クロワッサンのある朝

クロワッサンを買っておいた次の日の朝って、どうしてこうも楽しみなんだろう。

前日の夕方。買い物の帰りに、メゾンカイザーによった。はじめて。
ハード系専門店だから、ずしっとしたパンと迷ったけど、こんもり置かれたクロワッサンに惹かれてしまってそれにした。私はパンの中でも特に、クロワッサンが好き。
紙の包みの間から、少しだけ匂いをかぐ。食べるのは朝のお楽しみ。

次の日の朝は、いつもより少し早めに、しかもすっきり起きた。
トースターじゃなくて、オーブンで温めることにする。水をタンクに入れて、スチームで。クロワッサン専用のモードを選んでちゃんとする。それだけの価値がクロワッサンにはある。

この専用モードはかなり時間がかかる。その間に卵やサラダやスープを用意して、テーブルはクロワッサンを待つばかり。

オーブンから完成の合図があって、水蒸気の中から、ちょうどよく温まったクロワッサンを取り出した。赤のお皿にのせてテーブルへ。主役がやってきて、朝食はいかにもな感じになる。

ちぎると、さっくりのふわふわ。噛むとぱらぱらと皮がこぼれた。バターの味が口に広がって、幸せな気分。あっという間に食べ終えてしまった。

口にあった時間はすぐ終わったけど、お店で出会ってから一晩おいて温めるまで、ずっとクロワッサンのわくわくに包まれた時間だった。

またクロワッサンを買ってこよう。クロワッサンのある朝をまた過ごしたいから。

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