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公平という圧力をかける日

日本の公共放送局はNHKですが、けっこうな人数の国民が受信料を払いたく無いと考えているっぽい。一応、営利を目的としていない唯一の番組放送局ですが、国営ではないので国に支配されず、受信料をほぼ強制的に徴収しなければならないのが議論の的で微妙な所であるのは周知の事。  しかしながら、公共組織であるので民放よりも公平性は重要視されるという難しさも否めない。


ドイツではARDと言う西ドイツ時代の組織と東ドイツ時代のZDFと言う二組織が在ったり、フランスでは株式会社が公共放送を担っていて日本とは全く違う運営方法が採られています。     イタリアでは日本と同じ様にテレビやラジオの所有によって受信料を課せられるが、罰則も無ければ遅延利息も無いので、日本と同様の不払い問題が出ていないのか疑念が湧く。        カナダにはCBC、アメリカのラジオ放送との兼ね合いで設立された歴史を持つ。アメリカは流石、複数の公共放送が在り、寄付金も運営の重要な資金源なのがアメリカっぽい。


さて、イギリスでの公共放送局はBBCだ。BSとかで比較的簡単に観られるので、当方にとっては他の国の公共放送では馴染みが有る気がします。

そして昨年七月、BBCは驚くべき数字を発表した。その前月の六月までの直近一年間で世界の4億3800万人がBBCニュースを、3億5100万人が国際放送のBBCワールドサービスを、更に1億3700万人が同じく国際放送のBBCグローバルニュースを視聴、聴取、閲覧したという統計だ。

BBCは2桁台の急成長を遂げている上に一部のアメリカのメディアと違って、対立を煽って視聴率やページビューを稼ぐ手法に頼らない、評判が良いのは確かだろう。例に挙げたアメリカではここ数年、偏向報道が猛威を振るっていると言われている。日本にもそういう事が無いとは言えない、対岸の火事では済まされない問題かと。

BBCは日本人としては驚くだろう事に、公平性を重視した報道を行うよう法的に義務付けられている。正確な報道を目指すならば方法の一つではあるかも知れないが、法律に縛られた報道というのは不安が湧き出る事は否めない。しかしながら、BBCは世界的に非常に高いと言える程の信頼度を勝ち得ているのも事実なのです。


自分の考えと合う報道、合わない報道、または中立な報道のどれを求めるかという問いに対して、ドイツ人の80%、日本人の78%、イギリス人の76%、イタリア人の65%、フランス人の58%が中立な報道を求めると答えています。アメリカ人も60%が中立な報道を求めている。当方からすれば寧ろ、中立な報道以外が必要なのかと疑問なのだけれど、中立な報道以外が必要だと答えた人々にどの様な意見や考えが有るのかは分からないので、その事は傍に置いておきましょう。

取り敢えず、明確なイデオロギーを持つ層をターゲットにした戦略はとにかく時流に乗らなければならないと思う。各々の〝正義〟とやらを全面に打ち出して視聴率やビューを稼ごうと躍起になる。そんな報道に価値は見出せませんがね。

当然の如く、アメリカ人も同じ様に感じている人は多い筈。一つの数字がソレを示しています。 全米規模のテレビ局では最も信頼されているであろうABCでさえ、そのテレビ局を信頼すると答えた人は51%程度に収まってしまいました。NBCおよびMSNBCは49%、CNNは47%。

アメリカに複数在る公共放送の一つ、ラジオ局のナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)を信頼するアメリカ人は49%ですが、コンテンツ数も予算規模もBBCに遠く及ばないのが現状です。

イギリスではここ数年、BBCの信頼度が下がってきているという統計も出ています。それでも尚、オックスフォード大学の調査ではイギリス人のうち中道派の70%、特定の政党の支持者の63%がBBCの報道を信頼していた、というアンケート結果が出ているそうです。実に高い信頼度と言わざるを得ないのではないでしょうか。


日本国内メディアの信頼度調査において2020年度にNHKは新聞よりも低かった。2019年に引き続き二年連続の結果となった。

しかし、新聞はネット環境に押されて購買数が低下しているのは周知。民放に至っては偏向報道の恐れは拭いきれない問題として残り続けている。

頼みの綱は消去法だとしても公共放送たるNHKのみだと思うのだけれども、公共放送が民営の新聞よりも信頼出来ないというのは中々に宜しくは無い。それと、もう一つの問題点。新聞だって信頼度は高くとも、お金を払ってまで見る人は格段に減っているのに、半強制的に受信料を徴収されるNHKに反感を憶えない筈も無し。

よくNHKは批判に晒されてばかりいるけれども、公平な報道と信頼度のバランスは高い。NHKを排除する方向の人や、NHKの重要性を低く感じている人も多いのでしょう。ソレは当然の流れかも知れませんが……。


当方は現在のNHKに反対も賛成もしなけれど、BBCの様に信頼性が高く評価される公共放送ならば、当然その時には賛成だ。

排除や反対、批判ばかりするのでは無く更に良くなる方法を模索する事が有る筈。

その方法は当方も分からないけれど、もっとNHKの不満が解消されれば、もっと安心が出来る日本になると願っています。


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