してカテコでのキャストの方々が全く見えなかった。間接的にスター気分を味わいましたね。

ナターシャは自由 アンドレイを愛している

ナターシャは婚約者アンドレイを愛しているけれど、1年間離れ離れになってしまった寂しさと心のすき間にアナトールが入ってきて、アナトールまで好きになっちゃう純粋な若い女の子。

若さゆえなのか、かなり恋に振り回されて周りがあまり見えていない印象。

そこが可愛らしさだと思うし、罪悪感を持ちつつもアナトールへの気持ちを無視できない素直さと生田絵梨花さんの華やかな姿とが相まってお嬢様らしさを際立たせていました。

アンドレイとの駆け落ちは失敗し、アナトールとも別れることになって絶望したとはいえ、ヒ素飲んで自殺をしようとするなんてとんでもないお嬢様・・・。その場面での生田さんがまた良いんですよ。あんなに恋多き少女だったのに一変して生気ゼロになってしまう。抜け殻同然のナターシャをそっと支えようとするピエールとのシーンでの生田さんの無垢な表情が良かった。

生田さんは本当にかわいかった。全身がマシュマロみたいにふわふわとしてて可憐で白いドレスが似合いすぎる。正真正銘のお姫様でした。


アナトールはHot 女と酒がすべて

アナトールは快楽主義者。妻がいるのにそのことを隠してナターシャと駆け落ちしようとする。でもかっこいい。でもかっこいい。でもかっこいい。

正直かっこよさしか頭に入ってこなかった!

アナトールがナターシャを誘う曲『ナターシャとアナトール』は彼のキャラクターソングかな?というくらいぴったりです。

そしてアナトールがある場面で登場するとき、コメットシートのお客さん二人の手の甲にキスをしたり頭についた雪を優しく振り払ってあげたりするところのサービス精神・・・!(演出)

1幕中盤で雪(という名のポップコーンの欠片)がわんさか降る場面があってコメットシート中央のお客さんは雪の餌食にされるんだけど、それをアナトールにとってもらえるなんて、そりゃあ恋に落ちても仕方ない。

さらにはキッ・・・キッ・・・。もし予習しないで観ていたらと思うとおそろしいですね。真向かいに座っていたお客さんがターゲットにされていたんだけど絵に描いたような固まり具合。魂抜けてたな、あれは。

そのくらい彼は所作が美しくて、女性に対しての扱いが上手い情熱的な男。ナターシャへの思いはあくまでも偽りではなくて真っ直ぐな恋心だと感じる熱烈なアプローチは見どころです。

そしてなんといってもアナトール演じる小西遼生さんの美しさが常軌を逸してた。一緒に観に行った友達が「2019年は小西遼生の年にする」と言って聞きません。


魅力4.盛りだくさんの音楽がすごい


オープニングの『プロローグ』は、プリンシパルキャストの自己紹介が歌になっていて物語の導入としてふさわしい曲。

昨年の夏に上演した『ナイツテイル』でもどんな物語なのかを伝える歌が最初に歌われてからはじまって、今からお話の世界に連れていってくれる感じがしてすごく好きだったのだけど

グレコメでもそんな導入歌からはじまってくれて、登場人物のイメージを掴んでから見ることが出来ました。

しっとりと聴かせる曲もあれば、歌って踊って楽しむ曲もある。

オペラもあればジャズやポップスもあり、テクノっぽいダンスミュージックもあるし、ロシア民謡もある。


次々と色の変わる音楽に乗せて、キャスト自らが演奏している場面もミュージカルの美味しいところを全部見ている感じがしました。

井上さんはピアノとアコーディオン、小西さんはバイオリン、武田真治さんはサックス。

アンサンブルの方々も楽器演奏しながらいろんな場所を回ってくれてショーみたいな雰囲気もあったし、全体的にお客さんがアクションを起こせる場面があって楽しかったな。

初見で聴いて好きな曲は

『ナターシャとアナトール』『チャーミング』『バラガ』

どれもめちゃくちゃ良かったけど、アナトールらしさ、エレンらしさのある前者2曲と、リズミカルでお客さんもノれる『バラガ』がすごく好きになりました。


魅力5.場所によって印象が変化、2回みたくなる作品


舞台セットも綺麗だと聞いていたグレートコメット。

ラストの『1812年の大彗星』を歌っているときに天井に吊るされたたくさんの電飾が揺らぎながら降りてきてかなり綺麗でした。

でも、これはコメットシートよりも1階席2階席のほうが豪華さや美しさがわかるかもしれないですね。

コメットシートは物語の一部として居させてくれるためにすべての登場人物を追うことが難しい。なぜ目が後ろについていないんだと悔やまれるばかりに視点が固定されすぎて中盤でなんとか慣れるまでは忙しかったです。

それにステージ前方でのお芝居が全部背中しか見えなくて・・・!

アナトールがナターシャを誘うシーンで表情が見えなかったのはかなり惜しかった。あの場面はアナトールが妖しい顔する必見の場面と思っていたので残念。

あと両目で両端は捉えられない問題。

冒頭でアンドレイとナターシャが別れるところピエールが気だるそうに登場するところがステージの端と端で同時進行で演っていて、どう考えても両目で捉えるのは無理でした(涙)

その場面はほとんど無声映画のような台詞なしでスポットライトも最小限での演出だったから、向かい側のお客さんがピエールにしか気づいていない組とアンドレイ&ナターシャしか見えていない組できれいに分かれていたのは少し面白かったけど(笑)

至近距離で観れるコメットシートと全体を俯瞰で観れる通常席。

やはり両方で観たいというのが本音です。

現在チケットは初日明けてすぐに確認したときはどの公演日も若干数残っていたんだけど、今は口コミで広がったのか前売りは完売している状況です。

もし今気になっている方がいたら、立ち見席や運よく当日券が取れればそちらで観ることができるので是非。


わたしはグレートコメットが2019年の観劇初め。
今までにない新しい空間でのミュージカルを観れて良い幕開けになりました!





『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレートコメット・オブ・1812』

音楽・詞・脚本・オーケストレーション:デイブ・マロイ
演出:小林香
原作:レフ・トルストイ(『戦争と平和』より)

出演:井上芳雄 生田絵梨花
   霧矢大夢 小西遼生 松原凛子 水田航生
   はいだしょうこ メイリー・ムー 原田薫 武田真治
   弊社より 大月さゆ

2019年1月5日(土)~27日(日) 東京芸術劇場プレイハウス
上演時間:2時間40分(休憩20分を含む)


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