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音楽の秋到来 コロナ禍から生まれた「秘密のコンサート」

【※10月18日更新】
新たなコンサートの日程、内容が決まりました。11月15日(水)に「神戸・布引ハーブ園散策×コントラバス・ソロ♪」を開催します。

今回は神戸布引ハーブ園山頂にある森のホールで、神戸市出身でドイツを拠点に活躍するコントラバス奏者、幣隆太朗さんがバッハの無伴奏チェロ組曲第1番などを約40分間披露します。幣さんは昨春、六甲山の「風の教会」で素晴らしい演奏を聴かせてくださいました。

紅葉シーズンの布引の滝などを歩くハイキングありのコースと、ハイキングなしの2コースの計3コースを用意しました。

① ハイキングあり(紅葉の茶屋で昼食)
山岳ライターの根岸真理さんの案内で、新神戸駅から布引の滝、貯水池を巡り、昼食は登山道にある「紅葉の茶屋」で名物すき焼きを味わいます。ロープウェイに中間駅から乗り山頂へ。森のホールでコンサートを聴きます。終演後はご自由に園内散策を楽しんでいただけます。
【申し込みフォーム】
https://travel-worker2.appspot.com/course_info/show/kpt?course_code=23X5293

② ハイキングなし(ANAクラウンプラザホテル神戸でランチ)
山麓にあるホテルで開催中の北海道ブッフェでランチを楽しんだ後、ロープウェイで山頂へ。森のホールでコンサートを聴きます。終演後は、ご自由に園内散策を楽しんでいただけます。
【申し込みフォーム】
https://travel-worker2.appspot.com/course_info/show/kpt?course_code=23X5294

③ハイキングなし(ハーブ園内の展望レストランでランチ)
ロープウェイで山頂へ上がり、園内の「ザ・ハーブダイニング」で食用のエルダーフラワーで飾った前菜や魚料理のランチセットを味わいます。続いて森のホールでコンサートを聴きます。終演後は、ご自由に園内散策を楽しんでいただけます。
【申し込みフォーム】
https://travel-worker2.appspot.com/course_info/show/kpt?course_code=23X5295

下はツアーの告知記事です。

【※ここから元の記事です】
お元気ですか、ぶらっくまです。関西ではまだ最高気温30度以上の真夏日になるところもありますが、吹く風や空の高さに、秋の色が濃くなってきました。

秋になると「○○の秋」という言い回しが増えますよね。今回は、そんな「○○」の一つ、音楽の話題です。

神戸新聞社では日々の新聞発行、ニュース発信以外に、地域でいろいろな事業やイベントなどを行っています。その中に、2021年7月に始めた「秘密のコンサート 六甲山×クラシック」があります。

一言で表すと、神戸・阪神間に連なる六甲山系を舞台に、地元ゆかりのクラシック音楽家の演奏を楽しんでもらう企画です。開始時期は、新型コロナウイルス禍の真っただ中。コンサートをはじめ多くのリアルイベントが中止を余儀なくされる中で生まれた試みでした。まずは当時の記事をご紹介します。

癒やしの音色 大自然と調和/神戸のバイオリニスト2人山上で/本紙電子版にサイト

バイオリニストのマウロ・イウラートさん(左)と幸田聡子さん=神戸市須磨区横尾、須磨アルプス・馬の背

 自然の中へ音楽をテークアウト―。神戸新聞社は、神戸・阪神間に連なる六甲山系を舞台に、兵庫ゆかりの演奏家が奏でるクラシック音楽を、映像とともに発信する新サイト「秘密のコンサート 六甲山×クラシック」を電子版「NEXT(ネクスト)」に開設した。

 新型コロナウイルスの感染拡大によってコンサートホールの文化事業が大きく制約される中、地元アーティストの新たな表現活動の場とし、全国のハイカー憧れの登山名所、六甲山系の魅力を発信する場を目指す。
 第1作は、六甲全山縦走路の西端、最初のハイライト「須磨アルプス・馬の背」が舞台。出演は、神戸在住のバイオリニスト、マウロ・イウラートさんと幸田聡子さん。これまで個別に活躍してきた2人が初めてデュオを組み、1700年代フランスの作曲家ルクレールによる、バイオリン2本のためのソナタを演奏した。
 撮影は、神戸フィルムオフィスの協力で、新緑まぶしい4月12日に実施した。メガホンを取ったのは、神戸在住の映画監督で西宮を舞台に若い左手のピアニストを描いた近作「にしきたショパン」が話題の竹本よしさん。8年間コンビを組む明石市出身のカメラマン前田智広さんの映像美で切り取った。
 さらに今回はドローンの撮影にも挑戦。これまでに神河町主催のドローン映像コンテストでグランプリを受賞するなど自然風景の撮影に定評がある加古川市のドローンパイロット、藤城達也さんが見事な操縦技術で撮影した。ドローンならではの低空撮影が生み出す新たな画角で、須磨アルプス・馬の背をダイナミックに描写。海と山、そして地元・横尾の住宅街が近接する神戸ならではの特徴を凝縮したスペクタクルな映像に仕上がっている。サイトには映像とともに、出演者や曲目、ロケ地、撮影隊メンバーの紹介のほか、メーキング秘話を掲載している。

2021年7月13日付朝刊記事より抜粋
須磨アルプスの馬の背で、バイオリンを奏でる2人=神戸市須磨区横尾、須磨アルプス・馬の背
撮影隊の(左から)カメラマンの前田智広さん、監督・編集の竹本祥乃さん、ドローンパイロットの藤城達也さん=神戸市須磨区横尾、須磨アルプス・馬の背

記事にあるサイトは、下記リンクからどうぞ。サイト内の動画もぜひご覧ください!

深みのあるバイオリンの二重奏、哀愁を帯びたメロディー、野性的な岩肌が広がる「馬の背」の光景が不思議に調和し、叙情的な映像になっています。

神戸新聞の音声ニュース「めっちゃ兵庫」でも担当記者がメーキングの様子などを紹介しています。演奏の一部も聞いていただけます(番組は2021年7月10日放送分)。

21年の10月には、コロナの緊急事態宣言が解かれた合間を縫って、リアルコンサートも催しました。

「秘密のコンサート」リアル版 山歩きとバイオリン満喫

山麓で催されたバイオリン・デュオのコンサート=神戸市須磨区西須磨、須磨観光ハウス「味と宿 花月」

 電子版「神戸新聞NEXT(ネクスト)」で六甲山系の自然を舞台に音楽家が演奏する動画を配信中のサイト「秘密のコンサート 六甲山×クラシック」のリアル企画第1弾として、山歩きとバイオリン・デュオのコンサートを楽しむツアーが10月23日、神戸市須磨区の須磨浦公園周辺であった。秋晴れの中、約40人が息の合った弦のアンサンブルを満喫した。
 参加者はこの日、本紙連載「六甲山大学」でおなじみの山の案内人、根岸真理さんのガイドでロープウエー、リフトを乗り継ぎ、旗振山や鉢伏山を散策。展望台で明石海峡大橋や淡路島の眺望にも歓声を上げた。
 下山後、神戸市の迎賓館だった建物で、神戸在住のマウロ・イウラートさんと幸田聡子さんが和やかなトークを交えて演奏。須磨アルプス・馬の背で撮影された映像中でも弾いたバロックや、ピアソラのリベルタンゴを披露し、アンコールの「故郷ふるさと」では参加者も一緒に肩を揺らした。

2021年10月24日付朝刊記事より抜粋

翌22年春には、第2弾を催しました。動画配信だけでなく、建築家・安藤忠雄氏設計の「風の教会」を舞台にしたコンサートも同時に企画しました。

コントラバス奏者・幣さん「風の教会」で独奏/弦の響きと自然に癒やされ

「風の教会」で独奏を披露するコントラバス奏者の幣隆太朗さん=神戸市灘区六甲山町

 六甲山の山上散策とクラシックコンサートを合わせたハイキングツアーが5月20日、六甲高山植物園(神戸市灘区六甲山町)などを巡るコースで開かれた。建築家安藤忠雄さん設計の「風の教会」で、ドイツのオーケストラで活躍するコントラバス奏者、へい隆太朗さん=同市北区出身=の熱のこもった独奏が参加者50人を魅了した。
 兵庫県ゆかりの音楽家が出演する神戸新聞電子版NEXTの映像サイト「秘密のコンサート~六甲山×クラシック」のリアル版として、神戸新聞社が企画した。
 ハイキングは、神戸新聞連載「六甲山大学」のライター根岸真理さんが案内した。参加者は、六甲ケーブルの六甲山上駅から道中に植わるコアジサイなど草花の説明に耳を傾けながら歩いた。同園では見頃を迎えたクリンソウに歓声を上げた。
 コンサートでは、幣さんがバッハのチェロ組曲第1番などを披露。「チェロの曲を大きなコントラバスで弾くのは大変だが、ヨーヨー・マの演奏を聴いてからあこがれになった」と話し、重厚な弦の響きで教会を満たした。

2022年5月21日付朝刊記事より抜粋

六甲高山植物園で撮影した動画では、コントラバスの幣さんと、ミュンヘン国際音楽コンクールの三重奏部門で日本人として初優勝したピアニスト秋元孝介さん=西宮市出身=が共演しています。

神戸新聞NEXTの動画で、演奏する幣隆太朗さん(左)と秋元孝介さん=六甲高山植物園

動画は下記リンクから。新緑のブナやヒマラヤシャクナゲなどを背景に、春風を頬に受けるような爽やかな映像になっています。

その後、22年9月、23年5月にもコンサートを催しました。演奏は、第1弾「須磨アルプス・馬の背」編に出演していただいたバイオリニストのマウロ・イウラートさんと、神戸市在住のピアニスト佐野まり子さん。

コンサート会場は、イウラートさんが六甲山上の自宅敷地の森の中に作った野外ステージでした。下記は23年5月開催時の記事です。

森に響く名曲の調べ 自然と音楽に心癒やされ 

新緑に囲まれたステージで演奏を披露するマウロ・イウラートさん(左奥)と佐野まり子さん(右奥)=神戸市灘区六甲山町

 六甲山で自然や音楽を楽しむハイキングツアーが5月18日、神戸市灘区の六甲ケーブル下駅発着で催された。ラストには山上に住むバイオリニスト、マウロ・イウラートさんが自宅庭に建設した野外ステージでクラシックの名曲を披露。参加者43人が木立に響く弦の音色に聞き入った。
 六甲山系で兵庫ゆかりの音楽家が演奏する様子を映像で発信する電子版NEXTの「秘密のコンサート~六甲山×クラシック」の関連企画。ツアーは春と秋に催され4回目。
 イウラートさんは、ピアニスト佐野まり子さんとの協演でビバルディの「四季」の「春」などを披露。時折リズムに共鳴するように鳥がさえずり、イウラートさんは「楽器を弾いているとキツネやキジも現れる。特にバッハの曲が好きみたいだ」と山の生活を語った。テンポの良いモンティの「チャルダッシュ」では参加者も体を揺らした。
 ハイキングでは、本紙連載「六甲山大学」ライターの根岸真理さんが案内役に。朝の連続ドラマで取り上げられている牧野富太郎が命名したという植物などを紹介しながら、新緑が美しい山道をゆっくり巡った。ホテル神戸六甲迎賓館ではランチも楽しんだ。

2023年5月19日付朝刊記事より抜粋

そして3度目の秋。現在、第3弾となる新たな動画と、六甲山系でのハイキングコンサートを企画中です。詳細が決まり次第、神戸新聞の紙面や電子版「神戸新聞NEXT」等で告知させていただく予定です。

コロナ禍から生まれた、一風変わった「秘密のコンサート」に今後もどうぞご期待ください。

〈ぶらっくま〉
1999年入社、神戸出身。「秘密のコンサート」には今年5月に初めて仕事で携わりました。木立に囲まれた野外ステージでの演奏中、楽器の音色と競うように、あるいは共鳴するように、森の鳥たちが歌い始めた時は(文字通り、歌っているようでした)、鳥肌が立ちました(すみません、駄じゃれのつもりではありません…)。風や木々の音、鳥のさえずりといった自然と演奏が一体となり、体験したことのないひとときでした。