将棋の「伊藤園お～いお茶杯第６４期王位戦」（神戸新聞社主催）７番勝負第２局の前夜祭が７月１２日、対局会場となる神戸市北区、有馬温泉の旅館「中の坊瑞苑」であり、両対局者が旅館に宿泊したファン約２０人の間近で抱負を語った。神戸新聞創刊１２５周年、僚紙デイリースポーツ創刊７５周年を記念して企画した。
　藤井聡太王位（２０）＝竜王、名人、叡王、棋王、王将、棋聖＝は、ファンから贈られた「神戸タータン」柄のネクタイ姿で登場し「（勝利した）第１局は序盤からペースを握られ、とても苦しく長い将棋だった。よりよい将棋を指したい」。挑戦者の佐々木大地七段（２８）は「第１局で初めて２日制を体験し、形勢判断の甘さが出てしまったので改善したい」と語った。
　トークショーでは、デイリースポーツの松下雄一郎記者（５２）が司会を務めた。立会人の福崎文吾九段（６３）は、十段のタイトルを奪取した際の逸話や、体力と気力を要する２日制対局の戦い方を紹介。「藤井さんには負けたことないね。戦ったことないから」などとユーモラスな語りで会場を沸かせた。

　「伊藤園お～いお茶杯第６４期王位戦」（神戸新聞社主催）７番勝負第２局の両対局者が７月１２日午後、有馬温泉の旅館「中の坊瑞苑」内の対局室を検分し、インタビューに応じた。
　【藤井聡太王位】
－神戸タータンのネクタイを着用している
　ファンの人にいただいた。神戸にいらっしゃる際はぜひと言われたので、着用している。
－アマチュアの免状に羽生善治会長と連名で署名している
　最近はかなり多くの人に申請をいただき、免状に注目していただいているのはありがたい。一枚一枚、丁寧に手書きしていきたいと思っている。

　神戸市内の商業者有志らが、海と山に囲まれた神戸の街をイメージしたチェック柄「神戸タータン」を考案した。来年１月の神戸港開港１５０年に合わせて企画し、今後はポスターデザインや布地、文具などに幅広く活用することで街の活性化を図る。利用をＰＲする産官学の協議会も近く結成され、メンバーは「直感的に神戸を想起させるようなシンボルに育てたい」と意気込む。
　企画の中心になったのは、神戸・六甲アイランドで洋服店を経営する石田原弘さん（６０）と、同市中央区の元町商店街で革製品店を営む片山喜市郎さん（３３）。「神戸の街全体の統一感ある試みができないか」とシンボルとなる柄を提案した。
　神戸タータンは神戸港の青、歴史的な建物や真珠の白、ポートタワーの赤、六甲山の緑、アスファルトのグレー―の５色を正方形に組み合わせた格子柄。スコットランドの伝統的な模様だ。
　海外ではニューヨークやスリランカなど市や国のシンボルとして、世界中のタータンを管理するスコットランドの公的機関「スコットランドタータン登記所」に登録する事例があるという。神戸タータンも登録済みで、デザインやロゴは神戸ファッション協会の名義で商標登録出願中だ。
　地元の商店主や企業、大学などが準備に携わり、１０月中にも「神戸タータン協議会」を発足させる。入会すれば、デザインやロゴを自由に使えるが、市内での販売が原則。既に同柄を使ったスイーツや文房具、雑貨などの案が出ており、第１弾として、柄を使ったネクタイとポケットチーフの販売を近く始める。石田原さんは「一時のブームにするのではなく、街のために長く愛してもらえる取り組みにしていきたい」と力を込める。

　ミナト神戸をイメージして作られたチェック柄「神戸タータン」の人気が広がっている。大型雑貨店に設けられた特設コーナーの売り上げは当初予想の４倍を超え、採用した商品も４０アイテムに拡大。人気キャラクター・スヌーピーとのコラボ商品の発売も決まり、街はブルーのチェック柄に染まりつつある。
　神戸タータンは、神戸市内の商店主らが「地元の人が故郷を好きになるきっかけにしたい」と、昨秋に考案した。海の青色を基調に、六甲山の緑やポートタワーの赤色など５色でデザインされている。
　同時期に企業や百貨店などが設立した神戸タータン協議会への加盟企業も、当初の１０社から約４０社に増加。飲料メーカーからデザイン使用の申請もあるなど、進行中のプロジェクトも多いという。
　３月から神戸ロフト（神戸市中央区）に特設売り場を設けたところ、ハンカチが３週間で４００枚以上売れる人気ぶり。ほかに生産が追いつかず、品切れとなる商品もあった。