ガラス戸の音

2015年1月1日
年が明けました。今夜は風が強いな〜。
こっちのうち(東京の仕事用部屋)はキッチンの窓はサッシじゃないのでガタガタ揺れる。
昭和の音だ。
実家は僕が生まれるずっと前に古い旧家を移築した家なんだそうで、小さい頃は縁側は木の雨戸を母が毎日開け閉めしていた。
それを改築してレールを敷いてガラス戸になった。小学生の頃かな。ガラス戸だけどサッシじゃない。大風が吹いて木の枝とか飛んできたら割れちゃうだろと思いつつも40数年、そんなことはなかった。(おもちゃをぶつけて割れたりはしたけど)不思議だ。
が、風が吹くとガタガタ揺れる。音がする。サッシが揺れる音とは違う。
そんな音に馴染みながら子供の頃から大学に入って上京するまで過ごした。
今でも実家の縁側はそのままだ。大学生と高校生の姪達にとってガラス戸の音は平成の音になるのだろうか。

他にも身体に馴染んだ音がある。
実家の周りには鬱蒼とした屋敷林がある。主に杉林と広葉樹、大きなケヤキの木が3本。ケヤキの木は家を建て替えるとき大黒柱を切り出すためのものだ。杉の木も家の材料になる。たぶん昔なら、家一軒に必要な分以外は売却すると建築費に回せたであろう。今のご時世では切り出す費用がかかり過ぎて難しいんだろうな。だから実家は古くなったのに立て替えられない。今の農家はお金が無いのだ。続ければ続けるほど借金がかさむのだ。脱線した。
この屋敷林が風に吹かれるとザワザワと鳴る。そうとうな音だ。大波が寄せる岩場の海のような音だ。夜など庭に出ると子供の頃の自分には恐ろしくさえあった。
田んぼを渡る送電線が風を切る音。トラクターで一人田んぼを耕しているときとかに不思議な音だなーと思っていた。
いずれも東京に出てからはあまり味わった事のない音達だ。
僕にとっての昭和の音。

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