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【保育士実技試験】令和6年前期【2024年】造形試験の傾向と対策・練習方法。めざせ一発合格!

こんにちは。保育士試験造形対策講座のしろうずです。
この記事では令和6年前期の試験の傾向と対策、練習方法について、お伝えしていきます。

なお、本記事にはプロモーションが含まれます。


動画はやや簡単に説明しています。動画解説はこちら


過去の試験傾向について

前回、令和5年(2023年)後期試験(クレヨン遊び)の傾向は、その前の令和5年前期試験(雨の外遊び)と比べると自由度が比較的高く、簡単であったと言えます。例年通り(令和4年後期水準)といった印象です。

ただし、ポーズとしては、子どもたちが床に絵を描いている状態を描く必要がある、つまり、しゃがんでいるポーズor寝っ転がっているポーズを描く必要があり、立っているポーズばかり練習していた方は、その点が若干難しかったかもしれません。

前回(令和5年後期)の試験問題はこちらです。

問題
【事例】を読み、次の3つの条件をすべて満たして、解答用紙の枠内にその情景を描きなさい。
【事例】
N保育所の2歳児クラスの子どもたちが、保育室の床の上に広げられた模造紙に、クレヨンで自由に線を描いたり色を塗ったりしています。保育士は、そばで子どもたちのつぶやきを聴きながら見守っています。
<条件>
1.【事例】に書かれている保育の様子がわかるように描くこと。
2.子ども3名以上、保育士1名以上を描くこと。
3.枠内全体を色鉛筆で着彩すること。

なおその前の令和5年前期の試験は、自由度が低く、その点で難易度が高めでした。指定が多かったために受験生の多くが苦戦されたようです。出題者の意図としては、それまで曖昧だった問題文を、指定を細かくすることで簡単にしようと思ったのでは、と推測していますが…。試験の難易度としては逆に上がってしまったと言えます。問題と解説はこちらです。

出題傾向が令和4年後期水準に戻ってきたことから、令和6年前期についても、前回と同水準の難易度の試験問題が出ると思われます。

なお、令和4年後期よりスタートした形式、「事例」で具体的な保育の場面の状況が描かれ、「条件1」で「事例に書かれている保育の様子がわかるように描くこと」という指定をする、という出題形式は今後もしばらく続くものと推測しています。それ以前はテーマに沿ってただ遊んでいる絵を描けばよかったのですが、この出題形式では事例をそのまま表現するため、やや指定が細かくなっています。つまり令和4年後期より難易度としては若干上がったままである、ということになります。
なお令和4年後期の解説はこちらです。


合格ラインの変化は?

令和5年前期と後期、それぞれの合格作品を拝見し、比較しての印象ですが、これも前回と変わらず、これまで通りの合格ラインだと考えています。

ただし、5年くらい前に比べると少しずつ合格ラインの難易度が上がってきている気もします(確証はありませんが印象です)。人物全員の基本的な形が描けている必要があったり、色塗りもある程度の丁寧さが求められたりと言ったところで少しずつ難しくなっていると感じます。

付け加えると、高得点は、より難しくなっている気がしています。人体の形が描けているだけでなく、きちんと色塗りも丁寧にしっかりつけないと40点代には到達しない印象です。

ただし、前回・前々回を比較すれば、合格ラインについては概ね変わらないと言えます。極端に基準が難しくなったり、スキルにおいて要求されていることが変化したりしているわけではありません。

合格ラインの絵とは?

では合格ラインの絵はどんな絵なのでしょうか。実際の合格作品はこちらを見ていただければと思います(投稿してくださった受験生のみなさん、ありがとうございます!)。

さて合格作品に共通する部分を言葉で説明すると、およそこんな所がクリアされている絵が合格できています。

1人体の基本的な形が描けていること(全員)
2何をしている様子かが分かること
3色塗りが一通り終えていると感じられること

特に1と2が大事と思ってください。これは毎回お伝えしていることですので、すでに他の記事を読まれた方は、耳にタコです、でしょう。

しかし、これができないと何度も不合格になってしまう点にご注意ください。いくら頑張って練習しても何度も不合格になってしまうという方がいらっしゃいますが、その方はここがクリアされていないからです。

●なぜ不合格になり続けるのか?

実技試験に1度目で合格できないと不合格になりつづけやすい説(だから一発で合格する必要があるのです!説)をどこかで見ましたが、実技試験の対策って、実は簡単ではありませんので、必要なスキルが受験生の不得意なことだったりすると落ち続けてしまう…というのがその説の真相だと思います。

考えても見てください。音痴な人が、すぐに音程通りに歌えるようになるでしょうか?また話し下手で抑揚がうまくつけられない人が、短期間で立板に水を流すが如く、子どもたちが喜ぶようなお話の仕方ができるようになるでしょうか?そういうことが造形試験でも起こっている、ということです。

つまり、絵を描くことそのものが不得意であるにも関わらず、造形試験を受験せざるを得ない方が一定数いらっしゃるということなんです。

あるいは絵は得意とご自身では思っているが、試験で求められているスキルがそこではないということもあります。これは落ちないと自覚ができませんので厄介かもしれません。絵画と造形試験の決定的な違いは、やはり人物の形がある程度写実的に描けていること。ここが押さえられていなければ、いくら素晴らしい配色をしたりピカソのゲルニカのような素晴らしい絵を書いたりしたところで、落ちます。

ずばり、不合格になってしまう原因は、「人体の基本的な形が押さえられていないこと」の一言でまとめられます。ここができてないからこそ落ち続けてしまうのです。

●不合格になってしまう絵とは?

具体的な不合格になってしまう絵についてはこちらを参考にしてみてください。こんな絵が不合格になるんだな〜という具体的例を示しています。

(なお掲示板にも不合格の方が投稿してくださっていますが、恥ずかしい気持ちを抑え、勇気をもって投稿してくださっていることに感謝したいと思います。なお掲示板に投稿された作品の引用、転載は厳禁です!)。

造形試験の練習の進め方

では不合格にならないために、どのように造形試験は練習していったらいいでしょうか?

1)人体のポーズをポーズごとに練習する
2)45分で絵を色塗りまで終わらせる練習をする

これを同時に進めていきましょう。

直近の試験では、「壁に向かって豆まき」や「雨水を溜めている」「床の上に広げられた模造紙に絵を描く」など特定のポーズが要求されています。得意なポーズだけ練習していれば合格できる試験ではなくなっています。ですので、応用の効くポーズ数点をきちんとマスターする必要があります。

また45分の本番と同じ条件で練習することも試験で合格する上では必須です。思っている以上に45分は短いですから、この練習も繰り返し行う必要があります。

練習の頻度については、人体のポーズは毎日コツコツ練習していただきたいですが、色塗りまでの45分はなかなかまとまった時間を取るのが難しいかもしれません。といっても週2回くらいは取り組みたいところです。1度に45分の時間を取るのが難しい方は下書きまで描いて、その後の工程を別日に行う、でも良いでしょう。

1.人物の描き方を練習する

まず人体のポーズを練習しないといけないわけですが、その前に。線や形がブレブレになってないでしょうか。人が人らしく見えるためには大事な所なので線は安定させましょう。うまく描けない方は、直線、○や□の練習を繰り返し行ってトレーニングしておきましょう。

人体のポーズの練習を進めていくにあたって、人体のバランスを感覚的にでも良いので理解しておく必要があります。全く描いたことがない方は、大体こんなバランスで描いたら良いですよ、ということをこちらの動画ではお伝えしていますので参考にしてみてください。

ただこの動画にも問題はあって、初心者はロボットのような絵になってしまうのが欠点。人体らしく角を取る必要がありますし、表情や動きも必要です。

ですので、短期間で人体を描けるようになるには、お手本の真似が速いでしょう。

●お手本を真似しよう!

お手本を真似するとして、どんなお手本を選んだら良いでしょうか?

まず、「自分でも描けそうだな」と思えるお手本を選びましょう。上手すぎて「どう描いているのか体の構造が理解できない」と感じるようなお手本は避けてください。構造が理解できない絵は絶対かけません。ですので、あ、これなら描けそう!とピンとくる絵にしましょう。

あるいは「この人の絵描いてみたいな」でもいいでしょう。とにかく簡単に思えてかつ自分でも真似して楽しい絵がベストです。楽しくないと練習する気持ちもダダ下り。楽しいことは大事です。せめて楽しめないにしても、これならできる、と思えないと目標が高くなって苦痛を感じがちになります。

次に特に初心者の方は、関節が曖昧な絵は避けましょう。関節が曖昧な絵は、初心者の方はバランスが崩れると、かなりおかしな絵になってしまうことがあるのです。これは合否に大きく関わる部分ですので、結構大事なポイントだと思っています。関節がなくても初心者の方が真似しやすい絵は沢山あるのですが(かわいいイラスト集などに多いですね)、合格ラインギリギリの方が真似してしまうと危険だと思っています。関節は極力つくりたいところです。

●お手本の中から汎用性の高いポーズを繰り返し練習

初心者がいきなり数多くのポーズをマスターするのはハードルが高いと思います。ですので、汎用性の高いポーズをいくつかマスターしておきましょう。

方向としては
・正面向き
・真横

が初心者には描きやすいと思います。その上で

・立っている
・歩いている
・走っている
・しゃがんでいる
・椅子に座っている

などが揃っていればベストです。そんな都合の良いお手本がこれですね!(宣伝です)

こちらのテキストは、人体を簡単な形に置き換えて描くことで、初心者でも描きやすいお手本となっています。どのポーズも図形っぽく考えている点が理解しやすいポイント。これを繰り返し練習してみてください。

また、「見ただけではうまく描けません!」という方のためにドリルもつくりました。人体をトレースすることで比較的簡単に練習することができます。*なおこのドリルは初心者の多くの方のつまづきポイントを解消するのが目的。線の安定、構図練習や塗りの練習もできるのがお勧めポイントです。

もちろん、無料で頑張りたいには、こちらの過去問のノーカットチャレンジ動画をオススメします。初心者でも比較的描きやすいポーズを意識して描くようにしています。試験ごとに動画が増えますのでかなり充実してきました。こちらの中で使えるポーズを繰り返し練習してマスターしましょう。

2.45分で絵を色塗りまで終わらせる練習をする

●道具について

いよいよ色塗りまでトライするわけですが、事前準備として道具は必要ですね。道具はこちらの記事を参考にしてください。なお色鉛筆はもう1種類を足して比較検討する予定ですが、まだできていないので現時点でのお勧めになります。

●45分練習の進め方

45分練習では構図を決めて、下書きをし、輪郭線を描き、その後色塗りをする、という手順で行います。初心者が構図を決める時のポイントは

・あまり細かく人体を描くのではなく、大まかな形で描く
・人物同士はできるだけ重ならないように描く

最初から細かく描いてしまうと、人物同士の位置調節が難しくなってしまいます。後から修正すると時間が足りません。大まかな形で全体を見ながら人物を配置していきましょう。

また、初心者の多くは人物同士が重なると人体の形が狂いやすいので、できるだけ重ならないように描くと良いです。重ねて描くのは初心者の方にはハードルが高いようです。人物が重ならないようにすると構図としては難しくなるというデメリットもありますが、初心者の方は、まずは人体の形が狂わない方を優先した方がいいと思います。

こちらの記事では、45分の練習の具体的な進め方を記載しています。使い勝手の良い構図も掲載しています。

初心者の方で構図が苦手な方には、先ほど挙げた「造形ドリル」をお勧めします。構図を描く手順を、上記の記事よりさらに細かく説明、かつ実際に描く練習ができます。習得するまで時間がちょっとかかるかもしれませんが、苦手な方にはこのくらい基礎から徹底するやり方がいいのではないかな〜と思います。

●色塗りについて

色塗りについては、こちらの動画も参考にしてみてください。どんな塗りかたが良くないのか、どう塗ったら良いのかをお伝えしています。

*動画では斜めに塗ると言ってますが、斜めでなくても1つのエリア内を同じ方向で塗れば良いです。

配色についてはこちらの動画を参考にしてみてください。


練習は早めのスタートを!

絵を描いた経験がほぼない方は、とにかく早めにスタートしましょう。筆記試験が終わってからだとちょっと間に合わない場合も…。かなり多くの方が筆記試験後の練習のみで一発合格しているのも事実ではありますが、そもそも苦手な方や未経験の方が2ヶ月弱で合格するには、残念ながらかなりハードルが高いです。

絵を描く技術はそんなに速くは上達しません。寝かせる必要があるといいますか。練習しつつ、その中で気付き、発見をしていく必要があるという感じなのです。「あ、ここはこうやってやるとうまくいくな〜」みたいな感覚はすぐには育たないので、ちょこちょこと手を入れて育ててあげる必要がある気が致します。

だからこそ、とにかく早め早めのスタートをというのがしろうずの見解です。絵心はちょこちょこと育ててあげよう!

それでは皆様の合格をお祈り申し上げます!頑張っていきましょう!



★しろうずのテキストはこちらよりご購入できます!2月4日現在は
・「顔と人体の描き方のキホン」
・「造形ドリル」
が販売中です。他の商品は2月下旬販売を予定しています。

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