3持ってる〜?

突然ですが、ちょっと数学の話を。数学が苦手なキミもまぁちょっと聞いてってよ。学生の頃は"数が苦"だったかもしれないけれど、今改めて聞くと大した事ないかもよ?似たようなこと、そこらじゅうにあるでしょ?

例えば、2205と1050。この2つの数字の最大公約数は?これを解くにはまず、それぞれの数字を素因数分解してやる必要がある。

素因数分解、簡単に言えば素数同士の掛け算に直すこと。

$${2205=3^2×5×7^2}$$

$${1050=2×3×5^2×7}$$

となる。そして各素数の指数が小さい方を選んで掛けた数字が最大公約数になる。つまりこの問題では

$${3×5×7=105}$$
となる。最大公約数を求める際にはその数字が"どんな数字をいくつ持っているか"に分解して、どちらの数字も共通して持っているものを見つける必要がある。今回は2つの数字だったがこれが3つ4つと増えても同じだ。だから数が増えれば共通したものを見つけるのは難しくなってくる。


最大公約数。正直高校を卒業してしばらく経つけど今のところそれが人生で直接活かされた記憶はない。けれど僕は最大公約数を"例え"だと考えている。では一体何の例えだろうか。それは

旅行だ。

誰かと一緒に旅行に行くとその人とは常にアカンパニー....おっと失礼。こっちでは同行と言うのか。同行することになる。だからどちらの意見も尊重しなければならない。例えば4人で旅行に行って、この後なにを食べるか、という話になったとしよう。3人が寿司だ!と思っても残りの1人が魚が嫌いだとしたら寿司の線はなくなる。全員が共通して食べたいと思ったものになるのだ。旅行はそれの連続だ。まさに、最大公約数の求め方と同じだろう。

はっきり言うと僕は旅行がめんどくさい。もちろん行ったら行ったで楽しいし。旅行から帰ってきた時はまた行きたいな、と思う。ただ全員の意見を合わせる(共通の数字を探す)作業がこの上なく億劫なのである。

旅行は最大公約数を見つけること、と記したが、それはあくまで理想である。実際のところは自分が2を持っていなくても2を持っているフリをしなければいけない場面がある。円滑に話を進めるために。中には「自分は7を持っています!みんなも持っているよね?」と確認をせず話を進めてしまうやつもいる。もし同行者にこの手のやつがいれば旅行は悲惨なものになる。ほとんどのメンバーが興味のないところへ連れて行かれるのだから。そんなやつとは旅行に行きたくない。

だから裏を返せば、旅行に一緒に行きたいと思える友人を大切にしなければいけないと思っている。もしかしたら自分に合わせて、持っていない数字を持っているフリをしてくれている場面もあるかもしれないけれど。そんな友人に「"ありがとう"と"ごめんね"」を込めながら。

つい先日、旅行に行った。僕は朝イチでラーメンを食べに行こうと思った。同室の2人はラーメンの気分ではなかったらしい。"ラーメン"という数字を持っていたのは僕だけのようだ。だから僕1人で食べに行った。その後部屋に戻ると「美味しかった?」と感想を聞いてくれた。そのおかげで"朝イチでラーメンを食べに行った変なやつ"にならずに済んだ。旅行には"数字を必ずしも合わせなくてもいい場面"もあるのだ。

最大公約数とはちょっと違うのかもしれない。


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