雨が続いて、バイト先に括られた“合格祈願と化した短冊”がしなしなになり始めた七夕の夜。
雨雲が星を隠した空を見上げて彼女は呟いた。

会えたかな?__と。

宇宙で輝くはずの星を心配する彼女が愛おしくてたまらなくなった。
この日が掴みどころのない彼女の手を掴んだ最初の日となった。

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