株:4月30日 アドバンテストが決算で下げた
このnoteは素人の妄想の垂れ流しであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものでもなく、将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものでもない。
最終的な投資決定は読者ご自身で判断するっス。
この記事にそそのかされて売買しないでスー、せんきゅー。
雰囲気で上がりすぎた銘柄の一つアドバンテストが3月の高値7380からだいぶ下げて1月18日ごろの5389まで下がっていたのに決算でさらに下げてしまった。
ラジオ日経での鈴木さんの解説を参考に見ていく。
アドバンテストの決算
2023年度連結決算
売上高
4,865億円(前年度比13.2%減)
利益
営業利益:816億円(前年度比51.3%減)
税引前利益:782億円(前年度比54.4%減)
当期利益:623億円(前年度比52.2%減)
為替レート及び海外売上比率
米ドル:143円(前年度134円)
ユーロ:155円(前年度140円)
海外売上比率:95.9%(前年度96.3%)
2023年4月~2024年3月の世界経済は、コロナ後の正常化が進展する一方で、欧米を中心とした金融引き締め政策や中国経済の成長鈍化の影響を受け、減速傾向となりました。この状況を受け、スマートフォンやパソコン、テレビなどの主要民生機器の需要は停滞し、データセンターへの投資も減速しました。
一方、半導体市場においては、AI関連など一部の分野では需要増加が見られ、半導体売上高は下半期には増加に転じましたが、年間を通しては前年度と同水準となりました。
2021年5月に公表した第2期中期経営計画(2021~2023年度)においては、半導体テスト関連市場の拡大を背景に、経営指標を上方修正していました。しかし、後半に入り半導体市況が弱含んだため、民生品向け半導体試験装置需要は前年度比大幅に落ち込み、利益目標を含む一部指標の達成はなりませんでした。
半導体・部品テストシステム事業部門では、SoC半導体用試験装置は自動車や産業機器関連などの成熟半導体に向けた売上は堅調でした。
しかしながらスマートフォン市況の停滞やサーバー投資の減速から、それらに関連する高性能な半導体に向けた 売上が落ち込みました。
メモリ半導体用試験装置の売上については、高性能DRAMに向けた旺盛な試験装置需要や中国メモリ企業向け売上の伸長により前年度を上回りました。
利益面においては、減収に加え、製品ミック スの変化や原材料費の上昇もあり、当セグメントの収益性が低下しました。
メカトロニクス関連事業部門では、半導体試験装置の需要減少を背景に、関連するデバイス・インタフェース製品、テスト・ハンド ラの売上が減少しました。
サービス他部門では、当社製品の設置台数の増加に伴い保守サービスの売上は伸長しました。
しかしながら、システム レベルテスト事業においては、中長期的な事業成長を見越した生産体制強化の取り組みによるコストが増加しま した。
加えて、テストソケットに関連するEssai, Inc.のビジネスにおいて大口顧客向け売上予想が落ち込み、想 定していた将来キャッシュ・フローの見通しが悪化したことで、のれんの一部減損損失約90億円を計上しまし た。
これらの結果、当セグメントの利益額は前年度を大幅に下回りました。
2024年度連結業績予想及び今後の事業展望
1. 連結業績予想
2024年度の連結業績予想は以下の通りです。
売上高:5,250億円(前年度比7.8%増)
営業利益:900億円(前年度8.5%増)
税引前利益:890億円(前年度13.7%増)
当期利益:670億円(前年度7.0%増)
予想為替レートは、米ドル140円、ユーロ155円としています。
2. 業績予想の背景
半導体需給の改善とAI関連投資の活発化による半導体市場の回復
高性能DRAM試験装置の旺盛な需要と、SoC半導体用試験装置の後半からの需要増加
各事業における効率化とコスト削減
3. リスク要因
世界経済の景気後退
地政学的リスクの拡大
急激な為替変動
米国による半導体製造装置対中輸出規制強化の影響
4. 今後の事業展望
中長期的には、半導体市場は更なる成長が見込まれます。当社は、以下の施策を推進することで、この成長市場において競争力を強化し、さらなる業績向上を目指します。
AIや5Gなどの次世代技術に対応した高性能半導体試験装置の開発
グローバル展開の強化
徹底したコスト削減
研究開発への投資
鈴木さんの指摘する悪かった事
アドバンテストは2022年7月に2023年度の売上高見通しを4650~6050億円に見ていたが実際には4865億円で予想の範囲でも下限に近い数字だった。
半導体市場は2022年の10-12月期から在庫調整が強まった、その直前に売り上げ見通しを引き上げたのだが、その見通しを今まで引っ張ってしまって結果的に下限の所で決算が着地した。
それで13%の減収。
先々の動きを見ながら慎重に予想を立てるアドバンテストとしては珍しく読み筋を外してしまった。
先読み巧者のアドバンテストでも読めないほど難しいコロナ以降の市場。
さらに、今年1月の時点で2024年度の市場予想を出していたのだが、ここでもSoCテスタ市場の予想を:約33~36億ドルとしていたのを29~32億ドルに下方修正。
メモリ・テスタ市場の予想は13~16億ドルから14~17億ドルに少し上昇修正したが、SoCテスタ市場の下方修正の方が大きい。
高性能DRAMやシステムオンチップに関しては需要改善の兆しが見られるが、自動車産業の設備投資が一服し始めていて、さらにスマホやPCの回復はさらに後ずれしそうだ。
事業環境に関して不確実性が高いとみている。
(素人:株価というのは将来への期待で上昇する。
1月の決算で出した半導体テスタ市場が大きかったのでその期待も込めて株価は上昇した。
それだけではないが、けっこう重要な要素だったのは間違いない。
その期待していた市場規模が小さくなるというのだから株価は1月の水準より下がってもおかしくない)
個人的に気になる事
まずはどこまで下がるか?
2650円以下で持っている人が50%いる。
次に多いのが去年の6月から今年の1月までヨコヨコしていたレンジ、4000~5100円の間。
日足ではイチモクの雲を下抜けているので、好材料が出なければこの決算をふまえてしばらくは低迷しそう。
ただ、NVIDIAの値動きに反応していた時もあったのでその名残も見せるかもしれない。
アドバンテストが予想する2024年の事業環境と半導体テスタ市場の動向から、
『2024年の半導体テスタ市場は、HBMなどの高性能DRAMや、HPC/AIなど高機能 半導体向けを軸に、需要の増加への期待は不変ですが、スマートフォンやPCなど 主要な民生機器向け需要の低迷は長期化しており、回復の時期について不透明感 が継続しています』
アメリカのレノボは去年12月の決算でPCの需要が回復傾向にあるとみていたし、デルも3月の決算でPCのリフレッシュサイクルに強気の姿勢だった。
今年の後半から需要はもっとハッキリと回復してくると思うのだがいかに?
『2024年のSoCテスタ市場規模は、29億米ドルから32億米ドルのレンジと、3か月前 の想定からおよそ4億米ドル引き下げました。これまでの高水準な設備投資がなさ れた自動車や産業機器関連では、これまでテストキャパシティの拡充が進みまし た。それに従い成熟半導体向けの顧客での設備投資は一服が見込まれ、今後のテ ストキャパシティ消化に伴い、新たなテスタへの需要も弱含みを見込みます』
自動車や産業機器関連での設備投資が一服。
つまり設備投資に関わる企業も影響を受けているという事ですね。
『2024年のメモリ・テスタ市場は、14億米ドルから17億米ドルのレンジと見通しを 1億ドルほど引き上げます。高性能DRAM向けの領域では、顧客の生産計画の増加 や、品質保証強化の動きに連動した顧客の強い需要は2025年にかけても続くとみ ており、高い成長率を見込みます。不揮発性メモリ向けのテスタ需要は年後半か ら緩やかに回復するものと見込みます』
高性能DRAMは生成AI関連ですね。
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