パートナー会社とうまく付き合う方法

僕は20年近くいわゆる受託側の世界に居て、発注側であるクライアント企業とお付き合いをしてきました。事業会社自体に在籍していた期間は極少ないので、視点として偏りがあることは先に書いておきますが、受託側から見た「事業会社がパートナー会社とうまく付き合う方法」を考えてみたいと思います。

なぜパートナー会社を探すのか?

事業会社が外部のパートナー会社を探す、というのは、社内では得られない知見が必要だったり、そもそも社内リソースだけでは達成できない目的がある場合だと思います。

まず要望を明らかにする

最初にすべきは「パートナー会社に望むこと」を明確にすること。

コストを掛けて依頼する以上、どんなリターンを期待しているのかをか明確にすることが何よりも大切です。

受託側も、期待されていることを明確にされた方が、確実に返せる期待なのかを判断しやすいので、結果として達成確率は高まります。もし、期待に応えられないのなら「ごめんなさい。できません」と答えたり、「こういうことならできます」という別案を示すことができるので、具体的にすり合わせをしていくことが可能です。

逆にダメなケースは、期待する内容が不明確な状態でパートナーに依頼をしてしまうこと。最終的に何をどうするのかが不明確なので、最悪の話、やるべきことが明確になった際に、その領域をパートナー会社が不得意である可能性があります。あらゆることが得意な会社というの存在しないので(なので総合代理店があるとも言えますが)、結果、余計に時間が掛かったり、お金が余計に掛かったり、品質が良くなかったりします。

やるべきことがわからない場合

最近、このケースが増えてきていると思います。課題はあるのだけれど、何をすべきがわからない。この場合、まずは課題を優先付けして、原因を切り分け、改善策を考え、やるべきことをリストアップしてから、それに適したパートナー会社を探す、というのがセオリーですが、昨今の複雑化するデジマ世界では、課題や原因、対応策が多方面にわたり、一筋縄ではいかないケースが増えてきています。

この場合、ますばこのやるべきことを整理する工程だけを切り出して、パートナー会社を探すのが良いと思います。なぜ切り離すかというと、整理した結果、やるべきこととそのパートナーがベストマッチではない可能性があるからです。実際問題、この工程と、以降の工程では使う脳ミソが違うので、仮に同じパートナーで進めるのだとしても、いったんは分けて考えた方が良いです。

パートナー会社を決めたらすること

どんな内容だとして、プロジェクト計画を作りましょう。プロジェクト計画とは言い換えると実行計画です。

・プロジェクトの目的とゴールと成果物
・プロジェクトの前提条件と制約事項
・そのために必要なタスクと役割
・プロジェクトを円滑に進めるための決めゴト
・スケジュールと予算
・想定リスクと対応策

いろいろありますが、最低限必要なのはこの辺りだと思います。

受託側のプロジェクトマネジャーが策定することが多いと思いますが、本来、プロジェクトは発注側と受託側を含めた全員で運営されるものです。関わるステークホルダーが多くなるほど認識や意見の相違が生まれやすくなり、リスクも高まるので、誰が策定するにしても、ステークホルダー全員で読み合わせをして、認識の相違をなくした状態で、プロジェクトを開始することを強く勧めます。

万が一、プロジェクト計画がなかったり、存在はしていても書いてある内容が読み解けない、もしくは、内容に不備がある場合は、納得するまで計画書を見直しましょう。受託側が策定しているなら、遠慮なく指摘をして修正を依頼してください。そもそも発注側が読み解けないようなドキュメントを作成するのは受託側の過失、または、怠慢です。

プロジェクト計画が成否を決める

プロジェクト開始段階でのボタンの掛け違いを放置したことで、半年後、1年後に大きな相違や乖離に繋がることがあります。特に発注側でプロジェクト責任を負う立場であれば、ここが正念場だと思って対応することを強く勧めます。受託側と一緒に作る、くらいの感覚で臨むのが発注側の賢いプロマネだと思います。

なお、プロジェクト計画書は、立ち上げ時にだけ使うものではありません。プロジェクトが完了するまで、プロジェクトの「基準」として活用していくものなので、仮にプロジェクト途中で記載内容から変更があった場合は逐次見直しを行い、都度ステークホルダーで合意をしながら進めていきましょう。基準がなくなったら迷子になります。

あくまで一般論ですが、プロジェクト立ち上げ〜要件定義の工程は、準委任契約で進めることが多いと思います。要件定義をするまではプロジェクトでやるべきことが定まらないので、請負契約では進めづらいのが理由ですが、この「定まらないものを定めていく期間」をどう過ごすかが、プロジェクトの生き死に強く影響します。やるべきことを明確化して、パートナー会社としっかり合意しましょう。

この期間の過ごし方を取りまとめたものが「プロジェクト計画書」です。プロジェクトに依って、明確なこと・不明確なことに違いがあるので、調査から始めるのか、要求整理から始めるのか、要件定義から始めるのか、それぞれの範囲は何か、そういったことの積み重ねが、プロジェクトの質に影響してきます。無駄なことをする必要はありませんが、必要なことを飛ばしてしまうと間違った結論に辿り着いてしまうので、やるべきことを見定めて進みましょう。

要求のレベル感を分ける

プロジェクト計画であれ、要件定義であれ、要求があれば迷わずパートナーに伝えましょう。伝えなければ検討も進みません。その際、重要になるのは、その要求は「マスト」なのか否かです。当然ながら要求が多いほど、プロジェクトの難易度は上がります。期間も増え、費用も増えます。なので、要求は出すべきですが、必須度合いは必ずセットで伝えるか、あとでまとめて必須度合いを整理して、取捨選択できるように進めていくことが肝要です。期間制約や予算制約の中でできるものを決める、というやり方もありますが、要求の強弱がないと組み合わせのパズルになってしまうので、いたずらに時間が掛かり、結果お金を浪費することにもつながります。

レビューは覚悟を決めてしっかり

ドキュメント類の検収を求められることは多々あると思います。専門外のドキュメントを読み解くことは骨の折れる仕事ではありますが、とはいえ、大事なことが書かれているものなので、人と時間を充ててしっかり読み込み、不明点を潰しましょう。わからないことがあれば物怖じせずに質問してください。曖昧にして損をするのはおそらく全員です。逆に本当に不要なものならドキュメントを成果物から外す手もあります。ドキュメントを作成する工数は馬鹿にならないので、それだけで期間と費用が軽くなります。

キホンはコミュニケーション

プロジェクトをうまく取り回すためにはスキルや経験も重要ですが、プロジェクトは結局、人と人との共同作業です。意思疎通が原因で事故になることも少なくありません。特にプロジェクト初期段階でのコミュニケーション不足は最後まで尾を引きます。極論すれば、腹を割って話せる相手かどうかが良いパートナーを見極めるポイントだと思います。長く、プロジェクトを進めていけば、少なくないトラブルがあると思りますが、その際、真摯に非を認めて、原因を特定し改善策を話し合うことがどれだけスムーズにできるかで全体としてのプロジェクトの安定に繋がります。実際、ホンネで話し合えない関係性になってしまうと、どうしても解決までの時間が長くなります。

あとがき

もっとTips集のようにしたかったのですが、そうなりませんでした。いずれ書き直すかも知れません。あと、何となく文体を変えてみました;)

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齋藤健太郎

2000年頃からデジタル界隈で生計を立てている人。主な生息地は横浜と銀座。基本的に日々を楽しく過ごしたい人です。 2003年にビジネス・アーキテクツ社へ参画、2011年からネットイヤーグループ社に在籍。企業のビジネスをデジタルで何とかして盛り立てるお仕事。

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