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タイ人メンバーのプライドを傷つけてしまった時の話

日本のハードワークな商習慣と、
そうではないタイの商習慣を、同時に尊重したい

これは僕が実際にタイのメンバーに言ってしまったことです。

その時、言われた本人ははっきりとは反論していないものの、感情的になっていたと思います。

現在の仕事に対してエンゲージメントが下がってしまう、または離職につながる発言をしてしまったと思います。

この発言に至ったのは、タイメンバーの遅刻が全体的に多発していたので、改めて意識を引き締めようと、タイのメンバーに注意を促した時でした。

「最近、全体的に遅刻が多いね」
「時間を守ることは大事」
「時間を守ることで信頼が生まれる」
「信頼は会社内外問わず、仕事において非常に重要になる」
「日本人はもしかしたら、タイの人からすると時間に厳しいかもしれない」
「一方でタイでは厳しすぎる環境に対して抵抗があるかもしれない」
「だからタイの文化と日本の文化、お互いに尊重しつつ働きたい」

というような趣旨を話しました。

この発言はタイの方にとって「タイ人はまるで働かない」と受け取られる可能性は大いにあったと思います。

またそのような意識が実際に自分の頭の片隅にあったかもしれません。

タイに来ると「タイ人は働かない」「時間・約束を守らない」というようなことをよく聞き、最初は「みんながそうじゃない」と思っていました。

しかし、半年間のバンコク生活を経て、「確かに働かないな」なんて印象を抱くことが何回かありました。

それはタイの国民性だけではなく、彼らの思考や根底にあるモチベーションなどについて理解していないマネジメント側の点にも問題があると思います。

そして今回の感情的になっていたと思われるそのメンバーは、いつも仕事に対してプロ意識を持って取り組んでくれており、質の高いアウトプットを出してくれています。

そのようなメンバーに対して「タイは働かない文化」という国民性で一括りにした行為は、大きくプライドを傷つけてしまったと思います。

個々人に対してもっと向き合っていく必要があったなと、非常に反省をした平成最後の週でした。

確かに「日本人ほど働かない」と国民性で一括りに決めつけてしまえば、それ以上考える必要もありませんし、諦めるだけなので楽かもしれません。

しかし、チーム内で辞めて欲しくない人材がいるのであれば、そのような対応、マネジメントはチーム全体で良くないなと実感しました。

これは日本国内でも言えることだと思います。

性別、学歴、出身地、部活動など個人の一つの局面だけでその人を判断することで、そのメンバー本来の才能を引き出す機会を逃しているかもしれません。

一つの軸で人を判断することの危険性を今後も意識していければなと思います。

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