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シン・長田を彩るプレイヤー ~異世界コミュニティ酒場のマスター~(前編)

今回は、長田区腕塚町にある「異世界酒場 たびのとびら」店主の西ケ谷裕紀さんと三木一馬さんを取材しました!まるでゲームの世界に入り込んだかのような雰囲気の中、美味しいお酒と料理が楽しめるこのお店。オープンまでの道のりやお店へのこだわりをたっぷりとお聞きしました。 




【こだわりの異世界酒場】

-記者-
本日はよろしくお願いします。
以前、同僚と飲みに来た際に、まるでゲームの世界に入り込んだかのような独特な雰囲気に惹かれ、取材を依頼させていただきました。やはり、店内の内装にこだわりがあるんですか?

-西ヶ谷さん-
そうですね。ゲーム内に出てくる酒場であったり、ギルドであったり、そういった世界観が出せたらなっていう感じですね。


異世界の雰囲気がある店内

-記者-
西ヶ谷さんはゲームが好きで、このお店を始めたんですか?

-西ヶ谷さん-
いや、僕ではなく、元々、三木さんが2016年にこのお店を開店して、2023年にリニューアルしてから、僕が代表に代わりました。

-記者-
リニューアルの前後で変わったことは何ですか?

-西ヶ谷さん-
もともとキッチンがなかったんで新たに作りました。
リニューアル前も、食事メニューはあったんですけど、冷凍の唐揚げとか焼き飯とか、簡単なものしかなくて。
がっつり食べられるメニューがあったらいいなって思って、キッチンを作りました。

-三木さん-
リニューアル前はお客さんが来るのが2軒目とか、遅い時間が中心やったんで、食べ物持ち込みオッケーにしてたんですよ。
お客さんに「なんか食べたい」って頼まれたら作るくらいだったんですが、コロナ禍になって休業して、ようやく明けたと思ったら2軒目の需要が減ってしまっていたんです。
キッチンがない状態で1軒目の客に来てもらうのはさすがにしんどいから、改装することにしました。

-記者-
確かに、今のメニューにすごくこだわりを感じます!

-西ヶ谷さん-
まあ、せっかくなんで。こう、ちょっと遊び心がある方がいいかなって(笑)

期間限定のメニューは壁に。見ているだけでわくわくします!

【異世界酒場のきっかけ】

-記者-
西ヶ谷さんが代表になったのはどのような繋がりからですか?

-西ヶ谷さん-
実は僕、元々お客さんなんです。
オープンの初日に来て、そこから縁あって代表になった感じですね。

-記者-
そうなんですね!この近隣にお住まいですか?

-西ヶ谷さん-
そうですね。
近くに面白そうな店ができるな、いいなと思って入ったのがきっかけですね。

-記者-
三木さんはどうしてこのお店を始めたんですか?

-三木さん-
学生のころから漠然と自分で何か変わったことをしたいなっていうのがあったんです。
どうせ自分でやるんやったら、自分がおって楽しい空間にしたい、みたいな。
それでもう、自分の趣味丸出しみたいな感じですね。
高専時代に同じような趣味の友人がいて、そいつと一緒にやろうかみたいな感じで。

-記者-
そうなんですね。ご友人も同じ学校の方ですか?

-三木さん-
違います違います。近所のパチンコ屋でバイトしてた時の同僚ですね。歳もあっちが上で、9歳くらい違うんです。
当時から店開くって決めてたんで、お金貯めてたんですよ。
ほんまに月300時間くらい働いて。

-記者-
えー!すごい!!

-三木さん-
バイトやけど給料が社会人並みにあったんですよ。
18か19くらいからパチンコ屋でずっと働いて資金を貯めて。
なんなら今も昼間ちょろっとおるんですけどね。
たまに呼ばれたときだけの、ピンチヒッターみたいな。

【たびのとびら】

-記者-
ゲームがテーマのお店ということなんですが、西ヶ谷さんが特に好きなゲームは何ですか?

-西ヶ谷さん-
やっぱりドラクエですかね。

-記者-
やっぱり!お店の雰囲気からそうかなと思ってました。
ドラクエの中で特に好きな作品は何ですか?

-西ヶ谷さん-
V(ファイブ)ですかね。途中で結婚のイベントがあるやつです。

-記者-
あー、ビアンカとか!

-西ヶ谷さん-
そうですそうです。

-記者-
私の友達もそのゲーム、すごく楽しんでました。
やっぱりこういった雰囲気のお店なので、ドラクエ好きの方が来店することが多いですか?

-西ヶ谷さん-
いや、どうやろうな。もちろんそういう人も来るんですけど、そっちがメインかというと、そうでもない。

-三木さん-
最初からそうやと思ってくる人とそうじゃない人、半々ぐらいですかね。
なんかけったいな扉があるから、わからんけど入ってみた、みたいな方もわりと多いですよ。「気になっとってんけど、1人で来れへんから友達と来てん」みたいな感じで全然ゲーム知らない人を連れてくるお客さんもおるし。
そもそもあれが「旅の扉」って意味がわかって来はる人も半々ぐらい。

-西ヶ谷さん-
うん、そうやね。
世代的にたぶん「旅の扉」を知ってるのが40歳以上になってくると思うから。

-記者-
「旅の扉」もゲーム内に出てくるものなんですか?

-西ヶ谷さん-
そうですね。
ドラクエに、フィールドをワープするワープゾーンがあるんですけど、そのアイコンが「旅の扉」なんです。

-三木さん-
この店の扉も一応設定的には、「現実世界から扉を通って、ゲームの世界にワープして来ましたよ」的な感じやから、旅の扉っぽくなってます。

【コミュニティ酒場】

-記者-
お客さんは地元の方や常連さんが多いですか?

-西ヶ谷さん-
そうですね。
やっぱり家が近い人が多くて、常連さんがメインになっています。

-記者-
このお店を目当てに遠方から来られる方もいますか?

-三木さん-
うん、ちょくちょくいます。ありがたいことですね。
目当てというか、「前から何かで知ってて気になってたから、仕事の出張で近くに来た時に寄った」みたいな方はいますね。
……そうそう、ゲーム会開催したあとのオフ会とかの時はよくいましたね。

-西ヶ谷さん-
そうやな、あれはすごかった。北は北海道から南は九州まで。

-記者-
えー、すごい!
お客さん同士で友人になったりとかもありますか?

-西ヶ谷さん-
だいたい複数回来る人が多いんで、来てるときに会ったら声かけるくらいの感じはありますね。ここに来たら知り合いがおるっていう感覚はあると思います。    

くつろげるソファ席もあります。

-記者-
コミュニティ作りの場になってるということですか?

-西ヶ谷さん-
まあ、それっぽい日もあるよな。

-三木さん-
あるある。
こっちは知り合いって知らないけど、あそこのグループとあそこのグループがいつの間にか知り合いになってた、みたいなことが結構ありますね。
全員知ってる奴ばかりの日は、来たら「なんやねん!知ってる奴しかおらへんやん!」って。(笑)


前編ではお店がリニューアルオープンに至るまでの道のりや、地域の憩いの場になっていることなどをお話しいただきました!
店内の細部にまでこだわりがみられて、お店の中にいるだけで心躍るような空間ですね。
後編では、お二人のこれまでについてもっと詳しく伺います。

▽しらべる(異世界酒場のリンク)
神戸・新長田で人気のバー「たびのとびら」コスプレイベントに最適【公式】 (tabinotobira-kobe.com)
異世界酒場 たびのとびら【公式】 (owst.jp)
R.P BAR たびのとびら(@rpgbartabinotobira) • Instagram写真と動画

(編集:かずみ、あみてぃ)