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BACK CITY BLUES / YOU THE ROCK★(1998)

ちょっと前にカムバック作をリリースしたYOU THE ROCK。今は、果たしてラップなのかよく分からない、酔っぱらいのだらしない語りみたいになっているが、全盛期はとてもカッコよかった。

当時はアルバムを買いそびれて、ちゃんと聴けなかったけど、ユーチューブで改めて聴けることはありがたい。検索して聴き直したら、思っていた以上にすごい名曲だった。

BACK CITY BLUES / YOU THE ROCK★

オールドスクールなノリのラップ、時にジャマイカのトースティングに近いシンガロング。そして、叩きつけるように、湧き上がるように発せられる、脈絡のない言葉が、まるで点描のごとく目の前を過ぎ去っていく。

詩(ポエトリーリーディング)に寄ることもあるユーザのラップは、やっぱり素晴らしい。ラップのスキルについては、詳しくないけど聴いた瞬間に自然と違いが分かる。

それぞれのジャンルに、少なくとも一人は必ずそういう異次元の人がいる。ポール・マッカートニー、クラッシュ、ボブ・マーリー、スティービー・ワンダー、ジョルジ・ベン、LFO、ダフト・パンク、マシュー・ハーバート、忌野清志郎、ジョン・コルトレーン。

そのジャンルの可能性を知らしめる金字塔、その後に来るミュージシャンにとって目標となる峰を示すような作品がある。

パイオニア、オリジネーター、イノベーターとなんとでも呼べるけど、日本語ラップにおいてユー・ザ・ロックはそういう人。

20世紀末日本のラップ・シーンのレジェンドでしょう。

頂けるなら音楽ストリーミングサービスの費用に充てたいと思います。