港谷順-こうたにじゅん-

舞台で劇作や演出、俳優をやってます。Ayuka projectという演劇団体の主宰もし…

港谷順-こうたにじゅん-

舞台で劇作や演出、俳優をやってます。Ayuka projectという演劇団体の主宰もしてます。

最近の記事

ひとりの読者として思うこと

ちょっと最近思ってることについて。 撮影の現場で俳優仲間と話したことなどから自分の思うことなどをつらつら。 立場によって思惑や思考が違うのは当然あると思っています。それがうまく線引きが行われないと思想の対立、つまり戦争が起こるわけで。金銭や組織の大きさ、立場などでパワーバランスが違えば搾取や弾圧などが起こります。 今回の、漫画原作ドラマ化作品について。 ネットに落ちている記事や、Xの流れとかは追っているものの、当事者や編集社、制作会社の本意は分からないので僕の主観とな

    • 「在りし日、学舎」振り返り

      「在りし日、学舎」を書いた経緯については事前にSNSで観劇予定の方へお出ししたお知らせや(下記)当日パンプレット、販売用脚本のあとがきなどで書いているのでここでは別なお話をしたいと思います。 「在りし日、学舎」は未来の戦争を題材にしています。未来と言ってもロボットが戦ったり、ドローン戦争のようなSFではなく、本当に数年後に起きたとしたら、というような戦争です。 ただある程度勉強したとはいえ、戦争有識者が見たら有り得ない戦争描写と言われてしまうでしょう。 2年続いてる戦争が日

      • コ哀の仲間たちへ。

        名探偵コナン 黒鉄の魚影 面白かったー! 江戸川コナン×灰原哀(いわゆるコ哀)が好きなのでたまらん映画でした。コ哀が好きな仲間たちも悶え苦しんだはずだ。そうでしょ?あなた! 名探偵コナンとしては蘭姉ちゃんがメインヒロインとして決定してるんですが、黒の組織関係、つまり物語の大筋としてヒロインに位置するのは灰原さんなんですよね。 秘密を共有するもの。 共に困難を乗り越えていくもの。 どう考えても絆はこっちの方が芽生えるわけで。 もっと蘭姉ちゃんが本筋に絡んで来たら、また話

        • 10本の短編小説を元にした写真展が楽しすぎた

          ただいま渋谷のギャラリールデコで開催されております写真展がありまして。《ココロテン》って言うんですけど。 この写真展は俳優でモデルの竹内心さんを被写体にしているんですが、10人のカメラマンがそれぞれの短編小説を元にそれぞれのイメージで写真を撮った写真展になってるんです。 これが本当にカメラマンさんの味が出ていて。 僕は作家として3作書かせていただいていたのですが、その3作品とも全く違う切り取り方をしていただいてるですよ。 写真に対して全く造詣が深くない僕なのですが、まず

        ひとりの読者として思うこと

          双子の兄妹

          本日一人芝居『双子の兄妹』の初日を迎えたので。 ご観劇いただけた方、ありがとうございます。 「双子の兄妹」は2016年頃に書いた作品です。 7年の歳月を経て、上演することが出来ました。 以下、ネタバレがあるので上演をご覧になるぞと言う方はお気をつけて。 僕には「きょうだいの劣等感」というものがあります。血の繋がった、身近な存在だからこそ感じる差異。 兄姉に出来て弟妹は出来ない、 もしくは弟妹は出来るのに兄姉は出来ない。 血が繋がっているとはいえ、 別の人間なのだから出

          演劇WS開催のお知らせ

          Ayuka projectは2023年9月に上演予定の作品「在りし日、学舎」のオーディションを兼ねたワークショップを行います。本公演は2023年度池袋演劇祭に参加予定です。 今回のワークショップは台本分析(座学)と身体表現の発見を焦点にしたものになります。 【日時】 ①2023年 1月11日 12時から16時 1月14日 12時から16時 ②2023年 1月11日 17時から21時 1月14日 17時から21時 *11日は両方とも1日目のワーク、14日は両方とも2日目のワ

          演劇WS開催のお知らせ

          終.

          短篇終集、無事に終演しました。 終わるということにかねてから美しさと恐ろしさと、何か分からないもの、といったことを感じておりまして、ここいらでひとつ終わりを味わってみようと思い書いてみました。 無事に公演を終え、またひとつ終わりを体験した上で思うことをつらつらと。 「最後の仕事」は僕の盟友土井克馬くんに書いていただきました。彼とはよく芝居以外のことも話すのですが最終的に芝居の話に結びつけて話してしまいます。 そしておそらく今回は「人に何かを与える」ということがテーマでし

          短篇家集収録作品「湯を沸かすような」

          今年の4月末に公演しました Ayuka Project#1.5 『短篇家集』 そのうちの一作で 結婚3年目の夫婦を描いた短篇 「湯を沸かすような」 を期間限定で公開することにしました。 セリフの量を調整したら映像作品としても面白い作品になるだろうなと思っております。 20分程の作品なので読みやすく、綺麗にまとまっている作品でもありますのでもし良かったら読んでみてください。 こちらを読んで面白かったなぁと思ってくださいましたら10月19日から23日に"終わりを集めた短編集

          短篇家集収録作品「湯を沸かすような」

          とある仕事の振り返り

          ひとつの仕事が途中で終わりました。 いわゆる打ち切りということで。 コンテンツをバズらせる、ということを目標に置くと結果を明確に出さないといけませんから難しいですね。 今回は公に出る仕事ではなかったので名前は出さないで振り返っていこうかなと。 とある企業のPRアニメーションの脚本の仕事でして、僕とディレクターとデザイナーと3人でスタートしたのが5月頃で、音声吹き込む前に1分〜1分30秒程のものを10本弱書いたのかな。 その中でキャラデザが出て、この頃はとてもワクワクして

          とある仕事の振り返り

          蝶々結び

          8月14日、つまり明日には千秋楽を迎えるということで。本当にいろんなことに気を付けて来たのだろうことが分かるので、本当におめでとうございます。 また、蝶々結びを舞台という形にしていただきありがとうございます。観劇させていただきましたがとても素敵な舞台でした。 今回は脚本のみの関わりだったので、主に本の振り返りになります。 蝶々結びのテーマは「自分と外の世界の繋がり」でした。 コロナ禍に突入して、役者としての仕事が失われていった5月に書き上げたので、そのタイミングもあっての

          短篇家集

          2年ぶりの公演「短篇家集」が無事に終わり1週間経ちました。健康に気を使っているおかげで普段だったら結構な頻度で起きる揺り戻しのような体調不良には今回はなっておりません。体に気を使うことって大切ですね。 前回は少しナーバスな話をしてしまったのですが、そこも万が一に備える為に仕方なかったことだったかと思います。それほどこの2年間に起きた事が大きかったのです。 さてさて。 僕の中では恒例になりつつある舞台の創作裏話です。 販売してる脚本の後書きに普段書いているようなことなのです

          2年越し

          明日が千秋楽なのですが、 ちょっと先に振り返って置こうかと。 いやーーー。本当に。ここに辿り着くまでに一体どれだけの山があったことか。 何度挫けそうになったか。もうどうやっても公演は打てないものかと思ったことか。 PCR検査が怖すぎて、皆の結果を聞いて陽性でしたと言われても絶対にその人が辛い思いをしないように何て声掛けようかとか、自分が陽性反応出てしまったら何てみんなの背中を押してフェードアウトしたらいいかとか、全て「もし陽性者が出たら」を前提にしてしまっていて。 予防や

          1年ぶりです

          お久しぶりです。 公演中止から一年経ちましたね。 あっという間でした。 借金はしなかったものの、リスクなどを考えるとなかなか動き出せず、やっとこさ小さく一歩を歩もうと思い立ちました。 近々、そのお話もこちらで書けたら。 近況報告というより、芝居事で思うことや考えがある時は日記ではなくこちらに、という思いが働き、1年ぶりにやってきました。そうそう、日記を昨年から書き出したのです。日々思うことをまとめとこうと。すぐ忘れるので。 今日、所属事務所で監督を呼んだWSがありまし

          珠玉の稽古場

          公演中止に後悔はないです。 全くないとは言い切れないものの、総体的に、全てをひっくるめて、後悔はあるかないかと問われたら後悔はないです。 「幕が開く」というのがゴールだとすると、志半ばで諦めざるを得なかったので非常に悔しい。けれど、「幕が開く」というのがある意味のスタートだとすると、稽古場は実験場としてスタートし成果を上げ、ゴールをしていました。実験としてはおそらく成功していました。あとはプルスウルトラ。もっと先を見据えていましたし、そして新たなスタートとして作品を見ても

          2020年を振り返り。

          振り返ってみたいと思います。 1月。 演技講師の仕事2本。 演出はすれど、講師としての立場は初めてで。 何かを教える、というより 「こういう時、あなたはどういう風に感じるか」 というのを探る共同研究を行った気分でした。 幸せな時間でした。 この時に「 イリヤとロイ」を題材にしていたのですが、この作品をちゃんと世に出したいな、と決意しました。 2月。 りらっくす稽古。 3月の舞台稽古でした。 新しく出会った仲間や、再会した仲間。 やっと共演出来るね!なんて話しもしたりして…

          2020年を振り返り。

          知らない土地の、知らないカフェは、誰かの知ってる憩いの場で。

          先日先輩と旅に出ました。 一度も行ったことのなかった、岐阜の飛騨高山、そして下呂。 その中で一番色濃く思い出として残ったのは 飛騨の山々や下呂の温泉ではなく、 下呂の町にあった小さなカフェでした。 お店でご飯は食べようと思っていたため、旅館を素泊まりにして朝食を食べれる場所を探して町を歩き回ろうとしていたのですがいやはや。 下呂にはドトールやタリーズなどのチェーンのお茶屋はなく、大抵の観光客は旅館のモーニングバイキングなどにいくためなのか、町のカフェでもモーニングをや

          知らない土地の、知らないカフェは、誰かの知ってる憩いの場で。