西山勲 | Studio Journal Knock

世界のアーティストを訪ねる雑誌〈Studio Journal Knock〉を発行する写…

西山勲 | Studio Journal Knock

世界のアーティストを訪ねる雑誌〈Studio Journal Knock〉を発行する写真家です。7冊目となる新刊〈Ephemeral Paradise〉発売中! http://knockmag.com http://nishiyamaisao.com

マガジン

  • 会いに行きたい芸術家たち

    世界に存在する、凄すぎて、好きすぎて、もう会いに行っちゃいたい!そんな愛すべき芸術家たちを紹介していきます。表現も手法も媒体もさまざまだけど、共通するのは僕らと同じ時代を生きているということ。そう、勇気を出せば実際に会うことだって、アトリエでの創作現場に立ち合える可能性もゼロではない。これってとてもすごいことだと思うんだ。そんな不確かで素晴らしい未来のためのマガジンです。

  • 〈アジア編〉取材記

  • Letter from North Africa

    Studio Journal Knock 新刊に向けた取材の旅。美しい地中海のコーストラインを旅しながら、北アフリカの国々で活動する若いアーティストたちを訪ねます。時間と精神的余力のある時に、旅の様子をお伝えしていこうと思います。instagram(@knock_magazine)もぜひフォローしてみてください。

最近の記事

TRANSIT 63 インドネシア・シンガポール・マレーシア特集号 発売記念トークイベントに登壇します。

今年1月に取材を行ったTRANSIT 63 インドネシア・シンガポール・マレーシア特集号が3月13日にいよいよ発売されます。発売日当日、一緒に旅したフリーライターの岡崎拓実さんとトークイベントに登壇させていただきます。クアラルンプール、ジョグジャカルタ、シンガポールと雨季の東南アジアを旅した10日間。1日に3回Tシャツを着替えながら、経済的にも文化的にも勢いに乗る都市を横断し、かつて日本が体験したであろう高度成長期真っ只中の主役である若者たちのリアルな声を聞いて歩きました。さ

    • 会いに行きたい芸術家たち① | ファン・タオ・グエン(Phan Thao Nguyen)

      会いに行きたい芸術家たち。一人目のアーティストは、ベトナム・ホーチミンを拠点に活動するファン・タオ・グエンにフォーカスしてみたいと思います。僕がこのアーティストに興味を持ったのは、まず何よりも彼女の作る映像作品のルックが好みだったこと。単純かもしれないけれど、ネット上に溢れる数多の作品をざざ〜っと目を通していくなかで、グッと直感的に惹きつけられる感覚を、僕は結構大切にしています。 郷愁を誘う素朴な田園風景、意味深げに梯子を担ぐ子供たち、水の中に寝そべるアオザイ姿の少女、時折

      • 〈アジア編〉香港

        次号のknockはアジア編。取材する地域の範囲や全体的な構成はまだ計画中ですが、香港での取材が迫ってきたので、ここに取材に関する記録を雑にまとめていこうと思います。個人的な手記のようなものですので、特に面白いものではないかもしれませんが、誰かの何かのためになればいいなとも思います。記事は分けず、ここに加筆していくことにします。 香港へ12月6日(金)午前中のフライトで香港へ。少し高かったけど、現地の状況がわからないので夕方着の便にした。深夜着の便は色々とリスクが高い。現地気

        • 写真展 “Ephemeral Paradise”

          ※写真展開催日程に誤りがあったため、当該部分ならびに関連箇所を訂正させて頂いております。 8月15日(木)より、東京・吉祥寺にある書店〈book obscura〉にて「Studio Journal Knock」7冊目となる最新号「Ephemeral Paradise(エフェメラル・パラダイス)」の発売に合わせた、リリース・エキシビションを開催します。 8月18日(日)にはオープニングレセプションを開催いたしますので、皆さまお誘い合わせのうえ是非ご来店下さいませ。 *8月2

        TRANSIT 63 インドネシア・シンガポール・マレーシア特集号 発売記念トークイベントに登壇します。

        マガジン

        • 会いに行きたい芸術家たち
          1本
        • 〈アジア編〉取材記
          1本
        • Letter from North Africa
          8本

        記事

          Studio Visit : LRNCE

          ヒシャム・ベノフードとの取材を終えて、彼のスタジオ近くの適当なレストランでタジンを注文して待っていると、ずっと心待ちにしていたメールが携帯に届きました。 「連絡遅くなってごめん!展示会前で超バタバタしてて。もしタイミング合えば今日これからスタジオに来ません?」 「タイミング最高。割と近くにいるから、タジン食べたら向かいます」 運ばれてきたタジンそっちのけでメールを返信したのは、マラケシュ滞在中に会いたい人候補筆頭だったLaurence Leenaert(ローレンス・リーナー

          Studio Visit : Hela Lamine

          チュニジアの首都チュニスへとやってきました。南部のドゥーズから車で7時間ほどかけて到着したのは、Sidi Bou Said(シディ・ブ・サイッド)というチュニス湾を望む白と青の街。残念ながらサハラ取材の最終日から崩れはじめた天候のおかげで空はどんよりとしていますが、久々に砂と乾きの世界から脱出できたことが嬉しくもあります。荷物をほどくとあちこちから砂がこぼれてくるのが何ともおかしいですが、気持ちを新たにknockの取材の準備に取り掛かります。 明日はチュニス郊外 Mornag

          Studio Visit : Hela Lamine

          砂漠の月

          久しぶりに更新します。マラケシュでの取材を終え、カサブランカの駅で編集者と合流し、約2週間ほどモロッコ南部とチュニジア南部のサハラ砂漠を旅していました。コーディネーター兼通訳として同行してくれたのは東京とパリを拠点に活動する映像作家・ジャーナリストのデコート豊崎アリサさん。アルジェリアの遊牧民族トゥアレグに密着し、サハラ砂漠を4ヶ月かけて横断する塩キャラバンを追ったドキュメンタリー映画『Caravan to the Future』を制作し2017年に東京のUPLINKで公開さ

          Studio Visit : Mo Baala

          مساء الخير(こんばんは)。マラケシュ滞在3日目の今日は、アーティストのMo Baala(モー・バーラ)の邸宅に宿泊しています。モーは自身の過酷な幼少時代に見出した光“彼の言葉では、それは詩であり学びであり存在への疑問でありつまるところアートである。同時にどこまでも深い闇でもある”を手繰るように、哲学的な視点で立体や絵画、コラージュ、詩やインスタレーション、音楽、彼のアティチュードそのものを媒体にして表現する、ひとことでは説明し難いアーティストだと言えます。 今年3

          Studio Visit : Hicham Benohoud

          3月8日の朝、マラケシュ市街地にあるスタジオを訪ねたのは、モロッコを代表するコンテンポラリー・アーティストのひとり、ヒシャム・ベノフード。1968年マラケシュ生まれの彼は、現在はパリ、カサブランカ、マラケシュを拠点に活動しています。ベノフードに関する記事や作品イメージは、北アフリカの現代アートシーンの情報を探っていると本当によく目にするので、いかに彼が発展めざましいモロッコのアートシーンにおいて重要な人物であるのかをうかがい知ることができます。 最初のアポイントを取ってから

          Studio Visit : Hicham Benohoud

          Rabat - Marrakech

          Bonjour! ラバトでの取材が終わり、次の目的地を南部モロッコ大西洋岸の街エッサウィラと計画していたのですが、連絡待ちをしていたエジプト・カイロのアーティストから取材OKの返事をいただいたことで(やった!)、リサーチの時間が必要になりました。レンタカーをキャンセルし、次の取材地であるマラケシュへと予定を繰り上げて向かうことにします。 ラバト・ヴィル駅近くのAVISのオフィスで解約手続きを終え、カサブランカのカサ・ポール駅、カサ・ヴォヤージュ駅で乗り換え、マラケシュ駅まで

          Studio Visit : Khadija El Abyad

          Bonjour! ラバトに来て3日目、今日はアーティストのKhadija El Abyad(カーディジャ・エル・アビヤッド)の取材に行ってきました。これまで使ってたスタジオは雨漏りでダメになり、現在は家族のいるモハメディアと故郷アガディールの実家を行き来しながら作家活動をしているというカーディジャの提案で、インタビューは彼女の仕事場であるアート・レジデンスの一室で行うことになりました。 彼女はモロッコの著名な美術評論家Abdellah Karroumが主催するアーティスト・

          Studio Visit : Khadija El Abyad

          Cafe Atlantique

          Bonjour! 成田からアブダビ経由で23時間、アフリカ大陸に見事上陸。カサブランカから列車を乗り継ぎ、首都ラバトの旧市街の路地に見つけた茶屋Cafe do Atlantique(大西洋喫茶?)で一息ついたところです。テーブルには砂糖のたっぷり溶けたミントティーが置かれ、スーク(市場)は朝のラッシュを終えたのか、しんとした静けさに包まれています。駅からの道すがら片手に小さな絨毯を持った男性たちを多くみたので、お昼のこの時間はモスクで祈りの時間なのかもしれないですね。強烈な太