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資料を作るときの基本は愛である。

「資料」とは何か? Wikipediaには以下の説明がある。

資料(しりょう)とは、研究・調査の基礎となる材料。またあることをする上で、もととなる材料。特に、研究のためのデータ。

まあ、その通りですね、と思いつつ、チームで仕事をしていく上での資料を考えた場合、もう少し補足が必要ではないかと思う。

資料には必ず目的がある。

目的とは「誰を」「いつまでに」「どうするか」のことである。例えば、上司を今週中に説得して予算を獲得する、などである。これがその資料の目的であり、唯一の存在理由となる。それ以外に価値はない。

なので資料を作成するときは、漫然と作り始めてはいけない。狙いを定めて、その目的のためのシナリオを考える。正しいことを書けば何とかなる、などという甘い期待は捨て、どの順序で、何を伝えれば、目的を達成できるかを冷徹に考え、構成を書き出そう。つまりプロットである。

ここは人それぞれ好みがあると思うが、箇条書きがオススメである。なるべく端的に要素を書き出す。組み替えたりしながら、最適の構成を探る。ターゲットの期待値を想像しながら、何を望んでいるのか?何を不安視しているのかを想像して、それに対する解を示したり、敢えて解を出し惜しみしたりしながら、一番効果的な方策を考える。つまりターゲットのUXである。自分の主張だけをいくら訴求したって誰も振り向いてはくれないのである。もっと相手に優しくなろう。

この工程に資料作成に使える時間のおおよそ半分程度を掛けてよいと思う(最初のうちは危ないから3分の1くらいがいいかも)。さらに言えばいったん作ったら数日寝かせて見直すとよい。納得いく構成ができたら、あとはシナリオに沿って肉付けしながら書き進めていく。ここからは作業に近く、慣れてくると結構惰性で進められる。

思うに世の中に存在する資料の大半はこの工夫が欠落している。折角長い時間を掛けた資料が、よく分からないという理由で満足に読まれず放置されていく。人類の大いなる損失である。

まあ、それは言い過ぎだけれど、ちゃんとターゲットを定めてプロットを書くだけで格段に分かりやすい資料になるので、まだの人はぜひ。

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