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2019夏 甲子園出場選手882人の傾向と体格【全49校882選手データDL付】

※無料公開範囲を拡大しました(2020/07/05)

夏の甲子園に出場している全49校882人の身長・体重のデータを中心にその傾向と体格を調べました。今大会は優勝候補の一角とされた東海大相模、智弁和歌山が準々決勝を前にいずれも強豪の中京学院大中京、星稜に敗れましたが、今大会は前評判の高かった実力校・人気校が概ね順当に勝ち上がってきた印象。各校の選手にはどのような傾向があるのか、決勝戦までの観戦がちょっと楽しくなりそうなデータです。

2019夏甲子園 準々決勝 進出チーム

第1試合:明石商(兵庫) VS 八戸学院光星(青森)
第2試合:中京学院大中京(岐阜) VS 作新学院(栃木)
第3試合:星稜(石川) VS 仙台育英(宮城)
第4試合:履正社(大阪) VS 関東一(東東京)

今回は、各校出場選手の公表データ(身長・体重等)から、傾向と体格を分析してみます。総論としては、全体的に思ったより「身長が低くて体重が重い(=BMIが高い)」という印象を受けました。

出場全882選手(出場49校×ベンチ入り18名)及びU18候補選手の傾向と体格

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個人的には甲子園出場選手の平均は「175センチ超・70キロ弱」程度だと予想していましたので、想定よりは身長が低く、ガッチリしてるという結果になりました。一般の高校生に比べると、やはり体格は良く、U18候補選手になるとさらに体が大きいことが分かります。

また、最も身長の高い選手は中京学院大中京の赤塚選手(背番号18)で193センチ(103キロ)、最も身長の低い選手は広島商業の北田選手(背番号4)で155センチ(50キロ)ですので、最重量選手と最軽量選手の体重差は2倍です。155センチの北田選手が名門広島商業でレギュラーになっていることが凄いです。

高校生男子平均より身長の低いチームが4校

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「H30学校保健統計」によれば、高校3年生(17歳)の平均身長は170.6センチ(62.4キロ)ですが、これより平均身長の低い甲子園出場校が4校ありました。その内2校は初出場の飯山高校と誉高校です。高校3年生の平均体重を下回るチームはありませんでした。一方、最も身長の高い出場校は、平均176.4センチの鶴岡東高校(山形県)でした。

甲子園に出場しているU18候補選手一覧

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日本高野連が今年の4月1日にU18日本代表候補37人を発表しています。(日刊スポーツ 2019/4/1 20:45配信記事)その中には、大船渡高校・佐々木投手など、甲子園に出場できなかった選手も多数含めれています。U18候補37人の内、甲子園に出場できたのが上記表の13人です。

全体的には、出場選手全体平均より大きいですが、165センチ・62キロでU18候補に選出されている高松商業・香川投手が光ります。「甲子園完全ガイド」(ベースボールマガジン社)によれば、香川投手の直球はMAX142キロ。夢がある投手です。

全13人中、7人が準々決勝前に姿を消しており、準々決勝に登場するU18候補選手6人の内、3人が星稜高校の選手です。星稜VS智弁和歌山の試合には、全13人中5人のU18候補が出場しており、試合のレベルの高さを物語っています。また、2年生でU18候補に選出されている2名(明石商・来田選手、星稜・内山選手)はいずれも準々決勝にも勝利し、準決勝まで残っています。

捕手より一塁手のほうがガッチリ体型、左打ちが多いのは二塁手!?


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続いて、ポジション別(背番号別)の分析です。

背番号1(投手)に目を向けると、49人中、2年生エースは4人。31人が右投げで、サウスポーは18人。エースの平均的な体格は、176.8センチ・74.9キロで、意外とガッチリ体型でした。

BMI(≒体格)を見ると、捕手(背番号2、平均BMI 25.10)よりも一塁手(背番号3、平均BMI 25.24)のほうが高いのは少々意外でした。捕手もスピードが求められる時代となり、スリム化しているのかもしれません。

「右打ち」よりも「左打ち」のほうが多いのは、背番号4(二塁手)、背番号8(中堅手)、背番号9(右翼手)の3ポジション。このうち中堅・右翼は「左投げ左打ち」が相当数含まれていますが、二塁手は「右投げ右打ち」24名に対して、「右投げ左打ち」が25名となっており、「最も左打ちの多いポジション」と言えそうです。

その他にもこの表からは様々な発見ができると思います。

まだまだ右打ちが主流か。1年生で甲子園の土を踏むのは38人。


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学年別の選手数(割合)と投げ方・打ち方のシェアを円グラフにまとめました。

一番多いのは想定通り「右投げ右打ち」で全体の58.4%。イチロー・松井・大谷翔平と同じ「右投げ左打ち」は全体の28.1%で、「右投げ右打ち」の半分しかいないというのは少々意外。筆者自身が「右投げ左打ち」だったので、バイアスがかかってしまったのかもしれない。「右投げ両打ち」は4人のみ。「左投げ右打ち」という珍しいパターンが3人います。その内、2人は投手(山梨学院と立命館宇治のエース)、残り1人は高松商業の背番号18、2年生の松田選手。

2019夏 甲子園 ベスト8各校の選手データ


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第1試合(明石商業VS八戸学院光星)

8校中唯一ALL3年生で挑む八戸学院光星。投げ方・打ち方のバランスに大きな違いはなく、体格もほぼ互角。

第2試合(中京学院大中京VS作新学院)

学年、投げ方・打ち方、体格とも拮抗しています。中京学院大中京の一年生に出番はあるか。作新学院の両打ち選手にも注目。

第3試合(星稜VS仙台育英)

平均体重で5.9キロも上回り、大エース奥川投手を筆頭にU18候補3人を擁する星稜が有利か。仙台育英の1年生投手2名は140キロ超え(「甲子園完全ガイド」(ベースボールマガジン社))。

第4試合(履正社VS関東第一)

履正社が平均体重で6.9キロ上回る。BMI25.3も8校中最大。関東第一は常に選手の状態を見てメンバーを入れ替えるという監督の采配に注目。

今回は以上です。ぜひ本稿も観戦ガイドブック代わりにして、最も面白い準々決勝、そして準決勝、決勝までお楽しみください。また、下記のスプレッドシートを活用いただいて、皆さんの自由な視点で様々な分析を楽しんでください。

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ここから先は、有料コンテンツになります。有料版をご購入いただくと「★全49校882選手データ掲載スプレッドシートURL(DL可)」を閲覧いただけます。(ダウンロード可)

スプレッドシートには、第101回全国高校野球選手権大会(2019年夏の甲子園)に出場する全49校882選手の以下のデータを入力しています。

<選手データ>

「地区名」「学校名」「公立or私立」「背番号」「選手名」「学年」「投打(右投げor左投げ、右打ちor左打ち)」「身長」「体重」「BMI」

<平均値>

「各校の平均値」

「全出場選手の平均値」

「ポジション(背番号)別の平均値」

「U18候補選手の平均値」

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