ドゥレッツァは名馬の予感


中距離馬に見える馬体で菊花賞を勝ったドゥレッツァは、大袈裟に感じられるかもしれませんがディープインパクトに通じるものがあります。

菊花賞のレース回顧は別に出しますが、あまりにもドゥレッツァのパフォーマンスが高かったのでここで書いておきます。

長躯短背

英語で言うとShort-coupled horse
背中側が短くて丸くえぐれたようになってお腹側のラインよりも短い馬の馬体構造。
名馬に多い馬体構造です。

体重をしっかり支えられる背中。
斤量にも強い傾向にある構造ですが、心配な点もあります。
身体が硬い馬は前後の連動が上手くいかず、馬が背中で「スイング」(前後に良く動く)できないとストライドが小さくなります。
長躯短背の馬で距離に融通性があるかどうかは走っている姿を見なければいけません。
特に勝負所で加速している時に前脚、後脚がどれだけ伸びているか、伸縮性を見るのです。
伸縮性のある馬は優秀です。
さらに、道中に普通のペース(巡航スピード)で走っている時に力んでいなければ距離に不安はありません。

あのノーザンダンサーも長躯短背でした。
"He was short-coupled, but I tell you — he was an awfully quick horse,"

ドゥレッツァにもレースで追い込む脚の回転の速さと柔らかさから優秀な事はわかっていました。
それでもここまでスゴイ馬だとはわかっていなかった(無能)
菊花賞の評価では『私は3着候補に考えるが1着もありえる怖い馬』と見る目のなさを露呈してしまった馬です(泣)

ドゥレッツァ

この菊花賞の完勝はある馬を思い出させました。

フィエールマンとディープインパクトです。


フィエールマンとディープインパクト


『首が太く、たてがみの付け根が盛り上がった短・中距離体形』と某新聞紙。
そして今回ドゥレッツァを推したやーしゅん氏でさえも
『本質的には2000~2400m位が合っている体型で、ステイヤーといったイメージではない』
と評価されたのがフィエールマンでした。

フィエールマンの菊花賞馬体写真

3000m以上のGⅠを3勝しているのでステイヤーというイメージが強いフィエールマンですが菊花賞前は中距離馬という馬体評価でした。

フィエールマンも菊花賞前に多くの方が見誤っていた馬でした。

優秀過ぎる馬になると距離適性があまり関係なくなります。
速い脚もあるので2000mにも対応できるし、道中もゆったりとしたフォームで他の馬と同じスピードで走れる。
他の馬よりも燃費に優れているので最後に速い脚を使う体力が残っている。

ステイヤーは道中のスピードで中距離のペースについて行けないがゆっくりとしたスピードでながーーーく走れる。
スプリンターは速く走れるけどすぐに息切れする。

菊花賞のドゥレッツァも道中で燃費のいい走りをしながらも先頭を走ってしまうくらいスピードを出せた。
上り1位なので他の馬との比較でも残り600m時点でのスタミナは十分に残っていました。
ハッキリ言ってレベルが違った。
何頭か無駄に動いて自滅した馬もいましたが、明らかな力の差があったのが先頭で走っての上り1位。


で、フィエールマンなのですが、私の個人的な見解ではディープインパクトらしい後継者になると見ています。

馬体的にも春のクラシックを勝ったディープインパクト産駒はもっと筋肉がついていて硬さが見られます。
その点、フィエールマンは母方のフランス血統のおかげか、3歳春に仕上げなかったおかげか、筋肉の柔らかさが古馬になっても残っていました。

ディープインパクト
ダービーの馬体写真

ディープインパクト産駒の中でも一番ディープインパクトに似ているのがフィエールマンだと思うんですよ。

ドゥレッツァの可能性

ドゥレッツァはそのフィエールマンと同じプリンスリーギフト系のラインゴールドを母に持っています。
この血が結構重要なんじゃないかと思うのですが、勉強不足でまだハッキリと説明できません。
以前は重いとも言われていたラインゴールドの血ですがフィエールマンとドゥレッツァではうまく作用しています。
これは子供たちに距離の融通性や運動神経の良さとして伝わりそうです。

こういう長躯短背で強い馬は馬場不問、斤量耐性も高いのでドゥレッツァはこの後もGⅠをいくつも勝てるんじゃないかと思います。
レースは相手と展開があるので勝てるとは言えないがあと3つ4つ勝ってもおかしくないレベルだと思っています。

種牡馬としてもノーザンダンサーやディープインパクトのように母馬のいい所を取り入れて成功すると確信しています。

名馬誕生ですわあ。

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