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あそどっぐインタビュー4日目 その1 「あそどっぐがリスペクトする、おっちゃん」

私は、あそさんを心底カッコいいと思った。
あそどっぐはどうやって今のあそどっぐになったのだろうか。
私たちは2016年に出会い、友人になった。手をつなぎ、デートもした。
飽き足らない私は、彼にインタビューをお願いすることにした。


ほし: もしよければなんですけど、今日ちょっと長めにインタビューさせてもらってもよろしいでしょうか?
あそ: ああええよ。今日はなんもないよ。
ほし: やったー!

ほし: あそさんは映画観る?
あそ: あ〜ホントねぼくね、趣味がねえ。趣味って言うかね、なんか、なんもない・・・なにやってんだろう?
ほし: 「なにやってんだろう」(笑)
あそ: 映画もねえ、まあ観ないよね。うん、なにやってんだろう日頃。
ほし: (笑)
あそ: 気がつけば1日終わっていくんだなあ。ほんと映画観ないねえ。
ほし: すると最後に観た映画は、あそさんが主演した「寝たきり疾走ラモーンズ」(2017年公開)?
あそ: あ、そうだね。え〜〜っとねえ・・・ラモーンズかなあ?そのあとなんか観たかなあ。おおかみこどもは、あれはラモーンズの前(「おおかみこどもの雨と雪」(2012年公開)?
ほし: 分からん。どうだろう?
あそ: かなあ。あれは観たよ。
ほし: へえ。映画館で?
あそ: いや、映画館で観たのは「シン・ゴジラ」(2016年公開)・・・以降は映画館行ってないね。
ほし: あ〜そうなんですね。うん。「シン・ゴジラ」よかったなあ。
あそ: うん、「シン・ゴジラ」はよかった。
ほし: あそさんやっぱ人生経験か・・・。ときどきいるんですよね。たとえば、モロヤンキーで、映画とか本とかいう分かりやすい" 教養 "みたいなものとあまり縁のなさそうな人なんだけど、すごいハッとするようなこと言ったりとか、人間のデカさを見せられたりとか・・・あるじゃないですか、そういうことが。だからあんまり関係ないよなあ。高尚な文学とか読んでてもウンコみたいな人もいるしなあ。
あそ: (笑)うん、そうなの・・・でもなんかね、観たり読んだりはした方がいいと思うんだけどね。
ほし: ネタにはね、なりそうですよね。
あそ: そう、ネタになるしね。そんで人と話しててもね、こう・・・とっかかりがないんだよね、なんか。けっこうおもんない奴なんよぼく。
ほし: (笑)そうなん?
あそ: うん、そうなの。まあ〜話題性がない男だよね。
ほし: そんな・・・女子とのフリートークはどうするんすか。
あそ: うん、女子とのフリートークは全く弾まない。
ほし: (笑)なんてこった。
あそ: うん、全く弾まないもんね。
ほし: そうなんだ。美大の友人と「なんで絵かいてんの?」って話になった時「俺はモテたいからだよ」って言ってた人いたな。
あそ: あ〜、そんなもんだよ。
ほし: でもそんな、フリートークがダメじゃモテるもクソもないじゃないですか(笑)
あそ: もうないんだよね。全くダメだわ。
ほし: まだ見れてないんですけど、バリバラのヘルパー編で、あそさんが好きすぎてヘルパーになったって人がいたそうですね。
あそ: あ〜そうそうそう。あの〜、もともとリスナーさんだった人が、茨城から引っ越してきて、ヘルパーさんになってくれた。
ほし: すごいですよね。
あそ: うん、すごいよね。変わってるよね。
ほし: はじめ聞いたとき「お嫁さん登場か!?」って思ったけど、男性なんですね。
あそ: うん、ざんねんながらおっさんやったんよね。
ほし: (笑)おしい。
あそ: うん、求めてるのはおっさんじゃないんだわあ。
ほし: (笑)でも、あそさんのことを好きになる女性ならいい人そう。
あそ: どうなんやろうねえ。どうなんだろうなあ。
ほし: え。・・・邪悪だったんですか?
あそ: うん?邪悪かなあ?

ほし: あそさんの、私で言う水木しげるみたいな人っているんですか?
あそ: あ〜・・・
ほし: 「あ〜カッコイイ。存在がカッコイイ」みたいな人。
あそ: 存在がカッコイイかあ。う〜ん、なんかねえ、あれかなあ。地元に居る人でひとり。
ほし: おお。
あそ: うん。ぜんぜん、芸人とかタレントとかじゃない人かな。
ほし: 地元って佐賀?
あそ: あ、いや、熊本。日頃からお世話になっているおじちゃんが、カッコイイな。
ほし: お〜、そうなんだ。
あそ: TVの仕事が増えて、いろんなタレントさんとか会わせてもらうじゃん。売れてる人とかも会う時・・・よく、「オーラがすごい」とか聞くでしょ?
ほし: うん、聞く。
あそ: うん。・・・で、会うまではすごい人なんだろうな、そういうオーラが見れるなと思ってワクワクして行くと、なんかあれなのよね、障害持ってる人で、なんかいろいろ活動してる人・・・ほどじゃないよねどの人も。だからなんかねえ、そっちの方がカッコイイ人がおるね。
ほし: へえ〜そうなのか。
あそ: だからまあ、福祉の制度とかあんまない頃から社会に出て活躍してる、障害を持ってるおじちゃんおばちゃん達のオーラはすごい。
ほし: おお。
あそ: だからなんか、有名な人とタレントさんと番組する時も緊張しないよね、なんかね、その意味ではね。おっちゃんおばちゃんに比べたら「そんな、威圧感ていうか存在感みたいなのないわ」みたいな。
ほし: そのおっちゃんは友達?
あそ: う〜〜んとね、友達ではないね(笑)
ほし: あ、ではない(笑)
あそ: もう60歳だからね。ぼくが二十歳で熊本に住みはじめた時から、とにかく、ずっと、お世話になってる人。障害持ってて、その人は電動車イスに乗ってるんだけど。なにかにつけてお世話になってるね。初めてひとり暮らしする時も相談のってもらったし。
ほし: そうだったんですね。
あそ: そのおじちゃん、講演活動とかもしてるから。ぼくがお笑い芸人はじめた時も、いろんなところ連れてってもらって。ぼくのことを「なんかお笑い芸人やるっていうおもしろい奴がいるんだよ」って紹介してくれて。だから何かにつけてお世話になっている・・・かな。かっこいいね。
ほし: そうなのかあ。ええ、拝見したいな。
あそ: うん、まあすごいカッコイイ人だわ。
ほし: そうか〜・・・そうなんだ。じっさいに生で見てみたいなあ。それもう、出会ってしゃべる前から「この人カッコイイわあ!」ってなったんですか?
あそ: まあよく喋る人だから、出会った時からしゃべってたね、うん。
ほし: あら。じゃあもともとは講演のお客さんとして行ったのがはじめの出会いだったりするんですか?
あそ: う〜ん、もともとは・・・なんていうのかなあ。「お客さん」て言うのかなあ。元々熊本に引っ越してきて、行き場所がなくて。で、まああの〜障害を持った人たちが障害持った人たちの生活を支援するみたいな団体があるんだけど。
ほし: そういう団体があるんですね。
あそ: うん。そこで中心的に活動してる人。ぼくは見習いみたいなかんじでそこに通わせてもらおうと思って、挨拶に行って、そこでおっちゃんが「ウチに来なよ」って、そういう流れかな。
ほし: ええ〜〜会いたい!「会う」っていう距離感で会える方と思ってなかったから、とりあえずlookと思って「見る」と言ってたんだけど。
あそ: まあ会えるは会えると思うよ。ただ、向こうは「え、な、なんで?」っていう空気。「誰?」って思うかもしれない。
ほし: (笑)「あそさんをカッコいいと思っている人間です」としか応えようがない。「あそさんがあなたをカッコいいと言ったから会いに来たよ」・・・よくわかんないですね。
あそ: まあよくわかんないけど、会ってはくれるんじゃない?
ほし: あ〜そうなんだ。なんか人生にたのしみが増えたな。会いたい人がいるってうれしいです。
あそ: ほんとね。うん。

次回、「あそどっぐ、はじめてのバリバラ」

あそどっぐ
1978年佐賀県生まれ。熊本在住。お笑い芸人。
あかほしあまね
1991年東京都生まれ。『コバガジン』のライター。

前回の記事はこちら 「あそどっぐが「障害ネタ」を選んだワケ

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