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メルカリとミレニアル世代

日経でリユースに関する特集が始まりました。
それだけこの業界が注目されているということで、リユースを生業にしている者にとっては喜ばしい限りです。

この大きな潮流の中心はやはりメルカリでしょう。この記事のタイトルにも「打倒メルカリ」と、かなり挑戦的な表現もあります。
それだけ存在感が大きいということでしょう。

メルカリに出品するメリットは、一般のリユースショップに売るよりも高く売れるということでしょう。
一種の副業のような形で利用している人も多いと言われます。
また、新品を購入する際にメルカリの相場をチェックし、予め販売価格を織り込む人もいます。
以上のように、経済的なメリットが注目されるメルカリですが、それだけではないのではないか?と思うこともあります。

私の妻は子供服や子供のおもちゃの購入によくメルカリを利用しているのですが、売値数百円の商品に対して、きれいに梱包を施し、中には丁寧な手書きの手紙まで添えてくれる出品者もいます。
出品、梱包、郵送などの手間、そして送料が出品者負担であることを考えると、とても数百円の商品を売るには割に合わないのではないかと考えてしまいます。

では、なぜ出品するのでしょうか。

それを裏付けるデータがこちらです。

※経済産業省、『平成29年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 (電子商取引に関する市場調査)』より

こちらは昨年4月に経産省がまとめた調査結果ですが、フリマアプリでの販売目的の第1位は「捨てるのがもったいないから」でした。
第2位の「小遣い稼ぎのため」も僅差でほとんど同率ではありますが、この結果は、やはりそれだけではないことの証左になるのではないでしょうか。

メルカリの利用者の多くを占めるのは20代~30代の女性です。
いわゆる「ミレニアル世代」と呼ばれる世代です。
個人的にはあまりこういったカテゴライズは好きではないのですが、私自身もこの世代ではあるので、世間で良く言われる特徴については、確かに、と思うところもあります。
上記のメルカリに出品している人の事例は、単なる経済的合理性以上の何かによって行動を起こしているとも考えられます。
その心理は「捨ててゴミとなってしまうくらいならば、多少手間がかかっても、誰かが大事に使ってくれた方が良い」といったところでしょうか。
そう考えると、消費者同士がダイレクトでつながるメルカリのようなフリマアプリは、次に使ってくれる誰かの顔がリユースショップに売るよりも想像しやすく、手間をかける動機にもなりそうです。

このような傾向は、これからの時代とこれまでの時代の断絶を物語っているのかも知れません。
大量生産大量消費、物質主義の時代は、もう間もなく終わりを告げようとしています。

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