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「常識」ってなんだろう?

こんにちは。THE GUILDのこばかなです。デザイナーとかをやっています。今回は当たり前すぎて見過ごされやすい「常識」について考えたことをまとめてみました。

常識とはなにか。

そもそも常識とは何でしょうか?

・ものを手から離すと落ちる。
・知人に会ったら挨拶する。

・連絡はLINEでする。
・男性はスカートを履かない。

このように科学的なものからマナー、流行、価値観など、さまざまなタイプがあります。

「常識」を辞書で調べると下記の通りでした。

ある社会で、人々の間に広く承認され、当然もっているはずの知識や判断力。(三省堂 大辞林)

ここでのポイントは「ある社会で」という部分で、常識=普遍的な真理/正義とは限らないことです。

たとえば「ものを手から離すと落ちる」のように、一見すると真理に思える常識でも、宇宙を舞台にすると通用しません。このように視点を変えると常識がひっくり返ることはよくあります。

一方「男性はスカートを履かない」という常識に関しては、科学的根拠がないにも関わらず、人々はそれを前提に生活しています。

このように私たちはたくさんの常識を無意識に持ちながら生活しているのです。

価値観における常識。

LGBTQ+に関連する事業(Palette)のお手伝いをするようになってから、常識と向き合う機会が非常に増えました。

たとえば性別が男女どちらでもない人がいたり、パートナーと合意の上で複数人と交際している人がいたりと、人の数だけさまざまな価値観があることに気付かされました。

一人ひとり多様な価値観を持っているのに、どうして常識は存在するのでしょうか?

それは常識が社会の秩序を守るツールとして機能しているためです。

共通の認識がないと集団生活はできませんし、コミュニケーションコストも非常にかかります。本来ならば「あの人になんて声かければいいのだろう?」と考える手間を「朝ならおはよう」という常識が解決してくれるのです。

そのため常識は社会に不可欠なものという前提を踏まえた上で、ここからは常識の問題点について触れていきます。

ここまでのまとめ
・常識=普遍的な真理/正義ではない。
・私たちは無意識に常識を持ちながら生活している。
・人の数だけ価値観は存在するが、社会の秩序を守るために常識は必要。

多数派を占めるものが常識となる。

前提として、どんな知識が常識になるのでしょうか。大きくまとめると、
・大多数を占めること(科学、法則、集団、流行など)
・昔からあること(伝統、慣習、マナーなど)
このうちどちらかが当てはまると常識になりそうです。

特に大多数をしめるものは「ふつう〜」のように語られることが多いです。たとえば多くの人々はLINEで連絡を取るので「ふつうはLINEをやってる」と考えます。そのためLINEをやってるかどうかの確認を挟まずにLINEの連絡先を聞いても自然と会話が成り立つのです。

常識を守ることで他人から認められる。

なぜ常識はこのように広がりを見せながらも機能するのでしょうか?それは「常識的=良いことである」という認識を人々が持っているためです。

人は誰しもが承認欲求を持っています。常識に従うと「みんなと一緒」の価値観を共有することになるので、他人から承認されやすくなります。

つまり「常識に従う = 秩序を守る = 他人から認められる」という関係性が成り立つのです。

先ほど述べたように、常識が成立するには大多数がその知識を持っていることが条件となります。常識によって社会から承認を得ている人にとって、大多数の法則が壊れることは不都合となります。そのため常識に従う人は自分にとって非常識的な人に対して無意識に常識に従わせようとしたり、差別して社会から排除しようとします。

たとえば「女の幸せは結婚である」という常識を持っている人は、30代の独身女性を見たときに本人の意思とは関係なく結婚を勧めるといった具合です。

このような社会では、常識的な人は他人からの承認を得やすいため「自分には価値がある」と感じやすく、常識に当てはまらない人は悩みやすい傾向があると感じます。

常識が抱える問題。

そこで問題になるのが、常識によって個人の価値観が否定されてしまうパターンです。

私はこれまで数多くのLGBTQ+の方々の話を聞いてきましたが、「自分は変かもしれない」と悩んだことがある方が多いと感じました。常識(大多数)から外れているという理由で、ありのままの自分の姿を受け入れることができずに悩んでしまうのです。

このように常識の中には、人の幸せを奪うものや、人の可能性を潰しかねないものも存在します。冒頭でも述べた通り、本来常識が正しいという根拠はないので、そこに当てはまらないケースがあっても自然なことなのです。

ここまでのまとめ
・大多数を占めるものが常識となりやすい。
・常識を守ることは承認欲求を満たすことにも繋がる。
・常識から外れることは否定されやすい仕組みになっている。

常識は変化するが無くならない。

そんな問題点も抱える常識ですが、今後の社会はどうなっていくのでしょうか。

私の中の結論は「常識は時代によって変化するが、それ自体がなくなることはない」です。

これは歴史を遡ればすぐにわかることですが、時代が変化する中で、今まではうまくいっていた歯車が合わなくなったとき、誰かが革命を起こし、それが流行することで常識は変化して行きます。

今私たちが当たり前だと思っているこの世界も、50年後の未来人からすると信じられない世界かもしれないし、常識はこの先ずっとその時代の人々がアップデートしていくものだと思っています。

それと同時に、いつの時代にも常識に苦しめられる人が少なからず存在しそうだとも思っています。

だからこそ私は
「常識に当てはまらない人も当たり前に存在すること」
「常識は時代に合わせて変化するものであるということ」
これらが常識になればよさそうだなぁと思っています。

結論
・常識はなくならない。うまく付き合う必要がある。
・常識は変化するものなので、不必要に捉われずに柔軟に対応しよう。

みなさんも当たり前すぎて見過ごしやすい常識について、たまには疑ってみたり、見直したりしてみてはいかがでしょうか。

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