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英作文やライティングで一番多いミスとその対処法【裸名詞問題】

When I was college student, ・・・

 英作文の採点をしていて群を抜いて多いミスが上記の英文のようなものです。私がいくつか出している英検ライティングに関するYouTubeのコメント欄には、英検ライティングの添削依頼がたくさん送られてきますが、その中の70%以上がこのミスをしています。10件中7件です。
 名詞には「数えられる名詞(可算名詞)」と「数えられない名詞(不可算名詞)」があります。辞書を引くと、ⓒと書いてあるのが可算名詞でⓤと書いてあるのが不可算名詞です。名詞には「単数形」と「複数形」があると聞いたことがあると思いますが、それは「可算名詞」の話で、言い換えれば、
「可算名詞」は 単数形 か 複数形 のどちらかにしなければいけません。
 上記の英文で言えば、studentは「可算名詞」なので、a student(単数形)かstudents(複数形)にしなければいけません。今回は主語がI(単数)なので,
それに対応するa student(単数)を選ぶということです。

可算名詞と不可算名詞のルール10箇条

  1. 可算名詞は必ず単数形か複数形のどちらかにする

  2. 不可算名詞には不定冠詞(a,an)をつけられない

  3. 定冠詞のtheは可算名詞にも不可算名詞にもつけられる

  4. 不可算名詞には複数形は存在しない(末尾に-sをつけられない)

  5. 不可算名詞にone, two, などの数詞をつけられない

  6. 不可算名詞にmany, fewは使えないが、量を表すmuch, littleは使える

  7. a lot of, some, any, noは可算名詞にも不可算名詞にもつけられる

  8. 同じ語でも意味によって、可算名詞で使ったり、不可算名詞で使ったりすることがある(例えば、workは「仕事」の意味では不可算名詞を表しますが、「作品」の意味では可算名詞を表します。つまり、many worksと言えば「たくさんの作品」、much workと言えば「たくさんの仕事」になるということです。)

  9. 不可算名詞の中には、形容詞がついて具体化するとaがつけられるものがある(例えば、lunch(昼食)→an early lunch(早めの昼食) education(教育)→a good education(立派な教育)など。注意点として、progress(進歩)は形容詞が前についても絶対にaをつけません。例えば、make rapid progress(急速な進歩をする)など。)

  10. 不可算名詞の反復に代名詞oneは使えない This advice is more useful than that advice[×that one].

この10箇条は絶対覚えてください。コピーして英作文用のノートの裏表紙とかに貼っておいてください!!

名詞は面倒?名詞を使うとミスが起きるので、なるべく名詞を使わずに済む裏技

 日本語の表現ってやたらに「名詞」が多いんですよね。日本語は表現をするときに「名詞」化して抽象的にしたがります。一方英語は、主語や動詞を用いて「絵がイメージできる」具体的な表現の方向にもっていきます。
(例)
日本語:彼の走りは最後まで諦めない素晴らしいものだった。
→His run never gave up until the end and was fantastic.
   (His run was fantastic, never giving up until the end.)
※日本語をそのまま英語にすると上記のようになりますが、never give upの主語はhis runではなく、あくまでheなので文法的に正確で無い英文です。「彼の走り」という抽象的な語句を主語にしたことで、主語と述語の関係を正確に対応させる必要が出てきてしまい、英文を作るのが難しくなってしまいました。
英語:彼が最後まで諦めずに走ったことは素晴らしかった。
→It was great that he did not give up and ran until the end.
「何か(It)が素晴らしかった(was great)んだよ~。あ、その何か(It)って言うのはね、彼が決して諦めず最後まで走ったこと(that he did not give up and ran until the end)なんだよ~」という風に、具体的に文で説明をしています。「何か」の中に要素を文で書いているために主語と述語の対応をバラバラで考える必要もなく、シンプルで書きやすいですね。しかも、彼の様子が具体的に絵でイメージできます。「彼の走り」を主語に概念的にイメージするのではなく、「彼がどんなふうに走っているか」を具体的にイメージするのが英語です。
 
 文ではなく表現で考えてみても、日本語では「国際情勢」と名詞化して表すものも、英語ではwhat’s going on in the worldと表します。英語には動詞があり、動詞があるから時制があります。動詞があって初めて言葉がイキイキと活性化してきます。what was going on at that time とすれば「当時の状況」になりますし、What’s going on here?と言えば「みんな、何やってるの?」と目の前の様子に目を丸くして発する言葉になります。時制や状況を使い分けることで表現 の幅が広がるんですね。一方、international situation(国際情勢) や campaign pledges(選挙公約)だと、使う上で硬くて冷たくて扱いにくい感じがします。ちなみに「選挙公約」を英語で書くなら、what S said S would do during one's election campaign(SがSの選挙運動の間にすると言ったこと)が具体的な絵がイメージでき、わかりやすいですね。

 ちょっと話が逸れました。英作文をするときに「名詞」を使うと「ミスが起こりやすい(可算名詞・不可算名詞)」「表現の幅が広がりにくい、具体的な絵をイメージし辛いので、自分の意見では使いにくく、一般論や事実の時にしか使えなくなる」といった問題が出るので、名詞を使わない方法を学びましょうということを言いたかったのです。

「名詞」の「~さ」を表現する方法 (例:本の厚さ、夏の暑さ、彼の優しさ)

例題1 彼らには冬の北海道の寒さが想像できないだろう

これを直訳するときに、「冬の」を表すときに、winter'sで前から修飾?それとも、「寒さ」を英語にした後に後ろからof winter/in winterで修飾?と悩んだり、「北海道の」はHokkaido's、of Hokkaido、in Hokkaidoのどれ?と悩んだり、そもそも「寒さ」はcoldness?the coldness?あれcoldnessって可算名詞だっけ不可算名詞だっけ?と悩む人、少なくないと思います。

ここで裏技を伝授^^
「名詞」の「~さ(元形容詞の名詞形)」を表現するときには、
how+「形容詞(「~さ」を形容詞にする)」+「名詞」+be動詞でOK!

具体的に説明すると、
「この本の厚さ」直訳:the thickness of this book
→how thick this book is
「この本がどれほど厚いか」という間接疑問文にしてしまうということ。

今回の問題に当てはめると、
「冬の北海道の寒さ」を「北海道は冬がいかに寒いのか」と言い換えて、how cold Hokkaido is in winterという1つの名詞節(名詞のカタマリ)にしてしまいます。

彼らには冬の北海道の寒さが想像できないだろう
They cannot imagine how cold Hokkaido is in winter.

似たパターンで、
例題2 30年ぶりに故郷を訪れてその変わりように驚いた

この問題も上と同じように、
(故郷の)変わりよう→(故郷の)変わった様子→(故郷が)どれほど変わったのか
と言い換えていけば
how much it had changed/the way it had changed と書けますね。
これがなぜ過去完了になるか分からない人もいそうだな~。

文を前半と後半に分けて、
(前半)私は30年ぶりに故郷を訪れた (30年の中で初めて訪れた)
I visited my hometown for the first time in thirty years

(後半)そしてその変わりように驚いた。(変わった最終地点は訪れた時(過去)。訪れた時(過去)には既に変わっていたので過去完了を用いる)
and was surprised at how much[the way] it had changed.

「名詞」の「欠如」を表現する方法 (例:思いやりの欠如、忍耐力の欠如)

例題3 このことは現代の若者の忍耐力の欠如を表している

これを直訳するときに、忍耐力は確かpatienceだから、忍耐力の欠如はlack of patienceかな?あれ、冠詞は必要だっけ?前置詞もofでいいのかな?待てよ、patienceの反対でimpatienceを使って書いた方がいいかな~、と悩む人、少なくないと思います。

この「名詞」の「欠如」については、
→not+「名詞を形容詞化」で解決!

「忍耐力の欠如」を「not 忍耐強い(形容詞)」にしてnot patientで解決!日本語は名詞の方向にもっていき、英語は主語+動詞の方向にもっていくので、主語+動詞(be動詞+形容詞)で表していくだけです。

このことは現代の若者の忍耐力の欠如を表している
This shows that young people today are not patient.


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