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一闘入魂、これからも。

引退noteのトリを務めさせていただきます、神戸大学応援団総部第63代団長、田代浩也です。私がこの肩書を名乗れるのもあと1日となりました。辻副団長とはいいタッグだったと思っています。神戸から国立まで往復1000キロを車で走破した仲やもんね!ただ同期の中では、一番私に対する扱いが雑だった気もしますが・・・・

最近、写真フォルダの整理をしていると入団当初の懐かしい写真を発掘することが多く、ノスタルジーな気持ちになることが増えてきました。このnoteでは4年間の応援団生活に思いを馳せ、書きたいことだけ綴ろうと思います。なるべく自分らしく、ユーモアと真面目さを両立させつつ書こうと思います。うまくまとまらない箇所もあるかと思いますが、肩の力を抜いてどうぞご覧ください。

1.入団理由
なぜ私が応援団に入団しようと思ったのか。それは高校時代の出来事がきっかけです。当時、私は硬式野球部に所属していました。そこは過去甲子園の優勝経験もある、強豪硬式野球部でした。私は背番号をもらうべく、必死に練習を続けていました。しかし選手層は厚く、どんなに練習しても2軍の補欠止まり。1日に7合白米を食べても一向に身体が大きくならず、「あいつは野球向いてない」と言われるほど非力な選手でした。
転機となったのは2年の秋、当時のコーチがこんなアドバイスをしてくださいました。
「野球が上手いだけでは一流ではない。チームサポートや声援、そうした道に秀でている人間もベンチには必要や」。それから私は野球に打ち込むだけでなく、声でチームを盛り上げることにも徹底的に取り組みました(そのせいでしばらく私の声真似がチーム内で流行しました笑)。
そして運命の高校3年生、夏の地方大会メンバー発表。選ばれた20人のみが背番号をもらうことができます。私の名前は呼ばれませんでした。悔しかった。しかしミーティングの解散後、監督から一言。「お前の声はチームの宝物や。ベンチでスコアラーとして、チームを盛り上げてくれへんか。」
1か月後、私はスコアラーとしてチームを鼓舞していました。監督から特別にいただいた、背番号「21」のユニフォームと共に。
長くなりましたが、この経験以降、自分のアイデンティティとなった「声」を大学で究めてみよう、と思いました。それが応援団に入った一番の理由です。

2.下回生時代
そんなわけで2020年の6月に入団した私ですが、当初は新型コロナ禍真っ只中。初練習も大学ではなく、甲子園近くの浜辺でした。そして練習は過酷なものでした。今までとは全く違う声の出し方、どこの筋肉を使っているのかも分からないサブの動き。入団して3日で喉が枯れ、全身が筋肉痛になりました。
そうして必死に食らいつく毎日を繰り返し、1年冬の強化練習期間に入りました。この強化練習が本当にきつかったです。冗談抜きで腕が折れるかと思いました。太鼓を叩いていると、いつのまにか手から血が流れ、太鼓の表面が真っ赤になっていました(ここから太鼓を雑巾で拭くまでが1セットでした笑)。それでも同期たちと励まし合い、なんとか乗り越えることができました。最終日の夜に団バッジを団長から受け取った時、本当の意味で応援団員になれたのだ、という達成感で心が満たされたのを覚えています。あと、その時OBの方からいただいた「雪苺娘」が非常に美味でした。ごちそうさまでした。

しかし下回生時代、辛いことも多くありました。同期が一時退部、休学、コロナの影響で練習に来られない。そうした事情もあって、一時は同期が誰もいない状態で先輩2人に練習を見ていただくという事もありました。この時期、全団員4人で終始無言でプランクをする練習が多くあり、どんな厳しい追い込み練よりもこの時の練習が精神的に厳しかったです。おそらく2年生の夏~秋にかけての時期が最も応援団人生で暗闇にいた場面だと思います。

さて、そうした苦悩を抱えながらも応援活動に励んでいた中、私が「応援団LOVE」になる決定的な出来事がありました。大学2回生の冬、とある大学のステージを初めて生で観覧しに行ったのです。それまで他大学の演舞を見る機会など全くなかった私は、力強い動きや声の大きさに圧倒され、全身に電流が走ったような感覚になったのを今でも覚えています。そこからは「もっと色んな大学の応援を聞きたい、見たい」という思いに憑りつかれ、応援の魅力にどっぷりとハマるようになってしまいました(貯金が一向に貯まらなくなったのもこの頃からです。神戸~関東って交通費かかるね笑)。3回生になり、渉外補佐になることを選んだのもこの時の経験がきっかけです。

3.幹部になって
そんなこんなであくせくしているうちに、あっという間に幹部としての最後の1年が始まりました。立候補した役職は「団長」。消去法で決めたわけではなく、「自分が大好きな応援の最前線に立ち、多くの人に元気を与えたい」という確固たる信念があったためです。その想いを常に忘れないよう、私はオーダーメイドで新調した学ランに「一闘入魂」の文字を刻みました。1つの闘いに魂を入れ込む、という私のモットーです。団長兼渉外として、偉大な先輩方が紡いできた糸をさらに太く、長くしていこう、そう決意しました。
余談ですが私は幹部就任以降、ミーティング等で自分の話を終える際「以上!」という決め台詞を使っていました。色んな方からこの台詞をいじられたのもいい思い出ですね笑。

そうして始まった幹部生活は波乱万丈なものでした。
連協祭では半年以上前から各大学の渉外と議論を重ね、開催に踏み切りました。話し合いをする時間が合わないこともあり、JR桜ノ宮駅の高架下でパソコンを広げていたことが懐かしいです。当日は阪急京都線が運転取りやめになってパニックになりましたが、渉外のみんなの助けがあり、最高の演舞会になったと思います。ありがとう連協!

そしてなんといっても、6年ぶりの東京開催となった今年の三商合同演舞演奏発表会です。渉外ミーティングでは決めることが膨大で、1回の渉外会議で「え~どうしよ~」という言葉が2・3回登場していたように思います。それでも演舞会当日、団長としてチーフを務めた際に渉外同期から野次を飛ばしてもらった時は「ああ、開催してよかったな」という気持ちがあふれてきました。一緒に運営にあたってくれた一橋と公大の応援部応援団仲間は大切な存在です!ありがとう三商!

応援活動についても、充実した毎日でした。選手たちが躍動する姿を全力で応援できたこと、そして感動の瞬間に何度も立ち会えたことは最高の思い出です。体育会の方々あってこその応援団です。応援団を必要としてくれること、そしてスタンドで一緒に応援してくれたことは感謝してもしきれません。ありがとう体育会!

4.感謝
ここまで色々と思い出を書き連ねてきました。1歩1歩歩んできた道です。その歩みをサポートしてくれた各方面の方々へ感謝の気持ちを書き表したいと思います。

OBOGの皆様方
4年間支えてくださり誠にありがとうございました。私達63代体制が応援活動に従事することができたのも、ひとえに皆様からのご指導ご鞭撻の賜物でございます。来年以降、今度は私達現幹部もOBOGとなる予定ですので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

60・62代の先輩方へ
時に厳しく、時に優しく接していただき本当にありがとうございました。宮脇さん、古田さん、山崎さんのお三方は常に私の理想であり、追いかけるべき存在でした。明日、成長した姿をお見せいたします。

同期へ
迷惑かけたり、まったく面白くないこと言ってあきれさせたりしたけど、本当に楽しかったよ。一緒の応援団でやれて良かった、心の底からそう思います。大好きやで!

渉外へ
支えてくれて本当にありがとう!他の大学でも頑張っている応援部・応援団の皆がいたからこそ、ここまでこれました!応援歌を一緒に歌ったり、朝早くスタジアムに集まって会議したり、一緒に演舞会について悩みあったり。心折れなかったのは間違いなく渉外のみんながいてくれたからです。4年間、オンラインの時期から本当にありがとう!

後輩たちへ
この1年間、ついてきてくれてありがとう。
この応援活動ができる毎日はとてもありがたく、貴重な出来事だという事を忘れないで欲しいです。今こうして全員で練習できること、試合応援に行って全力で声をだすこと、体育会の人達と笑い合って交流することはすべて「1回生の田代浩也」が夢見た光景です。あの当時の自分にとってはすべてが奇跡のようで、夢物語なんです。当たり前の応援ができる喜びを存分に味わって、次の世代にその楽しさをつないでいってもらいたいと思います。みんななら絶対やれるで!

5.最後に
こうして団長としての1年を振り返ってみると、やりたいことを全部やりきった達成感、そして支えてくださったすべての方々への感謝でいっぱいです。この1年間「一闘入魂」を胸に、人の幸せを願い、人の不幸に寄り添い続ける日々を送ってきました。明日で、現役生活は終わります。でも引退しても、1度応援団長やったからには死ぬまで応援団長だと思っています。これからも、人の幸せを願い続ける、そんな人間であり続けたいと思っています。

この4年間、辛いことも楽しいことも、酸いも甘いも経験してきた。
オンライン練習期間中、家で1人トレーニングに励んだこともあった。練習に来る同期が1人もいなくなったこともあった。でも今、俺はもう1人じゃない。俺の隣に、弓場鈴響、佐倉智之、辻悠花がいる。そして俺達にはこれを見てくれるあなたがいる。
同期、後輩、吹部、OBOGの皆様、渉外、体育会、文化総部、そして支えてくださったすべての方々へ感謝をこめて。

翔鷹祭まであと1日。学ランで闘う、最後の1日。

引退note、以上!


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