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あそどっぐインタビュー9日目 その4 「キムタクとあそどっぐ!?」

ほし: いいじゃない、人間にモテないよりは。
あそ: (笑)
ほし: うんうん。そうなんだよな。だから「あそさんの魅力はなぜ女子に伝わりにくいのか」っていうのはちょっと研究してみたいところではありますよね。
あそ: うん。それ研究してわかったら教えて。
ほし: (笑)ちょっと、つぎまでに考えておきます。
あそ: はい(笑)おねがいします。

あそどっぐ、ヘルパーさんと飲みにいくの巻

あかほし(以下「ほし」): あそさんがあの~なに、「感動されたくない」って言ってたじゃないすか?
あそどっぐ(以下「あそ」): うん。
ほし: ギャオかな?ギャオのホ-キングさんの。あれは~、なんだろう。なんか「そっち行っちゃうんか~」みたいなかんじ?(注1:文末参照)
あそ: うん、そうだね。それもねえ、もう、だんだん、どうでもよくはなってきてるけどね。(「ネタのお話 〜ラッコとアスリートとキリギリスと〜」)
ほし: あ、ホント(笑)
あそ: うん(笑)
ほし: へ~。
あそ: ホ-キングさんのトークショー出たのは、一昨年ぐらいなのかな?
ほし: うんうん。
あそ: でも、もう年々年々・・・。やり始めたときはね、すごいそういう気持ちはあったね。感動されたくないっていうのは。
ほし: うん。
あそ: 「とにかく、芸を見ろ」みたいな・・・かんじはあったけど今はもう、あんまり。やればやるほど、年数が経つにつれて、どうでもよくなってきてるね。
ほし: (笑)どうでも!すごいななんか、へ~。
あそ: だからね、「ぼくの芸風が変わった」ってよく言われるようになってきて。ここ1年ぐらいかなあ。
ほし: うんうん。
あそ: で、だから前からのファンの人は、物足りない・・・かんじでなんか離れていく人もおるし。
ほし: へ~、うんうん。
あそ: 逆になんか「今の方がいい」って言う人もおるし、だね。
ほし: あれっすよね、あの~前しゃべった、なんだっけ、ギャオの時のリハビリを「もう見せていいかな」って思った、そのへんの心境の変化と、関係ある?(「ネタのお話 〜ラッコとアスリートとキリギリスと〜」)
あそ: そうだと思うね。うん、そう。
ほし: 何が起こってるんだろう、あそさんに?
あそ: ああ、何が起こってるんだろうね、自分でもわかんないけどね。あんま今はなんか・・・ま、おっさんになったのかもしれんね。単純に(笑)
ほし: (笑)おっさん。
あそ: お笑いはじめたころはまだね、30ちょっとぐらいで、まだまだこう・・・イキってた部分があるんだろうね、こうね。
ほし: そっかあ。なんかうちのお母ちゃんに「なんかあそさんが心境変わってきたらしいよ」って言ったら「円熟してきた坊さんみたいやなあ」って(笑)
あそ: (笑)まだはやいよ円熟するのはね。もっと売れてから円熟しないとね、ホントはね。
ほし: そう・・・なんだろう。あそさんのでっかさみたいなものにわたしは魅力を感じるから。
あそ: そうなの?
ほし: うん。その、なんか、でっかいほうに進化している感じがして、ワクワクするけどな。
あそ: ああ、ありがとう。
ほし: うん。
あそ: それはうれしいわ。
ほし: とんがったのも好きは好きやけど。
あそ: うんうん。
ほし: とんがったの作るのもけっこう心削りそうですよね?
あそ: そうよね、しんどいんだよね。とんがってやるのってね。なんかね。
ほし: そうかあ。だからその「だんだん芸人やればやるほど、私生活が不幸せになっていく」ってまえ言ってたじゃないですか?(「実家では無口なあそどっぐ」)
あそ: うん、そうそうそうそう。
ほし: そこの幸せゲ-ジは・・・心境が変化しても、さがったまんま?
あそ: 幸せゲ-ジはどうかなあ、う~ん、あんま変わんないかな(笑)
ほし: マジで?(笑)
あそ: あんま変わんないね。
ほし: あ、ホント(笑)そっか。なんか・・・むずかしい。
あそ: (笑)
ほし: なんで「感動されてもいいや」って、思うようになったんだろうなあ。
あそ: な~んだろうなあ~。
ほし: うん。
あそ: う~ん、まあそれはなんかもう、ね。「こっちがとやかく言う問題じゃないかなあ」って思ってきたんだよね。
ほし: ああ~。
あそ: なんか、やりはじめたころは「感動とかせずに、もうおれの芸を見ろ」みたいな・・・押しつけだったんだけど。
ほし: うん。
あそ: なんかそれはなんかただこっちが・・・こっちのエゴのような気がして。
ほし: うんうん。
あそ: うん、まあ・・・ね。「むこうが受け取ったものは、むこうが好きに解釈するのが、いいんかな?」って思うね。思うようになってきたのかな?
ほし: へ~。なんでそう思うようになってきたんやろう?かっこいいなあ。
あそ: なんだろうね、う~ん。まあ、1コはドキュメンタリ-でも言ったように、こう、あそどっぐっていうのの認知度が高まってきた、から。
ほし: うん。
あそ: 感動する人がいても、そうじゃない部分で見てくれる人もいるっていうのは、もう、分かってきた。
ほし: ああ、ああ。
あそ: っていうのも大きいのかな?
ほし: なるほど。それはなに、コメントとか見てそう思うってこと?
あそ: うん、そうだね。コメント見てとか、実際ライブに出てみて応援してくれる人がいるし・・・だね。うんうん。ていうのがね、やっぱ大きいんじゃないかな。前から応援してくれる人、ちゃんと芸を見てくれる人がいるっていうのは大きいかな。
ほし: ああ~。それってなんかライブして、自分がそのネタやってるときの、リアクションとか空気感で、わりと分かるもんなの?
あそ: うん、なんか分かるね、それはなんかね。
ほし: そっか〜。
あそ: うん。と、あとはね、純粋にね、あの~・・・芸がつたなかった。
ほし: ああ、ああ。
あそ: 最初とがってたころは。「おれの芸をみろ、おれの芸を見ろ」って言ってた時期はなんかね・・・単純にねあの~おもんなかった・・・ような。なんかうまく言えないけどなあ。
ほし: うん。
あそ: う~ん、だからなんていうかな~。純粋におもしろいのをやれば、その、感動とかそんなん関係なく、笑いって起きるもんなんかなって思う・・・よね。
ほし: うんうん。
あそ: だから、おもしろい・・・「ああ、おもしろかった」って思う前に、むこうが感動してしまったとしたら、こっちの芸がわるい。
ほし: ふんふん。
あそ: うん。で「感動してほしくない」とか、思う前にこっちの芸を磨けばいいので。
ほし: ふんふんふん。
あそ: うん。だね、なんか思う。
ほし: か~!か~!なんか刺さるなあ(笑)
あそ: (笑)
ほし: かっこええなあ。
あそ: そんなに磨けてないんだけどね(笑)
ほし: えええ(笑)
あそ: そこが問題なんだわ(笑)
ほし: (笑)そっか-、そっか-。いやあおもしろいな。かっこええなあ~!
あそ: うんまあ、実はもっとね・・・ウケるようにもっとなればかっこいいんだけどね。
ほし: (笑)
あそ: まだまだだからね。
ほし: (笑)う-ん。そやなあ・・・私は、あそさんがデカいっていうところが、なんか、もっと、若い女子とかにも伝わるといいなって思って見てるかな(笑)
あそ: (笑)うん、ホントだよ。そういう記事を書いて。
ほし: (笑)あそさんのかっこよさってなんか、若い女子に伝わりにくい感じするんだよなあ。
あそ: ウソやん。
ほし: (笑)でもあそさんのかっこよさは、ぜったいキムタクはもってないと思う。
あそ: うん、そうかな(笑)うん・・・まあキムタクとはジャンルは違うのは分かる。
ほし: 「ジャンルちがう」(笑)
 
(あそ: 吸引を)
 
ほし: その~、予想だけど・・・なんか、男の人ってお互いのテリトリ-というか、プライドを守り合ってて。
あそ: うん。
ほし: なんかあんまりこう・・・なに、お互いにかなりデリケ-トだから。
あそ: うん。
ほし: お互いさわり過ぎない、とか。
あそ: ああ、うん。
ほし: 「さわらないようにしてくれ」とかいうのを、してるなあって思うんですよ。
あそ: うんうん。
ほし: なんかそこの、せまさみたいなものをわたしは感じるんだけど。
あそ: うん。
ほし: あそさん、そこがないのよ。
あそ: ああ、なるほどね。ああありがとう。
ほし: (笑)そう。で男の人・・・は、自分がちっちゃいプライド守ってるっていうのを十分わかってるから。
あそ: うん。
ほし: あそさんをみたとき「守ってないこの人すごい」ってたぶん分かるんだと思うんだけど。
あそ: う~ん、うん。
ほし: 女子は・・・気づきにくいやろうなあって(笑)
あそ: うん、なるほど(笑)
ほし: うん、そうそう。
あそ: なるほどね。
ほし: なあ~・・・こう、感覚的なもんやから、説明しても伝わらないっていう。説明したら台無しになるし(笑)そういう、デリケートなかっこよさなのよね。だから、むずかしい。
あそ: なるほどねえ、そうかあ、そうね。
ほし: う~ん、とくにピチピチの若い女子なんかは、ちょっとこう・・・ね。みんなに人気があって、ああかっこいい!みたいな人にときめくだろうから。
あそ: まあ、まあそうだよね。それはしょうがないよね。
ほし: ・・・が、くやしいっすねわたしも。
あそ: (笑)
ほし: (笑)そっかあ・・・まあ、うん。若い女子の、ファンが増えることを、願って・・・
あそ: うん、ホントに・・・(笑)
ほし: (笑)じゃあまあ今日はこれぐらいにしとこうかな。
あそ: あ、あり、はいはい。
ほし: うんうん。
あそ: なんかごめんね、ちょっと急かしちゃって。
ほし: いやいや、あの、あそさんに負担なく、インタビュ-できるのがいちばんうれしいので、わたしも。
あそ: あ、ありがとうございます。
ほし: うんうん。じゃああの、お仕事がんばってください。
あそ: はい、(笑)ありがとうございます。
ほし: うん、ほんじゃあ、また。
 
注1:数年前にGYAOであそどっぐのドキュメンタリー番組が公開されたが、現在は視聴できない。ホーキング青山主催の「障害者芸人のホンネとタテマエ」というトークショーで、障害者へのステレオタイプな反応についても話題になった。

次回、 「のん、遺影、ドラえもん帽子

あそどっぐ
1978年佐賀県生まれ。熊本在住。お笑い芸人。

あかほしあまね
1991年東京都生まれ。『コバガジン』のライター。

前回の記事はこちら 「ホーキング青山とあそどっぐ


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