中山競馬場は難しい 2.騎手にとって難しいコースは賭けるのも難しい

*芝レースの話です*


まとめ

1で述べたように1列目と2列目の1,3番手(DEGHのポジション)が普通は有利。
しかし、そのポジションを取りやすい内枠の成績が良くない冬中山開幕週。
その原因は4コーナーのレイアウトにある。
コーナーで加速するのが苦手な馬には不利。
大きなストライドの馬が内側でも不利。
展開面でも内の先頭の馬達の後ろの馬が不利を受けることがある。
結論
考えるな、適当に中山実績のある穴馬を買え。
迷ったら人気薄。

冬中山は開幕週だが内有利でない

冬の中山、阪神、中京の開幕週を良馬場限定で比べてみた。
冬中山は1枠はともかく、2,3,4枠の勝率が悪く、5から外枠の勝率が良い。
複勝を含めて最も悪いのは4枠。

冬阪神は勝率に関しては明らかな内有利。
8枠の成績が良くなく開幕週らしい傾向

冬中京は1枠は悪いが2,4枠が良く全体的に内有利。3競馬場でもっともコーナーがキツいので1枠が厳しい。


冬中山開幕週良馬場
冬阪神開幕週良馬場
冬中京開幕週良馬場

冬阪神は大きな競馬場らしく、上がり上位の成績が良い。
逃げ、先行馬の成績も良く、不利が少ない競馬場だ。

冬中山と冬中京は上り上位の成績が阪神ほど良くない。
冬中京は逃げ先行の成績が他二つよりも悪い。
枠の成績と合わせて冬中京の2~4枠は逃げ先行でなくても成績が良い

冬中山開幕週良馬場
冬阪神開幕週良馬場
冬中京開幕週良馬場

冬阪神は1,2人気が普通に活躍し人気薄の可能性は低い。
冬中山と冬中京は1、2人気の安定感低い。


1,2人気 *勝率、複勝率*
中山 53.0%、107.1%
阪神 67.2%、126.5%
中京 54.2%、10.9.6%

中山は7人気まで勝率5%以上で8人気まで&10人気が複勝率10%以上。
阪神は5人気まで勝率5%以上で7人気まで複勝率10%以上。
中京は5人気まで勝率5%以上で7人気まで&9人気が複勝率10%以上。

冬中山開幕週良馬場
冬阪神開幕週良馬場
冬中京開幕週良馬場

結論:中山だけでなく中京も人気通りにおさまらない
確かに中京もコーナーがきつくてクセがあるコースで難しいのだが、なぜか時々マグレパンチが当たるので問題は先送るw

中山競馬場が難しい原因

コースレイアウトで内側の馬達が力を出せないことがある。
外枠の馬の勝率が高いのも内側の馬達が不利をうけるからだ。

一番の問題点は4コーナーだ!
4コーナーの残り400m地点から下り坂になる。
小回りのコーナーなのにコーナーの出口にかけて下り坂なのでスピードが出やすくなりやすい。

白い点の部分が下り坂

跳びの大きな馬やストライドの大きな馬はこの4コーナーをうまく周れないことがある。
ソールオリエンスを始めとしたキタサンブラック産駒が一つの例だ。
スピードを優先すると外に大きく膨らみ、コーナリングを優先するとスピードが出せない。
先頭がストライドの大きな馬でコーナリングが苦手な馬だとこの4コーナーで加速できずに内側の後続のブレーキになってしまう。
先週の葉牡丹賞の4コーナーの③ロジルーラーを見てくれ。
本来なら加速したいところでできない姿がわかるだろう(涙)

普通に内側の先頭の馬達が力不足で失速し前壁になり内側の後続が全く力を出せないレースも多い。
有名なのが2021年のセントライト記念。

内側でタイトルホルダー、ノースブリッジ、タイムトゥヘヴンといった後に重賞を勝つ馬達がなすすべもなく沈んで行った。

中山はラスト400mの短い区間で平坦→下り→上りと変化が大きく器用さや機動力に欠ける馬や騎手には難しいコースになっている。
東京の長い直線でまっすぐ加速するのが得意な馬の中にはコーナーで加速するのが苦手な馬も多い。
そういう馬が中山で活躍するには外差し馬場の日に外枠からレースするに限る。

二種類のコース

内回り、外回りよりも大きな違いがある。
1200mと1600mは下り坂で始まり、ゴール前に上り坂はあるが下りの方が多い。
前半が非常に速くなりやすいコースだ。
トロワゼトワルの中山の1600mレコード1分30秒3の1400m通過は1分18秒3。
これは芝1400mの日本レコードよりも速い。

一方、1800~2200mのコースは前半600mに高低差5.3mの上り坂がある。
先行争いなどで前半のペースが速くなると後半に大きく失速する。
皐月賞上位馬が菊花賞で好走するのも3歳春に速いペースでこの上り坂を経験してスタミナ勝負になるからだ。
騎手のペース判断が重要なコース。

騎手成績

12月中山芝良馬場1200~1600m
12月中山芝良馬場1800~2500m


同じ右回りでも阪神競馬場とは違う

阪神競馬場は右回りでゴール前に急坂がありますが中山競馬場とは大きく違います。

阪神は3コーナーから下り坂が始まり、3-4コーナー中間が長く、ストライドが大きな馬にも加速しやすい造りになっている。
下り坂の走りを4コーナーの手前から続けられるので馬は走りやすい。
大阪杯でも天皇賞秋や東京GⅠ実績馬が成績がいいのは直線で加速するのが得意な馬でも走れるコースレイアウトだからだ。


騎手の意見

松岡正海騎手
僕としては、中山コースが一番難しいコースだと思っているんです。『中山、上手いね』と、言ってもらえることが一番うれしいんですよ。

M・デムーロ騎手
中山競馬場は全体がトリッキーと言われますけど、特に芝1200mは難しいコースです。

スタートして直ぐにコーナーがあります。短距離の馬は行きたがる馬が多いから、コーナーがまず混みます。だからこそ、外枠は本当に大変。普段のコースよりもロスが多くなってきますね。

 それを考えて内に入れようとするのも非常に難しいです。スピードを落とし切って中に入れるか、引っ張るしかないですから。だから、出脚が付かない短距離馬だったら、そうする人もいますね。
向こう正面は、くだり坂になっていて、更にスピードが出やすい作りになっています。だから、コーナーで気持ちが入ってしまった馬は大変だし、そこの坂で外にいる馬はなだめるのが非常に大変。短距離馬は、行きたい! 行きたい! って鼻息を荒くするから。逆に内に入れて前に馬が置けたら、逆に息を入れることも出来る。リラックスさえ出来たら、坂に合わせてスピードは上がるけど息がスっと入りますから。

4コーナーでは、外に出すか内に行くかという選択肢を騎手全員が考えます。しかし、下り坂でスピードが上がってきた馬達をコントロールするのは、とても技術がいりますね。そして、直線は短く、坂がキツイので、本当に合う馬と合わない馬がハッキリと分かれるコースだと思います。

全てにおいて、難しさがあり、運が非常に大事になるコースです。内でためすぎても脚を使いきれないし、外に回されたら間に合わないしと言った点がトリッキーと言われるのかなと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?